(男)無理だよ〜…出来ねえよ。
(荒い息遣い)
(男)うわーっ!爆弾だ!その金よこせ!
(携帯電話)
(亀山薫)おお…。
(携帯電話)
(舌打ち)は〜…。
ああ…伊丹からでした。
(杉下右京)出なくていいんですか?出る義理ありませんね〜。
(電話)特命係。
…ええ僕です。
はい?ええ…。
わかりました。
伊丹刑事からでした。
ハア!?何なんすか?一体。
僕と君をご指名です。
指名?と言っても指名しているのは現金輸送車を襲った犯人だそうですが。
はい!?行きましょう。
え…あちょっ…!
(警察)「起爆装置が作動して爆発する恐れがあります危険ですのでこの地域から速やかに退避してください」「繰り返します。
起爆装置が作動して爆発する恐れが…」
(伊丹憲一)クッソボケがぁ…。
(パトカーのサイレン)急ぐぞ!はい!ごめんごめんごめんおい伊丹!どうした。
おいお前コラッ電話に出ろよ!何なんだよ!?オメエの知り合いだろうが。
栄一!?
(若杉栄一)あっ…!なっ何やってんだお前!ご無沙汰してます!すいません!こんな事になっちゃいました…。
「なっちゃいました」っておい…。
(レポーター)「警備会社の現金輸送車が爆弾を持った強盗犯に襲撃され通報を受けた警察は犯人を包囲しえ〜現在犯人と警察の間で緊迫した睨み合いが続けられています」おいおい…刺激すんなって。
なんで東京にいるんだよ。
上京したんです。
現金輸送車を襲うために上京したのか!?バカな事言わないでくださいよ!爆弾付けられたんですよ!見てくださいこれ!爆弾ですよ爆弾!誰に付けられたんだ!知りませんよ!そいつら現金輸送車を襲えって…。
やらないと無線で爆弾爆発させるって言うんですよぉ!亀山さん俺まだ死にたくない…!助けてください…!泣くな!バカッ!誰かが無線付きのCCDカメラで監視をしているようですねえ。
こちらの動き次第で爆破させるつもりでしょうか。
なんとか出来ませんかねえ…。
(爆弾処理班班長)CCDカメラに映らない背後から行けば接近出来るかもしれません。
事の真偽がハッキリするまでもう少し様子を見ましょう。
ホントに…後ろからなら大丈夫?
(班長)カメラには映りませんが…。
おいよせよバカ!お前の出る幕じゃねえよ!
(芹沢慶二)やめましょうよ無茶よした方がいいですって!チョッキ貸して!行ってきます。
止めても無駄のようですね。
亀山さ〜ん!早く助けてください…!待ってろよぉ…。
まったくオメエはでしゃばりやがって…。
止めろ早く!止めろ。
(シャッター音)オイ!こっち向くな!じっとしてろ!脱ごうとしたら爆発するって…。
大丈夫だ。
背中の方には配線されてない。
こっち向くな!前向いてろ!
(携帯電話)はい…。
(犯人)「何をもたついてるすぐにそこを離れて金を持ってこい」
(若杉)もういい加減にしてくれよ俺が何したってんだよ!「うるさいさっさと動け。
今すぐ爆発させるぞ」
(若杉)ちょっと…!犯人か?なんだって?金持ってこないと…今すぐ爆発させるって…。
これで背中を切り裂きます。
ベストを脱がせたら彼を連れて逃げてください。
いいですね?了解…。
どけーっ!
(爆音)
(悲鳴)爆発です。
今爆発しました…。
カメラまわして!大丈夫か!
(芹沢)先輩!
(レポーター)こちらからでは詳しい状況はよくわかりません…。
どうしてあんな事になっちまったのか始めから詳しく話してみろ。
はい…。
えっと…商工会議所の青年部でふるさと直行便みたいな事をやろうって計画が持ち上がってで俺東京詳しいですしまあ自慢じゃないですけど弁も立つ方なんで参加する事になってそれで今朝東京に来たんです。
来たなら来たで連絡ぐらいしろよ。
ご迷惑かと思って…お忙しいでしょう?
(伊丹)遠慮は無用だ。
こいつはいつも暇だから。
水臭いんだよお前は。
あすいません。
で?はい。
で同僚と都内のデパートをまわっていくつか契約をまとめて…。
(塩塚玄)考えていただけませんでしょうか。
御社には損はさせませんので。
ぜひよろしくお願いします!いいの探してね。
あありがとうございます。
じゃあ後ほどです!
