東京震度5弱:気象庁「より大きい地震誘発は考えにくい」
毎日新聞 2015年09月12日 11時17分(最終更新 09月12日 12時23分)
12日午前5時49分ごろ、東京湾を震源とする地震があり、東京都調布市で震度5弱を観測した。23区のほか埼玉、千葉、神奈川3県で震度4を記録し、東北から中部地方の広い範囲で揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは57キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は5.2と推定される。この地震による津波はなかった。
毎日新聞が正午現在で集計した各地のけが人は、転倒するなどして東京で重傷2人を含む11人▽千葉で重傷1人▽神奈川で軽傷1人。
記者会見した気象庁地震津波監視課の長谷川洋平課長は「国が想定している首都直下地震と震源のエリアは同じだが、規模は想定の1000分の1。今回の地震が今後、より大きい地震を誘発することも考えにくい」と説明。地震はフィリピン海プレート(岩板)内部で起きた正断層型とみている。今後2〜3日の間に最大震度4の余震の恐れがあるといい、大雨で地盤が緩んでいる所もあるため、落石やがけ崩れに注意するよう呼びかけた。
今回の地震で、テレビや携帯電話に流れる気象庁の緊急地震速報(警報)は発表されなかった。同庁によると、最大予測震度が4で、発表基準の5弱以上に達しなかったためという。
私鉄などが一時運転を見合わせたが、新幹線は通常通り運行した。都内で震度5弱以上を記録したのは、島しょ部を除くと、昨年5月の伊豆大島近海を震源とする地震で、千代田区で震度5弱を観測して以来。【関谷俊介】
主な各地の震度は次の通り。
震度5弱=東京都調布市
震度4=東京都千代田区、新宿区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、北区、荒川区、練馬区、足立区、八王子市、町田市、さいたま市、埼玉県春日部市、千葉県浦安市、木更津市、横浜市、川崎市、相模原市
震度3=埼玉県熊谷市、千葉市、神奈川県横須賀市、茨城県土浦市、水戸市、栃木県鹿沼市、宇都宮市、群馬県邑楽町、甲府市、長野県南牧村、静岡県熱海市