こんばんは!こんばんは。
いらっしゃい。
これは珍しい組み合わせのお客様です。
どうぞどうぞ。
萩本欽一さんと壇蜜さんです。
お願いします。
認知症カフェ「どーも」にようこそいらっしゃいました。
お邪魔します。
ここで認知症について一緒に考えようと。
なるほど。
場なんですけどね。
まさに私今日はたくさんの土産を持って帰りたいと思ってます。
今大学1年生ですよね?そうです。
(壇蜜)ピカピカの。
ですから認知症というね今それに闘っているというそれがまあ大学で行ったという。
あ〜そういう事なんですか。
はあ〜。
それで壇蜜さんも認知症に関心が非常におありだって聞いたんですけど。
そうですね。
一時期身内がなっている時がありまして。
認知症についてしっかり理解したいなと思いまして。
お邪魔します。
今日お伝えするのは…ああ〜。
たとえアルツハイマー病になっても本人と周りの取り組み方次第で進行をくい止められる可能性があるという事。
希望のあるお話。
なるほど。
それとねもう一つアメリカの最新研究もご紹介しようと思うんですがまずはですねアルツハイマーの進行をくい止めたい。
一体どうしたらいいのか。
ご覧下さい。
(萩本)ほう〜。
57歳でアルツハイマー病を発症したある患者さんの記録です。
発症から6年後です。
記憶力の低下が著しくなってきました。
(取材者)こっち来てからどのくらいたちますか?こっち来てから…。
何日ぐらいかかってべんな〜…1か月…う〜ん…。
何て言ったらいいべな。
発症から8年。
運動能力の低下が進みました。
歩く事も難しい状態です。
元気にしてた?うん。
風邪ひかないでいる?うん。
発症から9年後。
パパおはよう。
元気?意思の疎通も難しく寝たきりに近い状態になりました。
現在アルツハイマー病を治す有効な治療法はありません。
アルツハイマー病は脳の神経細胞が通常の老化よりも速いスピードで減っていく病気です。
最初に異変が現れるのは記憶をつかさどる海馬という場所。
海馬の萎縮が進み記憶障害が現れます。
その後脳全体が萎縮し運動機能なども失われていくのです。
ところが病気の進行が明らかに遅いと注目されている人がいます。
50歳の時にアルツハイマー病を発症しました。
今年で9年目です。
この日はリンゴ畑で花摘みの作業。
農作業を行うのに全く支障はありません。
一見アルツハイマー病の症状があるようには見えない前田さんですが…。
病気の発症以来記憶力の低下に悩まされています。
お財布どこにいった?上がってない?そこに。
ここさ上がって…ねえな。
財布がありません。
探し始めて5分後。
前田さんおもむろに自動車税の振込用紙を手に取りました。
・おとうさんなかった。
多分…。
あ?・なかった。
これだべ。
違う違う…これは税金。
軽自動車の税金払いなさいって今日来たのね。
お財布だよ。
財布だ財布よ。
お財布だよ。
うん。
財布を探していた事を忘れてしまいました。
軽度のアルツハイマー病です。
しかし記憶力のほかは特に問題ありません。
例えば通常発症から9年になると難しくなる計算ですが…。
足し算引き算足し算引き算すごい!全問正解!計算能力の低下はありません。
すごいですね。
果たして前田さんの脳の状態はどうなっているのでしょうか?脳の断面を見てみます。
こちらは典型的なアルツハイマー病の脳。
黒い部分は脳が萎縮した結果出来た隙間を表しています。
アルツハイマー病が進行するにつれてこの黒い隙間が増えていきます。
一方前田さんは…左が8年前右が現在。
ほとんど差がありません。
通常ならば8年経過すると萎縮が起こってくるはずなのに驚きです。
あっけにとられちゃった。
えっ!?あっけにとられちゃいました。
前田さん今日お呼びしましたよ。
え?はい。
いらっしゃいませ〜。
前田さんご夫妻です。
前田栄治さんは希望の星っていわれてるそうなんです。
(萩本)前田さん。
はい。
私分かります?はいあの…欽ちゃん。
ああ〜!前田さん!うわ〜うれしい。