(塩塚)はい。
(若杉の声)それで同僚とはいったん別れて別行動をとったんですけど…。
わあっ!そこで誰かに襲われて…。
あのほらこれこれがその証拠です。
ほら。
ん?あ〜スタンガンだな。
(若杉の声)気付いたらあの爆弾の付いたベストを着せられてたんです。
いって…!
(携帯電話)…もしもし?
(犯人)「目がさめたか?」なんだこれ…。
「お前に爆弾を取り付けた」…は?爆弾?「ベストを脱ごうとしたりこっちの命令に背けばそいつを爆発させる」何わけわかんない事言ってんだ。
誰だお前!
(爆音)「言う事を聞かないとお前もそうなる」脅されて命令に従わざるを得なかったつまりそういう事ですね。
はい。
なんですか?なんでそんな目で見るんですか?そんな目?疑いの目ですよぉ。
僕の事まだ疑ってるでしょう。
あなた以前ヤミ金の取り立て屋やってましたよねえ。
傷害で起訴もされてる。
恐喝容疑での逮捕履歴もあったよなあ。
ちょっと亀山さん…。
こいつはちゃんと更生してるよ。
してるよな?してますよぉ。
してます…。
犯罪傾向が顕著なヤツって事は間違いない。
おいこれも自作自演じゃないの?電話のヤツとは仲間だろ?強奪に失敗したからこんな作り話をしてるんじゃねえのか?だから違うって言ってるじゃないですかぁ。
ちょっと右京さ〜ん…。
(ノック)失礼します。
犯人が使用していた携帯ですが番号から身元を割り出す事が出来ませんでした。
チッ…「トバシ」の携帯か…。
携帯電話から簡単に足が付くような真似はしないでしょうねえ。
それからその人の知人だという人間が来てます。
えっ…僕の?あ…塩塚さん。
栄一さん大丈夫か?ひどい目に遭ったなあ。
(伊丹)あなたは?あ塩塚といいます。
(若杉)さっき話した同僚です。
まいっちゃったよ〜。
俺犯人扱いですよ〜。
犯人!?俺は被害者なのにさぁ。
彼が犯人?
(伊丹)襲撃したのは間違いなくこの男ですからねえ。
だからそうせざるを得ない状況だったんですよ。
あ〜わかったわかった。
いえ彼が強盗だなんてバカバカしい!ちょっと有り得ませんよ。
ええ。
(若杉)前に悪さしてたからってあんな目で見るのはどうかと思いますよ。
ちゃんと更生したと認めてもらえるまでには時間がかかるんだよ。
グチ言う前に真面目に生きろ!真面目に生きてますってばぁ…。
一ついいですか?はい。
どうして塩塚さんといったん別れて別行動になったんですか?ああ実は…ガキのお土産買おうと思いまして。
ガキ?ええ。
生まれちゃったんですよぉ。
お前子供生まれたのか!ええ。
あっ写真見ます?
(宮部たまき)あら私にも見せて。
(たまき)あら可愛い。
もうねぇほかの子供とは比べ物になんないぐらい可愛くてまいっちゃってんですよ〜。
知らせろよお前〜出来たなら出来たって。
すいません。
ホンット水臭いなお前な。
なあ。
知らせてくれりゃあ祝いぐらいな。
もう亀山さんからはお祝いいただいてますから。
あ?子供の名前ね薫子にしたんですよ。
勝手に名前いただいちゃいました。
そうなの?幸せなんですね栄一さん。
皆さんのおかげで幸せになりました。
ありがとうございます。
おめでとう!飲め飲め。
ありがとうございます。
話を戻して恐縮ですが。
あはい。
犯人の心当たりはまったくありませんか?あったらとっくに言ってます。
なるほど。
とすると偶然実行役に選ばれてしまったという事でしょうかねえ。
犯人は陰で操るだけ。
とんでもなく卑怯なヤツだな。
でも今回は失敗してしまったんですよねえ。
現金強奪という目的が果たせなかったからにはまた犯人やるかもしれませんね。
その可能性は十分にありますね。
よーし入れ入れ。
ちょっと散らかってっけどな。
いやいやそんな事…ありますねえ…。
何!?あいえ。
お邪魔しま〜す。
美和子さん今日はまだお帰りじゃないんですね。
大変っすね〜。
新聞記者っつうのも。
お前…コーヒー飲むか?あいえお構いなく。
美和子さん今日は何時頃お帰りなんですか?帰ってこないよ。
あじゃあ今日は泊まりだ。
別れた。
は?だからもう一緒に暮らしてない。
マジすか!?警察官嘘つかなーい!へへ…。
亀山さん何をしたんですか。
俺はなんもしてねぇよ。
何もしないで別れるわけないでしょう。
まあ何もしなかった事が原因っちゃあ原因かな。
ん?それどういう事ですか?もう…いいよこの話はもう終わり!
