韓国の高校歴史教科書、慰安婦強制連行・北の動向記述を強化

国史編纂委員会が公聴会を開催
早ければ2017年から施行

 早ければ2017年から高校で使用される韓国史の教科書に、日本軍による慰安婦の強制連行、哨戒艦「天安」撃沈、延坪島砲撃などについての記述が大幅に強化される見通しだ。高句麗についての説明では、当時の正確な東アジア情勢についての理解も促すことにした。

 国史編纂委員会は11日「歴史科編纂準拠開発試案公聴会」を開催し、上記の内容を含む高校韓国史教科書執筆基準の試案を公表した。「教科書執筆基準」とは、執筆者らが教科書の内容を記述する際に従うべき一種のガイドラインに相当する。

 この試案によると、特に慰安婦についての執筆の方針として「日帝が多くの女性を日本軍慰安婦として連行し、女性の人権をじゅうりんした事実を明確に記載せよ」と明記されている。また国際機関や世界各国が慰安婦問題を戦争犯罪とみなしている点についても留意し、日本の官憲によって強制的に連れ出されたケースを紹介するよう指示されている。また独島(日本名、竹島)や間島についても同じように明確に記述するようにした。たとえば独島については「われわれの固有の領土という事実を説明せよ」となっており、間島については「日帝が自国の利益を前面に出し、間島協約を締結した点に留意せよ」との試案を定めた。

 さらに現代史においては北朝鮮の3代世襲や核兵器開発問題に加え、哨戒艦「天安」撃沈や延坪島砲撃など、最近の北朝鮮の動向にも留意するよう指示している。現在、天安撃沈と延坪島砲撃をいずれも紹介している教科書は全8冊中3冊だが、この試案が確定すれば、この問題についての説明が強化される見通しだ。

 さらに1940年代における大韓民国臨時政府の活動について説明する際には「韓国独立党と朝鮮民族革命党が協力して光復に向けた準備を行っていた点に留意し、内容を構成せよ」となっている。

 試案ではさらに、高句麗を自国の地方政権と見なそうとする中国の「東北工程」に対抗し、生徒たちが正しい歴史観を持つよう「高句麗と隋、高句麗と唐が戦争を行ったことなど、アジアにおける国際情勢やその背景などについて理解できるよう説明せよ」となっている。

 教育部(省に相当)の関係者は「今回の試案は現在の韓国史教科書検定体制を国定に転換する問題とは別に定められるものだ」とした上で「公聴会で出た意見などを参考に、今月末には試案を確定させる予定だ」と説明した。

 一方この日の公聴会では、執筆基準について研究を行っている5人の研究者が「もし歴史教科書が再び国定となり、内容も学問上の定説と関係ないものになれば、歴史教育が被るマイナスの影響は決して小さくはなくなるだろう」と主張し、国定化反対を改めて訴えた。

金成謨(キム・ソンモ)記者
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