今日は主治医の東海林幹夫さんそれからお隣は在宅介護がご専門の秋山正子さんにもおいで頂きまして。
前田さんどうですか?この病気5年たつと半分の方がやっぱり重症化したり寝たきりになるという状態なんですね。
半分!?でご覧のとおり…
(萩本)希望の星!秋山さんいかがですか?もうびっくりですね。
お二人よく両方ともよく努力なさって頑張っていらっしゃるないいなというふうに思います。
(萩本)今「努力」って言葉が出ましたけど…でしょ?まさに何で希望の星といわれるのかっていう事で前田さんが希望の星といわれるゆえんをこちらでございます。
早期発見早期診断とっても重要な事で早く発見すればするほど今認知機能を遅らせる進行を遅らせる薬がありますので早く開始できるんですね。
会話の中で「じゃあおとうさん」って「明日こういう事しようね。
ああいう事…あの予定があるよ」っていう事を話しますよね。
そうすると次の日に「昨日話したねおとうさんこれは?」って言うと「聞いてないよ」って言うし。
おとうさんとぼけたんじゃないの?覚えてないの?「聞いてない」って言うし。
あと同じ事を何度も何度も聞いてくるようになってきたので。
今いいの言いましたね。
同じ事を何度も言う?これはやっぱりちょっと…。
いや最初はね年のせいかなと思ったんですけどそれにしてはちょっとおかしいなっていうふうに気が付きましたね。
でも秋山さんね早期発見するって現場でもなかなか難しい事なんでしょ?そうなんですよね。
周りの方が気が付いてで診察に行ってもらいたいとか専門の診断を受けに行くのにご本人がそうじゃないと思っていたり難しいんですよその連れていくのが。
ああ…分かるな。
そんな事はないと割と否定される方も多いですしご本人が。
これ難しい…。
これ難しいよ。
でおとうさんはどう言ったんだろう?「病院行った方がいいんじゃないの?」って言った時おとうさんは?へえ〜。
ふだんも割とおとうさん素直に言う事聞く旦那さん?そうです。
あっ…。
そこですかね。
大事にしなきゃいけないね。
信頼関係。
(萩本)そうそう…。
日頃からの。
その希望の星への道。
次が…。
(壇蜜)想像つかないです。
そうですね。
具体的内容を見ましょうか。
こちらです。
え〜っと薬運動。
(萩本)何?あの向こうの。
生活…。
(壇蜜)生活習慣病対策。
ちょっと一つ一つ見ていきますか。
はい薬からね。
アルツハイマー病は今4つの薬が認知機能の低下を遅らせるという事で実際に診療の場面で処方されています。
早く始めれば早く始めるほど効果が長続きしますしそれから海馬ですね記憶の中枢。
海馬?海馬ですね。
そこの萎縮の進行も遅くなるという学問的なデータも出てきました。
1つ質問。
じゃあ今私何でもないと思っててそれちょっと予防にのんどこうかなってのは?予防には効かないみたいですね。
(萩本)あっそうですか。
駄目なのね。
はい分かりました。
次が運動。
(壇蜜)体動かす事は何もしないよりずっとずっと効果がある気がするのはするんですけど…。
どうですか?東海林さん。
そのとおり…。
証拠エビデンスっていうんですけども1週間に3回30分うっすらと汗が出るほどのウォーキングをすると認知機能の低下を予防できるというデータが出てるんですね。
という事で前田さん一生懸命やられてますよね。
へえ〜。
1時間ぐらいだな。
(壇蜜)1時間?はい。
え!?1時間ぐらい歩いてます。
毎日ですか?はいほとんど…。
(壇蜜)かなり歩かれる…。
それさっさと歩くの?はい。
(萩本)1人で歩くの?はい。
自分のさ…自分で治そうとやっぱ思ってるというこの意識の高さっていうのも大事だね!3つ目の生活習慣病対策。
これあの欽ちゃんも壇蜜さんも「どういう事?」っておっしゃってましたけど。
最近では高血圧だとか糖尿病そのものがアルツハイマー病を進めるんだっていう研究データが出てきましてですからこういう生活習慣病をきちんと治療しておくという事がとっても重要ですね。