(米沢守)多少画像は粗いですが人物は判別可能ですね。
出来る限り解像度を上げてください。
わかりました。
よく見てください。
この中に見覚えのある人がいないかどうか。
CCDカメラの電波はそう遠くまでは飛ばせません。
現場付近に犯人がいた可能性は十分にありますから。
頼むぞおい。
はっはい…。
あれ…?ん?
(若杉)これ似てんなあ…。
これか?
(若杉)はい。
見覚えあんのか?
(若杉)ええ。
昔俺が取り立てした女に似てるんですよ。
名前は?えっと確か…。
思い出せ思い出せ。
あの〜…ハッ!漢字の「白」の間がないやつあれなんて読むんですか?うす!うす!あっ臼!臼井ミオです。
あっここですね。
(チャイム)
(チャイム)
(臼井ミオ)誰…?はーい!警視庁の者ですけども少しお話伺えますか?はい…。
あ…。
昨日信用金庫の裏で爆発騒ぎありましたよね。
その事で。
ああ。
その場所にあなたいらっしゃいましたよね。
お店出る前にたまたま通りかかっただけですよ〜。
騒ぎになってるからなんだろうと思って…。
で?その爆弾付けてた男ねご存知ですか?若杉栄一?そう若杉栄一。
思い出したくもない名前ねえ。
まさかあんなとこで出くわすなんて…。
あそこで爆発して死んじゃえば良かったのに。
ちなみにお店というのは?風俗。
私の借金ねえ普通のお仕事してて返せる額じゃないんです。
なるほど。
(長橋貴信)ワーッ!騒ぐなあっ!
(悲鳴)このカバンにありったけの金を頼む!言うとおりにしないと爆発するぞ!昨日の事件知ってんだろ!早くしろーっ!
(支店長)いいから出してやれ。
早くしろ。
早くしてくれえ!
(犯人)「札束を確認しろ」あ…。
「ふざけた真似をすれば今すぐ爆発させると言え」ふざけた真似するな!ええ!?ホントに爆発するぞ!「何をもたもたしてる。
早くやらせろ!」お願いだ!早くしてくれえ!わかった!わかった…。
早く…!
(パトカーのサイレン)
(支店長)やめろ!危ないからやめろ!うわあっ!
(芹沢)おおい!さっ下がれ!近付かないでくれ!体に爆弾が!またかよぉ…。
(犯人)「そのまま右へ真っ直ぐ行け」ああっ…。
おい…どこ行くんだよ!けっ警察に囲まれてる。
「心配するな」おいちょっ…おい。
(伊丹)おい…!下がって下がって!もう来ないでくれ!私はまだ死にたくない!どうします?追わねえわけにはいかねえだろ。
街中で爆発したら犠牲者出ますよ。
わかってんだよ!おい距離とっていくぞ距離とって。
(携帯電話)杉下です。
わかりました。
わざわざどうも。
角田課長からでした。
君の予想どおりまたです。
爆弾強盗?ええ…。
(長橋)どこ行けばいいんだ?
(犯人)「道路を渡れ」ええ!?ああ…。
(クラクション)
(長橋)ああっ!
(伊丹)おい!一体どこ行きゃいいんだよ!「そのビルへ入れ」ええ?
(犯人)「屋上へ行け。
エレベーターは使うな」「階段で行くんだ」
(伊丹)おい!ビル内にいる人間を非難させろ。
(警官隊)はいっ!
