美の都 フィレンツェ 2015.09.12


イタリア中部の都市フィレンツェ。
15世紀にルネサンス芸術が花開いたこの街はレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロが活躍した美の都です。
(鐘の音)〜フィレンツェ市庁舎の前にあるシニョリーア広場です。
多くの彫像が建ち並ぶこの広場ではルネサンスのころからさまざまな行事が行われてきました。
1504年街のシンボルとしてこの広場に設置されたダヴィデ像。
今はレプリカが置かれています。
この彫刻の制作者はルネサンスの巨匠ミケランジェロです。
現在その原作は街の北東部にあるアカデミア美術館で見る事ができます。
〜ガラス張りのドームの下に悠然と立つダヴィデ像。
高さ4メートルを超えるこの像は1世紀ほど前に広場からここへ移されました。
長く街の中に放置されていた巨大な大理石から若きミケランジェロが見事に彫り上げた作品です。
敵のゴリアテを倒した旧約聖書の英雄ダヴィデの若々しく力強い姿。
ルネサンスを象徴する大作です。
(太鼓の音)13世紀毛織物工業で成功したフィレンツェ市民は街に大きな教会や聖堂を建て芸術家に依頼しその内部をさまざまに装飾しました。
そうした中から芸術家の才能が花開き数々の名作が生まれたのです。
(鐘の音)街の北部にあるサン・マルコ修道院です。
心洗われるような静かなたたずまい。
この修道院では画僧フラ・アンジェリコの作品を見る事ができます。
修道士が祈りをささげる僧房の質素な壁画。
華美を慎んだドミニコ会の精神を受けフラ・アンジェリコが描いたキリストの生涯です。
2階への階段を上がった所にはその代表作「受胎告知」があります。
天使がマリアに神の子を宿した事を告げる場面。
美しく彩られた天使の羽。
神の言葉を厳かに受け入れるマリア。
神聖な空気に包まれて時が止まったかのような画面です。
深い信仰心に満ちたフラ・アンジェリコの祈りの世界が伝わってきます。
ルネサンス文化の最大の庇護者となったメディチ家の別荘がフィレンツェの郊外にあります。
カレッジのヴィラ・メディチ。
ここは当代きっての文学者や芸術家が集い日夜哲学談義が交わされる社交の場となっていました。
画家ボッティチェリもこうしたサロンを舞台に傑作を生み出します。
神話の世界を基に描かれた「春
(プリマヴェーラ)」です。
中央に立つのが愛と美の女神ヴィーナス。
画面の右手番端には西風の神ゼフュロス。
その求愛を受けた森の妖精クロリスが花の女神フローラに変身するという物語が展開されています。
左手の3人の乙女は愛と貞節美を表す三美神。
「春」はさまざまな寓意を登場人物や花に込め愛と美の世界を描いたルネサンス芸術の大作です。
ボッティチェリの名作を含めイタリアルネサンスの膨大なコレクションを誇るのがアルノ川のほとりに建つウフィツィ美術館です。
〜「春」と並び称されるボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」。
海の泡から生まれた天上のヴィーナス。
髪を風になびかせたおやかにたたずむギリシャ神話の女神です。
バラの花をまきながら風を送る西風の神ゼフュロスと花の女神フローラ。
時のニンフホーラーが布を広げヴィーナスを待ち構えています。
甘美な表情のヴィーナス。
当時の人々の古代への憧れを示す華やかな作品です。
ミケランジェロが描いた「ドーニの聖家族」。
フィレンツェの織物業者ドーニ家のために描かれました。
鮮やかな色彩と緻密なタッチで描かれていますがエネルギッシュで立体感あふれる人物表現には彫刻家ミケランジェロの感性が如実に表れています。
この美術館では天才画家レオナルド・ダ・ヴィンチの作品も観る事ができます。
まだ修業中に師匠ヴェロッキオとレオナルドが共同で描いた「キリストの洗礼」。
師匠の手によるものは中央のキリストと洗礼者ヨハネ。
レオナルドは深い精神性をたたえたまなざしの天使を左端に描きました。
ヴェロッキオは弟子が描いたこの天使を見てこれ以上のものは描けないと言い絵筆を折ったと伝えられています。
レオナルドが二十歳のころの作品。
「受胎告知」です。
天使の言葉に耳を傾けるマリアのりんとしたたたずまい。
その表情には気高さがあふれています。
はるか遠くまで広がる神秘的な風景。
画家であり科学者でもあった万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチの比類なき才能が遺憾なく発揮された作品です。
最後にレオナルドやミケランジェロに学び自らもフィレンツェで偉大な画家となったラファエロの作品を観に行きましょう。
アルノ川の南にあるピッティ宮殿。
ラファエロの傑作を堂に集めているのがこの宮殿にあるパラティーナ美術館です。
きらびやかで壮麗な内装。
ここに代表作2点の聖母子像があります。
暗い背景の中から浮かび上がる優美な雰囲気をたたえた聖母子。
この作品はトスカーナ大公のフェルナンド3世に気に入られ旅先にも持っていかれた事から「大公の聖母」と呼ばれています。
もう1点は傑作「小椅子の聖母」です。
我が子を抱きしめるように身をかがめるマリア。
母親の愛情に包まれて屈託のない表情のイエス。
優れた人物表現と調和の取れた構図によってラファエロが生み出した永遠の名作です。
16世紀後半メディチ家の衰退とともにルネサンス文化も幕を閉じました。
およそ200年の間に多彩な才能が織り成した人類の遺産。
長い時を経た今でもこの街には豊かなルネサンスの芸術が輝き続けています。
2015/09/12(土) 03:45〜04:00
NHK総合1・神戸
美の都 フィレンツェ[字]

【語り】比留木剛史

詳細情報
出演者
【語り】比留木剛史

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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