進行を遅らせるという事でとっても重要だと思います。
前田さんも高血圧持ってらっしゃるんですけどきちんとのまれてます。
あの血圧のお薬とかそういう生活習慣病対策のお薬とアルツハイマーのお薬は併用しても大丈夫…?大丈夫です。
相互作用はありません。
そうですか。
秋山さんはまさに介護の現場にいらっしゃってね生活習慣病対策っていうのは結構うまくいってるなと思ったりしますか?そうでもない?いやいや…うまくいってない。
特に私は新宿って都会の真ん中でお一人暮らしの方の認知症の方などにも接しているのでそういう方はお一人だとなかなか生活が整わなくてお薬をのみ忘れたり食事もまちまちだったりいろいろするのであっという間にもともとの糖尿病が悪化していたりっていう事があってそこのところをどうにかいい形で例えば…服薬もきちんと忘れずにのめるようにヘルパーさんが入るとか看護が行くとかそういう工夫をする事で糖尿病のコントロールがよくなってアルツハイマーの症状も進まない方もいらっしゃいます。
あ〜そうですか。
生活習慣とアルツハイマー病っていうのはすごく関係があるなっていう事はお分かり頂けたと思うんですがだけど実はこの3つをやった上でもう一つ進行を遅らせる重要な鍵がある。
早く言ってよ。
もう一つ。
何でしょう?う〜ん…。
実は前田さん夫婦の日常の生活を4年間にわたってつぶさに取材させて頂きました。
(壇蜜)あら。
あっそう?はい。
これで分かるのね。
アルツハイマー病になってから5年目の冬です。
起きないようですね。
アルツハイマー病と診断されてからも栄治さんは会社勤めを続けていました。
パスがまだ…。
持った?青森市にある会社に30年以上通っています。
栄治さんは鉄道マン。
線路の保守や点検をしてきました。
アルツハイマー病と分かりすぐに職場の上司に相談。
その結果仕事内容を見直してもらい社内の清掃などを行う事で会社勤めを続けています。
仕事を続けるために欠かさず携帯しているのが…。
このノート。
仕事の段取りや上司の指示などを記入し何度も見直しては確認します。
栄治さん自身の努力と職場の理解によって仕事を続けられています。
ありがとうございます。
症状の悪化をくい止めるためには栄治さんが仕事を続ける事が一番よいのではないか。
美保子さんはそう考えています。
やっぱり何よりも…できれば「おとうさん頑張ったね60で退職だよ。
定年退職だよ」ってこう言ってあげたいので「よく頑張ったね」ってこう言ってあげたいので…美保子さんは栄治さんのためにさまざまな工夫をしました。
その一つがこのホワイトボードです。
仕事がある日を間違えないように一目で分かるようにしました。
「今日から仕事です」。
最寄り駅までは車で30分。
美保子さんは送り迎えなどサポートに専念するため35年のキャリアを積んだ自分の仕事を辞めました。
はい行ってらっしゃい。
じゃあね。
行ってきます。
はい行ってらっしゃい。
どうもありがとうございます。
栄治さんは仕事を続ける事で社会との深い関わりを持ち続けています。
この社会参加がアルツハイマー病と闘う大切な鍵を握っているのです。
栄治さんはもう一つ社会参加の場を持っています。
(スタートの合図の音)陸上競技の大会運営スタッフです。
栄治さんは30年以上続けています。
すいません。
物忘れで迷惑をかけるかもしれないがこれまでどおり陸上に関わりたい。
そう考えた栄治さんはある決断をしました。
仲間たちに自分の病気と思いを打ち明けたのです。
すると仲間が次々とサポートに名乗りを上げました。
そばにいてさりげなく助けます。
そっと寄り添ってくれます。
会社勤めと陸上競技のスタッフ。
栄治さんは周囲の理解を得てこれまでどおり社会参加を続ける事ができています。
普通の人は何ともなくそれが普通にできるんだけども私たちは努力しないとそれは普通にはできないんだよね。
2人の中では。
発症から7年目になりました。
この日アルツハイマー病が進行していないか年に1回の詳しい検査が行われました。
