温泉若おかみの殺人推理 2015.09.10


(中川美奈)
私中川美奈
福井県芦原温泉ホテル清風荘の若女将です
北陸福井の名所名物と言えば奇岩で名高い東尋坊
曹洞宗の大本山永平寺
越前竹人形などが挙げられます
がもうひとつ意外なものがあります

恐竜です
福井は恐竜化石の産出日本一を誇るジュラシック・パークなのです

ここ芦原温泉ホテル清風荘も恐竜とは無縁ではありません
2年前に亡くなった大女将の連れ合い
つまり私の義理の父が日本でも有数の恐竜博士で…
命日にはその業績を記念して恐竜フォーラムが開かれ今回で2回目を迎えることになりました
(一同)いらっしゃいませ。
(中川清子)ようこそお越しくださいました。
お待ちしておりました。
(一同)いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
まあ遠山先生!
(遠山)亡くなられたご主人のことで大事なお話が…。
主人のことで?若女将竜介さんも呼んでくれるかね。
はい…。
主人の遺言書!?でも亡くなってから2年も経っているんですよ。
どうして今ごろ?どうしてって言われてもね。
三回忌に公表してほしいというのが本人の要望なんです。
(中川竜介)作られたのはいつなんですか?亡くなる3日前でした。
(美穂・竜介)3日前!?主人は予測もしない事故で亡くなったのよ。
その3日前に遺言書が書かれたって言うんですか?ともかく弁護士の私以外に公証人も立ち会って作成されたれっきとした遺言書なんですから…。
公表にあたって本人の但書きがあります。
法事に集まった関係者全員の前でこの遺言書を発表するようにと…。
全員の前で!?明日の三回忌の予定はどうなってます?午前中に内々で法要を済ませて午後1時には恐竜フォーラムのオープニング・パーティーを兼ねて主人を偲ぶ会を…。
ではその会の席上で遺言書の公開を…。
福井中央大学の古生物学の名誉教授だった義父の中川登は2年前…
(中川登)うわあー!
恐竜化石の発掘現場で崖の上から転落して死亡しました

