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 記録的な豪雨の影響で、東京電力福島第一原発では、原子炉建屋近くを通る排水路から、放射性物質を含む雨水が港湾外の海へ流れ出た。排水路は堰(せき)で外洋への流出を止めているが、大量の雨が流れ込んで9日未明と11日未明の2回、堰からあふれた。東電は、大雨であふれることが「年に4~5回程度」はあると想定していたが、今年4月以降で確認できたものだけで7回になった。

 東電は9日と11日、各日未明に排水路があふれたと発表した。排水路内の水に含まれる放射性物質は、11日時点でベータ線を出すもので1リットルあたり750ベクレル。通常は数十ベクレルだが、雨が降ると周囲の放射性物質を含む土に触れた水が流れ込み、数百ベクレルに高まる。7月16日に排水路があふれた時は1100ベクレルだった。

 排水路内の水は4月から仮設ポンプでくみ上げ、外洋と仕切られた港湾内へ流れるようにしている。ただ、1時間あたり14ミリを超える雨が降るとポンプの能力が追いつかず、堰を超えることがあるとしていた。