じゃあちょっと順番に伺いますね。
私が3つの単語を言います。
それをしばらくの間覚えて下さいね。
桜猫電車。
桜猫電車。
記憶力や図形を認識する能力などを調べて30点満点で評価します。
さっき覚えておいて下さいと言った3つの単語ありました。
はい何でしょう?猫…。
はい。
桜…。
はい。
子ども。
はいありがとうございますね。
この検査アルツハイマー病では1年ごとに平均2〜3点ずつ点数が下がっていきます。
栄治さん1年前は24点でした。
今年は…?点数が何点かというとですね24点なんですよ。
(美保子)え〜っ!うっそ〜!何よりご自分が自信を持たれてできたらいいですし奥様もしっかりしてやられてとってもいい事だと思いますね。
頑張れてますよ。
うれしいね。
先生からこうして言葉かけてもらえればさ本当にありがてえです。
アルツハイマー病の進行をくい止める事ができている前田栄治さん。
希望の星として輝き続けているその鍵は積極的な社会参加にあったのです。
あっきれいだ。
きれいきれいきれいきれい…。
(栄治)お〜すぐ近くだ。
(美保子)結構大きいんだね。
いやいろんなの感じたね。
そうですね。
一番どこ?どこ気に入ったとかある?陸上のスタッフの方々が30年も一緒にいたからそんなに状況が変わらないんですよねっていう。
仲間ね。
はい。
ああ〜。
仕事にしろ趣味にしろまさに社会参加っていう事が大きな支えになってる。
おっしゃるとおりですね。
こういういい状態で9年間おられると。
競技出られてる時顔つき違いますですよね。
非常ににこやかに自信を持ってやられてますよね。
まあそういう事が支えになってるんじゃないかな。
でもどうですかね?ちょっと妙な言い方ですけども…勇気がいる事ですよね。
ある。
ありますよ。
分かりますよ。
言いづらいよね。
それをだって…。
そう。
栄治さんは公表っていう事はどういうふうに思ってました?う〜ん何てしゃべればいいんだべな…。
周りに公表してよかった?よかった?うん。
少しホッとされたんでしょうか?はい。
はい…。
公表する事によって一番じゃあ私たちが助かるっていうかね。
困った時にこの病気を知っていると周りがサポートして下さいますよね。
すごく助かってる部分があったのでやはり公表してよかったなというふうには思っています。
その方がいいかもしれないけどケースバイケースっていう微妙なとこはちょっと抱えてるのもありますよね。
しかし考えてみますと周りの人に知ってもらわなくてはどうにもいかないっていう時期はいつかは来るんですね。
ですからそれを前もってお話しして時間をかけて家族職場調整しながら全体のコンセンサス進めていくっていう意味での公表っていうかな。
そういうのはとっても大切な事なんじゃないかなと思いますね。
でも壇蜜さんそのじゃあ認知症なんですよって打ち明けられたらどうします?打ち明けられてあっどうしようって一人では絶対そうなってしまうと思うので。
そうですよね。
何からしゃべっていいのかってなっちゃいますよねやっぱり。
やっぱり認知症の方への誤解っていうのがすごく大きいのでそこをまずやっぱり解いていく事が必要なんじゃないかなっていうふうには思ってます。
具体的にどういうふうに対応すればいいって…?まずはその方を特別扱いしないであの〜よく話を聞くとかゆっくり話を聞くとか先ほど奥様がやられてたように書いたものでちゃんと見えるようにするとか…。
いつもと同じように生活が続けられるように支援するには私は何ができるかなっていうふうに考えていくっていうのが一番の支援かなとは思いますけど。
「認知症なんですよ」と言われたら何て言ってあげます?じゃあ。
「あのどういう状況なんですか?どういう状態なんですか?」とか具体的に聞いてあげようかなと。
なるほどそういう心配型ね。
壇蜜さん俺ちょっと最近きてるんだけど。
あら…じゃあ忘れないようにかわいいメモ帳プレゼントしましょう。
ワ〜オ!何かほらみんなこうやって会話をこれからは探しましょうよ。