夜中に調べものがあると言って出かけたまま帰らぬ人となった義父でしたが事件性は見いだせず事故死と断定されました
水沢さんご苦労さま。
(水沢尚子)いいえ。
義父の教え子で助手の水沢尚子
(川田雅彦)お久しぶりです。
川田さん。
妻と娘です。
まあかわいい!おいくつ?みっつ!どうぞ。
失礼します。
義父の愛弟子で助教授の川田雅彦
義父の長年の論争相手だった北陸大学の大滝晃一教授
化石発掘現場の使用問題で義父と対立関係にあった竹人形作家の香山茂
恐竜の化石を求めて暗躍する化石ハンター三村進
義父が恐竜の次に愛した女性たちの筆頭芸者の千代菊
以上が義父の遺言書の但書きに必ず出席を促すようにとあった人たちです
皆様もご存知のとおり主人はやんちゃ坊主という形容がピッタリのいたずら好きの人でした。
皆様の中にはかつがれたり驚かされた方も随分いらっしゃると思います。
その主人が自分の三回忌に皆様の前で公表するようにと遺言書を残しておりました。
他界してからも注目を浴びたいというパフォーマンスなのでしょうが故人の遺志を尊重して今ここで披露させていただきます。
弁護士の遠山です。
中川先生の遺言書は2通あります。
こちらのほうを公表せよということですので読み上げます。
「皆々様かくも賑々しく私の三回忌の法要にお集まりいただき心から感謝いたします」「この遺言書をしたためますのは万一に備えてであります」「万一とは私の死が事故として処理された場合のことです」「ここに私中川登は宣言いたします」「私の死は病でも事故でもなく第3者による殺人であると…」「ついては私を死に到らしめた人間を突き止めていただきたい」「ことの真相を究明し犯人を暴き出してくださった方にはもう1通にしたためた格別な褒賞を与えるものです」お義母様!
(ウメ子)大女将!大丈夫ですか?救急車!驚きました。
お義母様がめまいを起こされるなんて…。
竜は?血相変えて署のほうへ…。
そりゃあショックだったでしょうよ。
さんざん取り調べをして事故死だって決定したものを当の親父がひっくり返すんだがら…。
本当に何て人かしらね。
死んでからも悪ふざけして人様を騒がせて…。
でもいくらお義父様がいたずら好きでも冗談で遺言を書いたりなさるでしょうか?じゃあ実際誰かに殺されるようなことでもあったって言うの!?誰に?さあそれは…。
若女将!お願いいたします。
はい。
ええっ亡くなった大旦那さんが!?ほんまやの?みたいよ。
でね犯人を見つけた人には賞金が出るって話!賞金!?いくらいくら?手配中の国際テロリストほどじゃないにしても1千万ぐらいは固いんじゃないの。
1千万!?すごいよ!ちょっとあんたたち!何もたもたしてるの!仕事仕事仕事!全くもう!1千万!?1千万!
(南木)親父さん独特のブラック・ユーモアじゃないの!?三回忌に集まったみんなを楽しませようっていうサービス精神だろう!?そんな…仮にも遺言書ですよ!いたずらや冗談で…。
マジ!?だとしたら事故死と判定した俺たちへの挑戦だよ。
挑戦!?死者から挑戦とは前代未聞だよ!私はお義父様が自分の死までちゃかすような人だとはどうしても思えない。
やっぱり真剣に遺志を受け止めるべきじゃないかしら。
だけどさあ命の危険を感じてんだったらどうしてそのときに知らせてくんないの!?確証がなかったのよ!不確かなことで騒ぎ立てしたらお義父様のこけんに係わるわ。
だから万が一のことを考えて遺言に…。
でもさあ三回忌だよ。
何だって2年も経った今ごろさあ?そこがお義父様らしいところよ!お義父様の仕事は恐竜の化石を発掘して1億年前の地球の真実を探ることだったのよ。
あの遺言はたった2年前のことを風化させるな。
過去に葬るなというお義父様のメッセージよ!「真実の探求を忘れるな」か…。
しかもお義父様は丁寧に容疑者のリストアップまで…。
三回忌に出席を指名されたあの連中だな…。
助教授の川田雅彦さん。
北陸大学の大滝教授。
竹人形作家の香山さん。
助手の水沢尚子さん。
化石ハンターの三村進。
芸者の千代菊さん。
その6人の中に親父を崖から突き落とした真犯人がいるんだ!ひょっとすると開封されていない遺言書に犯人の名前が…!ええっ!ねえ竜ちゃん。
ここはあなたの力が試されているのよ。
お義父様はね誰よりもあなたに期待しているわ。
憎い犯人をこの手で捕まえてほしいって…。
そうかそうだよな。
あれはせがれの俺に対するメッセージなんだ!しっかりしろ竜介!あっ痛っ!お義父様!お守りください。
お願いします!守ってください!あらら!大女将ったらこんな時間に怪しいわね!?おまえも大旦那を殺した犯人を見つけて賞金を稼ごうって口か!?1千万は下らないってよ。
いい加減にしな!あっ痛っ!えっ?えええっ!遠山先生!?そそうだね。
どうしよう…。
(パトカーのサイレン)心臓を一突きだ。
警部親父の遺言書が1通消えてますよ!遺言書がない!?それがホシの狙いか…。
竜介お前が言ったように親父さんの遺言書はいたずらや冗談じゃあなさそうだな。
犯行の動機は?犯人のめぼしは?遠山弁護士のかばんから親父の遺言書が抜き取られていたんだよ。
だから犯人は行きずりじゃないよ!それを抜き取るのが目的で遠山さんを刺し殺したんだよ。
そう…。
もう1通のあの遺言書に人を殺すほどの価値があるってことよね。
一体何が書かれているのかしら…?とにかくねえ。
2年前のことも1から洗い直すことになったんだ。
あのママ…いやいやおふくろどうしてる?どんな様子?平静を装っているけどお義父様の遺言が半ば裏付けられて相当ショックなのよ。
竜ちゃん!お義母様のためにもしっかりね!私も目一杯協力するからどんなことをしても犯人を捕まえるのよ。
いいわね!わかってるわかってるってば…。
この手柄だけはねえ誰にも渡さないからね。