(伊丹)爆弾処理班をこのビルによこすように要請しろ!あ…ああっ…。
もうダメだ限界だ。
上れない…!「死にたいのか?」やめてくれえ!「いつもうまいものばかり食ってるから肝心な時に体が役に立たないなあ」
(長橋)命だけは…!「フッフッフ…」「上れ上れ!」わかった…上る…。
(舌打ち)あ〜っ!「どうした」もうダメだ!「こわいだろう」ああ…なあ少し休ましてくれ。
足が動かない…!「ダメだ!」「死にたくなければ上れ!」ああ…。
ああっ…!屋上です…。
(犯人)「裏へ回れ」…裏?裏…ハアハア…。
(犯人)「フェンスの外に出ろ」
(犯人)「そこからバッグを下に投げろ」おい!クッソーやられた!ハアハア…。
(芹沢)大丈夫ですか?爆弾処理班まだかよ!おい救急車!はい!
(内村警視長)バカモノ!犯人にまんまとしてやられるとは何事だ。
(芹沢・伊丹)申し訳ありません。
(中園警視正)犯人がいつどこで実行役を選び犯行を行わせるのかまったく予想がつきません。
今のところ手の打ちようが…。
(内村)言い訳なぞいらん。
はいしかし強盗の実行役が同時に被害者となりますと対策の講じようが…。
被害者の聞き取り調査を徹底的に行え。
いいか刑事部の面子にかけて犯人を必ず挙げろ。
わかったか。
(芹沢・伊丹)はいっ!誰かに恨みを買うような事ありませんか。
今の広告代理店に勤めて20年。
真面目に勤めあげてきたんだ。
恨みなんか買うはずがないだろう。
犯人に心当たりは?まったくないな。
大体なんで私なんだよ。
え?こっちが教えてほしいぐらいだよ。
最初の被害者です。
見覚えは?
(長橋)ないな。
とにかくこんな酷い目に遭わされたのは初めてだ。
早いとこ犯人捕まえてくれよ。
言われなくたって捕まえますよ。
グズグズしてたらあんたらの無能さを世間に宣伝してやる!マスコミを総動員してな!やってみろよ。
そんな事したらタダじゃおかねえからな。
被害者だからってつけあがんじゃねえよ。
行くぞ。
(伊丹)こいつに見覚えは?知りません。
まったく知らない人です。
そうか…。
やっぱ無差別ですよ。
そうでしょうかねえ。
(芹沢)え?犯人は本当に無差別に選んでいるのでしょうか。
どうしてですか?長橋氏に限って言えば犯人は意図的に彼を選んだと思えるところもありますよ。
供述調書によると犯人は彼を嘲笑うかのごとき言動をしています。
もうダメだ!「こわいだろう」こわい…?はい?なんでしょう。
あいえ…。
単に犯行を楽しんでたんじゃないですかね。
もう一つ。
なぜ犯人はエレベーターを使わせず階段を上らせたのでしょうか。
金を運ばせるだけならエレベーターを使った方が早いですねえ。
うーん…あっ!警察の注意をなるべく長い時間引き付けておきたかったってのはどうですか?そうでしょうかねえ…。
(ノック)
(山路)これが長橋部長が手掛けてきた事業です。
お手数をおかけします。
すいません。
う〜ん…ふんふん…。
ん?この「大北海道展」ってのはどういった内容の?は…読んで字のごとく北海道展ですよ。
ま一時期はやったただの町興し的なイベントです。
町興し…で盛況でした?イベントの成果は。
さあ…それなりに成果はあったんじゃありませんかね。
詳しい事は長橋部長に訊いてみてくださいよ。
な〜んか…含みのある言い方でしたねえ。
ええ。
(若杉)「大北海道展北の博覧会」?ああ。
何年か前にそんな事やったって話は聞いた事あるけど俺もうそん時東京来てたんで。
あ〜そうか…。
塩塚さんはどうでしょう。
詳しくご存知ありませんかね。
あ塩塚さんなら…訊いてみましょうか?おっ頼む。
はい。
でも北海道展と今回の事件となんか関係あるんすか?あるかないかわかんないから調べんの!お前はいちいち詮索しなくていいんだよ!電話!あはい…。
(携帯電話)いやあ俺は詳しい事知らない。
悪いんだけど今仕入れ担当者と待ち合わせしてて時間ないんだわ。
(若林)「すいませんホントに」栄一さんの分も回らねばなんねから大変なんだ。
迷惑かけて申し訳ないです。
そいじゃ。
なんだって?詳しくは知らないみたいです。
そっか〜…。
亀山君。
はい。
帝都新聞には北海道支社がありましたねえ?えっ?