このこれを言えるっていう事と受け止めるって大事な事なんでしょ?そうですね。
はい分かりましたよ。
去年仕事を続けてきた栄治さんに大きな転機が訪れます。
57歳になり仲のよい先輩や仲間たちが退職。
体力的にも仕事を続ける事がつらくなってきました。
何てしゃべればええべな…。
会社を休職する事にしました。
すっかり家に籠もりがちになり笑顔も減ってきました。
すぐに異変が現れました。
一人でこなしていた日課をいちいち尋ねるようになりました。
何やるんだっけ?次何だっけな〜?急激に記憶力の低下が始まったのです。
外来の時に担当の先生にも…認知症のシンポジウムに参加した2人は不安な心の内を訴えました。
自分は診断から7年経過し今現在58歳です。
あっという間に過ぎました。
次は何をすればいいか分からず立ち止まる事が多くなり不安です。
主人は今年の7月から休職になりました。
あの〜本当に今の現状としては行き場所がないんですね主人が毎日。
そのためにも早急に主人の癒やされる場所行き場所が確保されればいいかなと私は痛感しております。
今年5月。
栄治さんは新たな社会参加の場を見つけていました。
向かった先はデイサービスの施設。
じゃあねおとうさんお水あげて頑張ってね。
栄治さんここで週2回ボランティアとして働き始めたのです。
おはようございます。
施設を訪れるお年寄りの運動を手助けします。
え〜つまみの位置29でお願いします。
陸上競技の経験から運動器具の扱いは手慣れたもの。
更に…。
(2人)12345678。
すっかり以前の元気な栄治さんに戻りました。
そんな栄治さんに思いがけないプレゼント。
町田さん。
前田さんさ持ってきてくれた。
(栄治)ありがたい。
栄養ドリンクの差し入れです。
ありがてえな。
(笑い声)施設の職員も栄治さんを頼りにしています。
更にもう一つ栄治さんの社会参加の場が出来ました。
今年弘前市内の目抜き通りに誕生した…月2回土曜日に認知症の人や関心がある人たちが集います。
栄治さんには大切な役割があります。
コーヒー豆をひいて…。
1つずつお願い致します。
はい。
1つずつおじいちゃんの方に。
はい。
いれたてのコーヒーを振る舞います。
(2人)じゃんけんぽん。
いいよ。
はい。
そして常連の女子高生とゲームで対決です。
おら白だったか?黒。
黒だよな?うん。
こんなにな取れるはずじゃないけども。
いい勝負するよね。
いつもいい勝負する。
だよな。
取られてしまった。
陸上競技の大会も始まり栄治さんの予定はびっしりです。
忙しいねおとうさん。
忙しいね。
そうだね。
栄治さんお忙しい。
お休みないです。
という事はそういう事でどんどん落ちてくるけど今何か盛り返したじゃない。
ですけどず〜っと駄目なんじゃなくて盛り返せますよっていうVTR?そうなんですよね。
できんの?
(壇蜜)驚きました。
家の中に閉じこもってらっしゃったけども外とつながりを持つようになると盛り返していく。
やっぱりあの時はかなり精神的にまいっておられたしやる事もなくてやはり全体的な脳の機能も認知機能も落ちてたのかな。
やっぱり社会参加違う形ですけどね求められてですねやっぱり男性は仕事がないと駄目みたいですね。
ご覧になったとおり戻ってきています。
休職しようかなと思ったのは何でなんでしょうね?美保子さん休職するっていう事は突然だったんですか?あの〜私の中ではいつか休職のこの時期が来るだろうっていうふうに思ってたので「もう行かないよ」って言った時には「いいよ」っていう事で。
「おとうさんありがとう。
今まで頑張ってくれてありがとう」っていう事ですぐ受け入れました。
(萩本)「いいよ」って最高ですよ。
ねえおとうさんほら。
おとうさん泣いてるよ。
だって今聞いたって俺泣けるもん。
ホッとした?うん。
あの〜…。
いや〜すげえ。
「いいよおとうさんありがとう」って。
ほら。
これ栄治さん2回目にね社会参加するっていうそのきっかけは何だったんですか?