じゃあねぇ。
うんじゃあね。
若女将。
南木警部。
大女将は?2年前のご主人が亡くなられた夜のことをもう一度伺おうと思って…。
夜中の0時を回ってました。
急に調べものがあると言い出して…。
あなたどちらへ?どちらへって心配ご無用。
白粉の香りのするほうじゃありませんから…。
突然ひらめいたんです。
雨も降ってますし明日になさったら。
雨が降っているから夜が明けるまで待てないんですよ。
それが生きている主人を見た最後です。
突然ひらめいたというのは恐竜に関することですかね?だと思います。
化石の発掘現場に出かけているんですから。
ご主人の死を遺言書にあったように事故ではなかったと仮定してもう一度2年前のことを振り返ってみてください。
何か改めて思い当たるようなことはありませんかね?若女将も…?何もないわ。
思い当たることなんて…。
美奈さんあなたはどう?いえ何も…。
しかしあんな遺言書を残すくらい当人は身の危険を感じていた。
何の兆候もなかったとは考えられないんですがね…。
義父は何があっても周りに心配をかけまいと気を配るそういう人でした。
ところで警部捜査本部の見解は?はい?今回の遠山弁護士の刺殺事件は2年前の義父の件と何らかの係わりがある。
同一犯の可能性も…。
そうお考えなんですね。
いやそれは…。
ということは…。
いやどうもおじゃましました。
どうもお手数かけました。
若女将。
北陸大学の大滝教授が恐竜フォーラムに出ておられると聞きましたが…。
本当ですか?ええ午後から講演が…。
あっそう。
先生お客様です。
古生物がどのような状況で化石になったかを知るには科学的な根拠だけでなくイマジネーションやひらめきも大事なんです。
恐らく中川先生は夜中に何らかのヒントを考えついてそれを確認するために化石の発掘現場へ向かったんじゃないでしょうか?もし親父に殺意を抱いている人間がいたとしたらそれは絶好のチャンスじゃないんですかね。
川田さんは親父の愛弟子としてずっと行動を共にしてましたけど何か思い当たることはないですかねえ。
親父を殺したいほど憎んでいた奴がいたとか?まあ対立関係にある人は何人かいました。
恐竜温血説で中川先生と論争を続けていた北陸大学の大滝教授。
それから化石発掘現場の権利を巡っていまだに裁判で争っている香山さん。
あの勝山で竹人形を作っている土地持ちの…?ええ。
しかし彼らに中川先生を殺すほどの憎悪があったとは思えません。
息子のあなたが一番よくご存知でしょうが先生は根っから争いが嫌いな博愛主義者でしたから…。
特に女性にはね。
ところで助手の水沢尚子さんの姿見かけなかったけど?さっきまで研究室にいたんですけど…。
午後から大滝先生の講演に学生たちを連れて行くことになっていますから校内にはいるはずです。
水沢さん!あの人と付き合ってるの?そんなんじゃありません。
どう思うって?親父の遺言書のことですよ。
親父の遺体を最初に発見したのは水沢さんですよね!?ええ…。
一番身近にいたあなたに率直なところを聞きたいんだ。
親父に何があったのか?今思うと先生に何か特別なことがあった。
そんな印象はありました。
何か特別なこと?化石の発掘で?それとも人間関係で?そこまでは…。
でもあの方は正直だったからちょっとした態度や言葉の端に出てしまうんです。
あのときはいいことだったような気が…。
特別ないいこと…何だろうな?いくつか実例を挙げましたように恐竜の滅亡に関しては巨大隕石衝突説が最有力ではありますがこれも絶対ではありません。
日々の発掘調査が古生物学の命なんです。
今この瞬間にですねえ。
世界のどこかで画期的な発見がなされて諸説が覆されることがありうるんのです。
かように古生物学という学問はスリリングな学問であるということを申し上げて私の今日の講演は終わりたいと思います。
ありがとうございました。
(司会者)ありがとうございました。
北陸大学教授大滝晃一先生によるご講演でした。
今一度大きな拍手をお願いいたします。
(拍手)いやどうも。
犬猿の仲とか仇敵とかねえ。
世間じゃあ面白おかしく取りざたするだろうが中川さんはいい意味でライバルだったな。
ライバル?学術論争なき学問というのはそれこそ恐竜じゃないけど滅亡すると私は思うよ。
そういう意味で中川さんというのは論争相手として私にとっては重大な存在だったんだ。
それを嫌ってたとか憎んでたなんていうのは全く見当外れの質問だと思う。
しかし学術論争だけではなく中川さんとは日本学術会議のポストも争っていたと聞きましたが…。
日本学術会議員といえば学者にとって日本学士院文化功労者文化勲章と続く重要なステップでしょう。
一説では中川さんが1歩リードしていたと聞きますが…。
北陸大学では何とか逆転して大滝先生を当選させようと裏で札束が乱れ飛んだという噂も…。
何を根拠にそんな…。
悪いがもう君の質問には答えたくないな。
失礼する。
あっ竜ちゃん?今いい?えっ発掘現場にいるの?竜ちゃん。
ここね。
お義父様の遺体が見つかったのは…。
ちょうどあのあたり。
パパ…。
助手の水沢尚子が当時親父には特別いいことがあったようだって言っていた。
特別いいこと?何となくそれが謎を解く鍵のような気がするんだ。
親父にとって特別ないいことって誰かにとっては特別悪いことかもしれないじゃないか!?親父が殺されたんだとしたらそれが動機じゃないのかな。
竜ちゃん。
遠山弁護士のかばんから持ちさられたもう1通の遺言書にその特別いいことが記されてるのよ。
きっとそうよ!だけど親父にとっていいことって何なんだろう?主人の女性関係でどれほど後始末をして回ったことか…。
そんなに…!?結局あの人が愛したのは恐竜の骨と白粉の香り。
どちらも私にとっては気持ちのいいものじゃなかったわ。