(奥寺美和子)…うん。
ほい。
サンキュ!あの…美和子さん。
ん?なんで亀山さんと別れちゃったんですか?いやなんでって言われてもねえ…。
お見受けしたところお変わりなく仲はよろしいようですけれども。
いや…喧嘩別れしたわけじゃないからね。
いちいち詮索すんなって言っただろう。
すいません。
この記事読むと北海道展は失敗したみたいですね。
(美和子)沈滞する北海道経済を活気付けるのが目的だったみたいなんですけどおいしい話に乗せられて多額の投資をした人たちの中にはイベントの失敗の煽りをくらって倒産したり自殺したりする人もいたみたいですしね…。
どうして失敗しちゃったのかしら。
うーん…最大の原因は道外の客を呼べなかった事ですね。
(美和子)博覧会ツアーを企画したけど宣伝も行き届かずなんの話題にもならないうちにイベントが終わってしまった。
しかしそれなりに成果はあったんじゃないかとおっしゃってましたねえ。
それなりに成果はあったんじゃありませんかね。
詳しい事は長橋部長に訊いてみてくださいよ。
長橋部長って爆弾事件の第二の被害者?おう。
訊けと言われたからには訊いてみないといけませんねえ。
ええ。
なんだ?この甘い契約は。
(山路)いやしかし…。
口答えすんな。
俺のやり方に文句があるんだったら次の就職先探すんだな。
契約書作り直してこい。
あここですね。
(ノック)失礼しま〜す。
警視庁特命係の杉下と申します。
亀山です。
先日はどうも。
あ…。
私は社に戻ります。
ああ。
失礼します。
犯人が捕まったのか?あ?その報告か?残念ながら犯人はまだ。
警察がここへ来るのは犯人を捕まえた時だけにしてもらいたいもんだねえ。
そうしたいものです。
少しお話を伺いたいんですが。
(ため息)あなたは「大北海道展北の博覧会」の事業責任者をなさってましたねえ。
博覧会?そんなもん関係ないだろう。
あるかないかはこちらが判断しますから。
フンッ偉そうに。
博覧会を手掛けたんですよね?ああそんなイベントもあったっけなあ。
もう忘れたよ。
イベントは失敗したとか…。
まあうまくいくイベントもあれば失敗するものもある。
それだけの事だ。
よくそんな事言えますね。
何ぃ!?イベントの失敗で自殺者まで出たんでしょ?そんな言い草ないじゃないですか。
何なんだね君たちは!私は被害者なんだぞ!ったく不愉快だなあ出てってくれ!出てけよ!あれ?右京さん?どうしたんすか?あっ!「北道開発」。
同じですね…。
偶然でしょうかねえ。
(徳本卓爾)警察の方だったんですか。
ええ。
ハハ…いやいきなり近付いてきたからてっきり世間を騒がせてる爆弾魔かと思って。
そりゃまたどうしてでしょう。
いきなり近付いてきたから爆弾魔かもしれないと思うのはいささか飛躍した勘違いのように思えますが。
グレイスの長橋部長が被害に遭ったばかりですからねえ。
なるほど。
つまり長橋部長同様何か狙われる理由があなたにもあるという事でしょうかねえ。
いえとんでもない。
ハハハ…変に勘繰らないでくださいよ。
病院にはなんのために?部長のお見舞いです。
仕事上でお世話になってるもので。
第一の事件が起こった時あなたどちらに…?確か取引先に向かう途中だったと思います。
これ早くやってくれ。
はい。
現場の近くを通りかかりました?私の事をお疑いですか?いえ単なる確認ですから。
私は関係ない。
これじゃまるで尋問じゃないか。
どうしたんすか?心臓に…持病があるもので。
わかりましたよ〜。
徳本は昔札幌で「北道企画」というイベント会社を経営してたんです。
例の北の博覧会にも関係していたんですか?ええ。
博覧会の後会社は倒産してます。
倒産。
博覧会の失敗の煽りを食ったんじゃないですかね。
つまり徳本には長橋部長を狙う動機がある。
倒産した後こっちでもう一度会社を興したもののうまくいかない。
それで長橋部長を使って金を奪った。
筋は通るでしょ?一応通りますが…。
何か?しかしなぜ栄一君を第一の被害者に選んだのでしょう。
それは…さあなぜでしょうね。
君の理屈どおりならば栄一君は単なる偶然で被害者になってしまった事になりますが果たしてそうでしょうかねえ。
亀山君。
はい。
確かめてもらえますか。
了解!ナンバーがよくわかりませんねえ。
ですねえ…。
なんとかなりますか?ええたぶん。
やってみます。
お願いします。
(チャイム)
(ミオ)はい。
ああどうも。
なんですかぁ?私もう今出るんですけど。
ちょっとね確認したい事があってね。
なんでこの男が一緒なんですか?ああ…どうしても君に謝りたいってこいつ聞かなくてね。
ほら。
あの…あんな酷い取り立て俺も嫌だった。
でも上からの命令で仕方なく…。
いや!俺が悪かった!このとおりだ!許してほしい。
何一人で盛り上がってんの?は?あんたにどうこうしてもらおうなんて思ってません。
私自分の後始末ぐらい自分でつけます。
そうなんですか?で?ん?ああ…あのね君がこの車のすぐ近くに写ってるんでねもしかして乗ってた人物の顔見てるんじゃないかなあと思って。
ああ…見た。
見た!?ホント?それ…この男じゃなかった?