(萩本)おかあさんの勧め?いや自分で…。
(萩本)あっ自分で?はい。
やっぱり外に出たいっていう気持ちが…。
(栄治)ありますね。
(萩本)自分がそういうふうに出たいと…やっぱり自分で出たいっていうの先生大事だよね?皆さんやっぱり退職されると家の中に引きこもってしまってテレビ見て暮らすような。
ですから今までご主人で働き手だった人が単なる介護される人になっちゃうんですよね。
そんな事でどんどんどんどん悪い方向へ行っていくという事が多いですよね。
やっぱり社会参加っていう事がいかに大きいかっていうのがもう分かりますよね。
分かりましたよ。
私は年を取ったら明日会う人がいるっていうのは幸せだと思うからたくさん人に会います。
そしたらたくさんしゃべりますって答えてたの。
まさにそういう事よね?
(秋山)そうです。
でも頑張れない大変な思いをしてる人もいる訳でしょ。
そういう人の時はどうしたらいいんだろうね?そこでアメリカではある方法で社会参加の効果を手に入れようという取り組みが始まっています。
アルツハイマー病の進行をくい止められないか。
アメリカで新しい取り組みが始まっています。
アルツハイマー病の患者と家族が集まってきました。
この男性は2年前にアルツハイマー病と診断されました。
半年前からアリゾナ大学が開発したプログラムに参加しています。
一体どんなプログラムなのでしょうか?特徴はアルツハイマー病の人が大学生のボランティアとペアを組む事。
大学生がアルツハイマー病の人と積極的に会話をします。
見知らぬ者同士が週2回顔を合わせていくうちに仲よくなっていきます。
これまでの結果です。
通常は低下していく言葉の能力がプログラムの参加者は4年たっても高く維持できています。
そのほかの機能の低下も抑えられていました。
プログラムを開発したアリゾナ大学のシャロル・アーキン教授です。
アルツハイマー病になった人こそ家の外に出て多くの人と交流する事が進行を抑える鍵を握っていると考えています。
ポイントは家族以外との会話のキャッチボールが大切だと。
それはもう施設であろうとどこでもできるだろうと。
それで学生ボランティアの人が加わってるという事なんですけど。
東海林さんどうですか?あれ。
新しいプログラムですね。
とっても有効だと思います。
興味あります。
よく患者さんは記憶力の低下を抑えようと思ってドリルをやったりだとか勉強したりされるんですけどそれは苦痛なだけであってなかなか脳の活性化にはつながってないんですね。
実際にあのように現実場面の会話をする。
興味のある楽しい事を会話をするっていうのは認知機能を落としていかない有用なファクターなのかな。
現実的な脳の活動を維持するっていう事は重要なのかなっていう気がしますね。
暮らしの保健室では今女子大生が実習に来てるんですよ。
社会福祉の勉強をしてる方とか看護の学生さんとかが来られてそしてそこを利用している高齢の方中には認知症の方もいらっしゃるアルツハイマーの方もいらっしゃるんですけど忍耐強く本当にゆっくりと向き合って話を聞くという事をしてるんですね。
やっぱりそうすると逆に「どこから来たの?」とか言って学生の方に質問されたりそうして交流していくので横で見てるとすごくほほ笑ましいというのか「頑張れよ」とか「ちゃんと看護師になれよ」とか逆に…何て言うのかしら教え諭すっていうか人生の先輩としてそういう自信につながるような若い人との会話ってすごく大事だと思ってすごくうれしい事ですね。
栄治さんはさっきの映像にもありましたけども学生の皆さんと触れる事ありますよね。
あります。
会話のキャッチボールっていう事で言うとアメリカの学生ボランティアの方々は記憶を促す会話っていうの心がけていらっしゃるんだそうですよ。
記憶を促すどういう事かっていうと「昨日の晩ごはん何食べました?」じゃなくて「昨日晩ごはん食べましたよね?」「そうだよね」ってその前提を入れて「で何を食べたんですか?」って言うんですって。
記憶を促すために。
私たちのとこでは聞き書きボランティアっていうのを養成してまして。
聞き書きボランティア?聞いて書くんですけどそのために例えば「小さい時の運動会で何履いて走りました?」。
「足袋みたいなので走りました」とか「運動靴でした」とか「はだしでした」。
「あ〜はだし。
そう。