(かっぽれの歌)まあまあお待たせしました。
じゃあお願いします。
(客)ほおーっ!よおー!
(千代菊)お兄さんもどうぞ!はいありがとう!コップでいってよコップで…。
飲めるんでしょう!?お疲れさまでした。
お疲れさまでございました。
千代菊さん。
若女将。
ちょっとお時間いただける?義理の父のことでお話があるの。
中川先生は私の大切なお客でした。
たとえお身内の方でもお話できないこともあります。
それでよろしかったら。
ええいいわ。
でも私の立場も考えて…。
適当な話でお茶を濁すようなことはしないでね。
評判の若女将と一度差しで飲んでみたかったんです。
とことんお酒に付き合ってくださったらお望みに沿うかも…。
はい。
はい。
はい。
参った!もうダメ!あれっ!?千代菊さん!千代菊さん!これじゃ話も訊けない。
ナオちゃん。
私の部屋までいい…。
せいのー!ちょっとしっかり。
いい。
私一体…?大丈夫?美奈と飲み比べしたんだって?知らなかったの?こいつさあ。
うわばみの上をいくんだから…。
ねえ千代菊さん。
私たち義父のことで真実が知りたいの。
力を貸してちょうだい!何を話せばいいんです。
あのねえ君が親父について知っているすべて!特に親父が一番入れあげていた女性のこと?私亡くなるちょっと前酔って先生に絡んで問い詰めたことがあるんです。
ハハハハ…。
今夜という今夜は答えてもらいますからね。
先生こっち向いて。
千代菊は先生にとって何番目の女なの?千代菊か?ハハハ…!悪いが3番目だな!3番目?はっきり言ってくれますこと!じゃあ2番目は?そりゃうちのカミさんだよ。
怖い怖いカミさんか…。
よし。
1番目は?サリー!サリー!?何者よそれ?私の大事な大事なサリーちゃんさ!
(美穂・竜介)サリー!?当時芦原温泉に来ていた外国人タレントにサリーなんて名の子はいませんでした。
それで芦原の生き字引と言われている千代松姐さんに訊いたら…。
そや思い出した。
10年ほど前フィリピンから来たダンサーでサリーって女の子がおったんよ。
中川先生がえらい入れ揚げてはった。
(美穂・竜介)フィリピン・ダンサー!?でも彼女はもう何年も前に母国に帰って向こうで所帯を持っているらしいんです。
移り気な中川先生がそんな子を思い続けてるはずはないし…。
ごめんなさい。
移り気だなんて…。
いやあ…。
サリー…。
一体どこの誰なのかしら…?幻の女か…!?2015/09/10(木) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
温泉若おかみの殺人推理[再][字]

私は殺された!三回忌に死者から遺言状…芦原温泉、恐竜が真犯人を解く!?

詳細情報
◇出演者
東ちづる、中村梅雀、岡田茉莉子、若林豪、長門裕之、坂上忍 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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