(ミオ)ああ違う。
もっと若い男だった。
若い?なんか顔の特徴あるかな丸いとか三角とか…。
覚えてないの。
覚えてない?眉毛が…。
(携帯電話)ちょっちょっとすいません。
ごめんなさい私ちょっと急いでるんで。
ちょっと待ってもうちょっとお話を…すいませんあの…。
もしもし亀山です。
ああ現場の車は北道開発のものではありませんでした。
レンタカーです。
おそらく車体に貼り文字をしただけです。
警察をミスリードしようとしたのでしょう。
「えっ!そうなんすか。
ああこっちもねどうやら車に乗ってたのは徳本じゃないみたいですね」それで車を借りた人間はわかったんですか?わかりました。
若杉栄一君です。
栄一!?はい。
お忙しいところすみません。
私に…なんでしょうか。
あなたが何か話し足りない事がおありのようなのでその確認に。
私が内部告発のような真似をすると思ってるんですか?進んではなさらないかもしれませんがこちらが質問すればお答えいただけるのではないかと。
(ため息)ならば訊いてください。
御社と北道開発とはまだ取引があるんですか?あります。
うちの長橋部長と北道の徳本社長とはいわゆるべったりな関係ですから。
しかし博覧会の失敗で徳本氏の会社は倒産しましたよねえ?計画倒産ですよ。
いわゆる「やり逃げ」ってやつです。
私の事をお疑いですか?いえ…。
なるほど…。
それですべてが繋がりました。
あのこれ…お持ちください。
なんでしょう?あなたのご想像のものですよ。
長橋の背任行為の証拠書類です。
最近ちょっと目に余るもので…。
俺のやり方に文句があるんだったら次の就職先探すんだな。
こんな真似ホントはしたくないが…。
用が済んだら投げてください。
投げる…?あ…失礼北海道では「捨てる」というのを「投げる」と言うもので。
つい方言が出てしまいました。
あなたも北海道の方でしたか。
北の博覧会の時ヘッドハンティングされましてね。
それじゃ…もうこれっきりです。
これっきりです…。
(車の音)右京さん!君に確認したい事があります。
はい。
警視庁で長橋さんの供述について話をしていた時ですが…。
こわい?はい?君は何に引っ掛かったのですか?ああ…「こわい」っていうのは北海道弁で「疲れた」って意味なもんですから。
つまり犯人が長橋さんに言った「こわいだろう」とは「疲れただろう」という意味だった。
まあ北海道弁ならそういう事ですけど。
そちらの方が文脈的にはスッキリしますねえ。
って事は犯人は北海道の人間。
ええ。
そして栄一君の借りたレンタカーを自由に使える人物です。
おい…。
まさか…!彼と連絡は取れますか?今朝から電源切ってるみたいでまったく…。
居場所はわかりませんか?わからないです。
緊急手配しましょう!ちょっと待ってください!塩塚さんが僕をあんな目に遭わせるはずないじゃないですか!第一理由がない!僕たち仕事仲間なんです。
同僚なんです!同僚に爆弾括り付けたりしますか!?君の場合は一種のデモンストレーションだったのかもしれません。
デモンストレーション…。
ええ。
爆弾をどうやって手に入れたかですね。
はい。
自衛官は…爆弾作れますか?何?塩塚さん元自衛官だから…。
作れますか?まさか塩塚さんが…。
次の標的は恐らく徳本氏でしょう。
あっでも徳本も博覧会の被害者の一人ですよねえ。
倒産は計画的なものです。
徳本氏は被害者を装いその実莫大な協賛金を持ち逃げしています。
なんて野郎だ…。
栄一!わかりましたありがとう。
徳本氏はGPS機能付きの携帯電話をお持ちのようです。
範囲が絞られました。
荻窪公園へ行ってください。
了解!