で上に着るものは?」とか言いながら小さい頃の記憶ってすごくしっかりしているのでそうすると記憶の島がよみがってきてだんだんだんだんたくさん語って下さるんですよ。
(秋山)とてもいいものですね。
認知症の人が自信を持って生きていける社会をつくるためには何が必要なんでしょうかね?特にアルツハイマー病の場合は…うまく物忘れを支えてあげるとほかの事はできるというのが原理原則ですので。
できてる部分もちゃんとあるよという事をちゃんと認めていく。
ついできない部分とかやれてない部分をついつい「こうだから駄目だよ」ってなってしまいますけどできる部分を認めてできてるんだから一緒にやろうよっていうそこが大事かなと思うんですけどなかなかちょっと自信がないんだっていう事素直に受け止める人がないとなかなかそういう事も言えないので言える関係がそういうところがあればな。
やっぱり頼ってまた頼られてそれでたどたどしくても結果楽しく交流できるというのが一番大事なのかなって。
助けてあげてるではなく対等な関係というのを保てばそれはそれで一緒に生きていける一つの方法なんじゃないかと感じます。
さあ今日いろいろお話ししてきたんですけれども栄治さんねこれをお願いしたい言いたい事ってありますか?いつも東海林先生さは治る薬欲しい。
実際にはここ数年根本的治療法世界中の傾向ですね。
それが1つ2ついい結果が出てきているというとこなので新しい方向が見えてきたなっていうのが今現在ですね。
進んではいるという…?はいそうです。
ですって栄治さん。
(萩本)お互いに頑張りましょう。
だって希望の人って言ってんでしょ?このまま栄治さんが頑張る事によってまだまだみんながね元気が出る。
そうでしょ?頼んでよ。
お願いします。
2020年のオリンピック見に行きたい。
そうだ陸上が。
陸上競技の人です。
(萩本)私はあのハードル運びやってもらいたいな。
オリンピックでねハードルを運ぶ事を希望されますか?できれば…。
(萩本)ほらだから謙虚にさ…。
でもねオリンピックまで頑張るって事じゃないですか。
あと5年!最高の言葉聞けて。
という事で本当にありがとうございました。
9月21日というのは世界アルツハイマーデーなんですよね。
これを機にもっともっと理解が深まればいいと思うんですけど私たちがやっぱりアルツハイマー病認知症について何ができるのかなっていうのもっと身近に日頃から考えるって事がすごく大切なんだなって改めて。
今日いろんなテクニックを教わりましたよね。
本当前田さんをはじめ東海林さん秋山さん皆さん本当ありがとうございました。
オリンピックね。
オリンピックあと5年。
認知症と診断されてからずっと不安だったという石川さん。
周りに打ち明けてから新しい人生が始まりました。
認知症になってもできる事は自分でやりたい。
永尾さんはそんな気持ちを分かってくれる仲間と出会いました。
NHKでは認知症になった皆さんの声を募集しています。
社会に対する要望やあなた自身の気持ちを聞かせて下さい。
2015/09/08(火) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
認知症キャンペーン「アルツハイマー病 進行をくい止めろ!」[解][字]
認知症で最も多いアルツハイマー病。進行をくいとめ、「希望の星」と呼ばれる患者が注目を集めている。その患者の生活から進行をくい止めるためのポイントを探る。
詳細情報
番組内容
認知症で最も多いのがアルツハイマー病。その進行をくい止め「希望の星」と呼ばれる患者が注目を集めている。患者の日常生活から、病気の進行をくい止めるための大切な鍵が見えてきた。薬、運動、生活習慣病の対策、そしてもう一つ大切な要素とは…番組では4年間にわたって患者と家族に密着取材。「認知症になってもできることは必ずある!」【出演】萩本欽一、壇蜜、山本哲也アナウンサー ほか
出演者
【ゲスト】萩本欽一,壇蜜,前田栄治,前田美保子,【解説】訪問看護師・訪問看護ステーション所長…秋山正子,弘前大学大学院教授…東海林幹夫,【司会】山本哲也,【語り】武内陶子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
福祉 – 社会福祉
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