(パトカーのサイレン)
(徳本)こ…こんな事はやめてくれ。
(犯人)「あんたが助かる道が一つだけある」なんだ?「池に飛び込むんだ」
(徳本)「池に…」
(犯人)起爆装置が水に濡れれば爆弾は使い物にならなくなる。
(徳本)「無理だ…」私は心臓に持病が…。
知ってる。
あんたの事は調べたからなあ。
「こんな凍りつくような池に飛び込んだら心臓麻痺で死ぬかもな」運が良ければ死なないかもしれない。
「さあ…飛び込め!」さもないと爆弾を爆発させるぞ。
やめてくれ!かっ金はやる。
私はなんでもする。
(徳本)「ハアハア…」だから殺さないでくれ。
私は…まだ死にたくない…!わかったよ。
爆死がいいんだな?ならばそうしてやる!
(徳本)やめてくれーっ!あっ…うう…。
やめろ!
(若杉)やめてください!警察だ!爆弾外すから落ち着け落ち着け!その男から離れろ!爆発させるぞ!離れろーっ!塩塚さん!どうしてここが…。
徳本さんのGPS携帯で居場所を突き止めました。
GPSか…。
フッ…便利な世の中になったよね。
どうして…なんでこんな事を。
あんたにゃわかんないだろうな。
あん時あんた東京いたから。
「北博」の事ですか?そうだ。
北海道人はお人好しだから…そいつらにすっかり騙されて酷い目に遭わされたんだ。
だからって…。
俺の親父は自殺した!事故で亡くなったんじゃ…。
表向きは転落死って事になってる。
だがホントは…自分から飛び降りて死んだんだ。
(塩塚)北博で作った莫大な借金を保険金で返すために。
そいつだけは絶対許さねえ!同じ北海道人のくせして地元の人間ば騙して自分だけ大儲けして逃げた裏切り者だ!やめてくれーっ!生きてくためにやったんだ…。
(塩塚)そいつから離れろ!死にたくなかったら離れろ!スイッチ入れるぞ!ほら離れるんだ!吹っ飛ばしてみろよーっ!俺も一緒に吹っ飛ばしてみろ!
(若杉)出来んのかよコノヤロー!あんた…あんたそんな事出来る人じゃないだろう!
(若杉)俺みたいな…俺みたいな中途半端なワルならわかるけどさあんたみたいないい人がこんな事するなよバカヤロー!栄一さん!塩塚さん確かにあなたのお父様は北博の被害者でした。
しかしその復讐のためにあなたは罪もない友達を殺せますか?殺せますか?うあああーっ!
(叫び声)
(塩塚の叫び声)はいどうぞ。
塩塚さんどれぐらいの罪になるんすかねえ。
死者は出なかったもののそれなりの償いはしなければならないでしょうねえ。
まあこれからは棘の道だなあ…。
更生するってのはホンットに難しいっすからね。
お前が偉そうに言うな。
あっ聞きましたよ美和子さんから。
あ?別れた理由。
(舌打ち)ちょっとその彼氏ブッ飛ばしに行きましょうよ。
何ぃ?助太刀するって言ってるんですよ。
ボコボコにしてやりましょうよ。
大体ねえ人の女横取りするなんてのはふてえ野郎ですよ。
行きましょう。
で?ボコボコにした後俺がお前をとっ捕まえりゃいいのか?えっ?ボコボコにするって事は傷害罪だろ?ちょっと勘弁してくださいよ。
僕更生中なんですから〜。
(笑い)こんばんは〜。
いらっしゃい。
ハハ…。
え…?何?どした?2015/09/09(水) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒 season3[再][字]
「人間爆弾」
詳細情報
◇番組内容
“警視庁一の変人”だが天才的頭脳で鋭い推理をみせる杉下右京(水谷豊)と“おひとよしな熱血刑事”亀山薫(寺脇康文)の名コンビがあらゆる難事件に挑む!
◇出演者
水谷豊、寺脇康文 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:37721(0x9359)