ひるブラ「男鹿の珍味!棒アナゴ〜秋田・潟上市〜」 2015.09.07


生字幕放送でお伝えします
美食家の舌をうならせてきた街、東京・銀座。
ここに知る人ぞ知る珍しい海の幸があるという。
一体これは、何なんだ?
その食材が取れるのは日本海に突き出した秋田県の男鹿半島。
あのなまはげたちのスタミナ源にもなっているらしいんです。
とっておきの珍味たっぷりご紹介します!
珍味の正体はこちらです。
たくさんぶら下がってますよね。
これね、棒アナゴと申します。
こうやって棒状にたくさんつるしてあるから棒アナゴと申します。
そして、実際のおすし屋さんで食べるようなアナゴとは全く違う生き物なんですね。
生物学の名称はクロヌタウナギというんですね。
ただ、地元の皆さんは昔からアナゴ、アナゴと呼んでいるといういわば方言です。
じゃあウナギの仲間なのかというとそれも違うんですね。
アナゴでもない。
ウナギでもない。
さらに生物学的には魚ですらないという珍しい珍味、棒アナゴ。
きょうは、この珍しい「ひるブラ」やっていきたいと思います。
柴田さんご存じですか?棒アナゴ
今初めて聞きましたよ魚でもないんでしょう?
柴田さん、富山でしょ。
海の幸たくさん見てるじゃないですか。
そんな柴田さんでさえ棒アナゴは見たことはない。
同じ日本海側にもないです。
これはご紹介しがいがあります。
この存在もさることながら棒アナゴ、味も珍しいんです。
まず、西村さん食べてください。
まず試食です。
炭火で焼いて食べるのが定番らしいんですよ。
棒状のものを丸ごと焼いて…。
どうですか?どうですか?
柴田さん、うまい!
うまいの!どんな味?どんな味?
これね、お魚?いや違う。
お肉…。
皮が、パリパリなんですよ。
中は結構、弾力があって…。
ジューシーなんですよね。
たぶん、何かでいえば焼き肉屋のホルモン。
あれを何かの皮でパリッパリとした皮で巻いたようなそんな味です。
丸ごとのホルモンを?どんな感じなの?ちょっと食べたい。
すごいまだお昼間で申し訳ないですけど柴田さん、僕、きょう寝られないです。
海のホルモン。
これを食べて男鹿半島の皆さんは夏を乗り切るスタミナ食材として昔からここで愛されてきた食材なんです。
きょう、訪れているのは男鹿半島のふもと、潟上市です。
日本海にぽーんと突き出す変わった地形の男鹿半島。
その沖には棒アナゴがすみやすい砂地が広がっています。
そのため、昔からたくさん取れて貴重な栄養源となっていました。
地元・江川漁港で、ここからたくさんの船が出て漁に行っています。
柴田さん、棒アナゴ存在も味もユニークですが漁も、とにかくユニークです。
地元の漁師の伊藤公男さんです。
どんなふうにとってるか今から見させてもらいます。
魚でもないものをどうやって取るのかしら?
伊藤さんは、地元でもとにかく珍しい唯一の棒アナゴ漁師です。
柴田さん、棒アナゴで使う専門のつぼなんです。
これすべて手作りです。
ドウと呼ばれる道具でして棒アナゴは深海、水深100mくらいの海底にすんでいます。
ドウを沈めておくとそこから棒アナゴが入ってくるという仕組みなんですね。
公男さんウナギを取るときに仕掛けるやなにちょっと似てますよね。
あれを大きくしたような感じ。
下から入って出れなくなるという…。
柴田さんさらにこの棒アナゴ漁は漁に出る時間もほかの漁と違うんです。
漁って朝早いイメージありませんか?
3時とかに出て行って。
早朝、まだ暗いうちから出ていくっていうイメージがあるじゃないですか。
なんと、棒アナゴの漁は昼からです。
伊藤さんは3人の息子さんとともに漁を行っています。
とにかく大変。
帰ってくるまでおよそ15時間。
夕方、ドウを海底に沈めます。
すると、棒アナゴは夜行性のため動き始める時間になってからドウを引き上げる。
するとぎっしり入っています。
その漁に欠かせないドウなんですが珍しいポイントがまだたくさんあります。
例えば、小さな穴です。
なんでこんなに小さな穴がたくさんあるかといいますと棒アナゴは、ものすごく鼻がいいんです。
嗅覚が優れています。
中に魚の切り身を入れておくとぽわんぽわんとにおいがそこから出て棒アナゴを引き寄せるという仕組みなんです。
鼻が利くんですか。
意外だったでしょ。
実際に取ってきてもらった棒アナゴ見てみたいと思うでしょう。
ちょっと見せてもらいましょう。
息子さんの大洋さんにお越しいただきました。
3人兄弟でいらっしゃいまして三男の大洋さんです。
けさ帰ってきたばかり。
ちょっと見せていただけますか。
ふだんは、海で取ってくるんでしょうけど生かしておくために沈めておいてもらいました。
開けて、どどんと!
ウナギだね、やっぱり。
西村さんそんな怖がらないで。
落ちちゃいます。
西村さん、あんた怖いの?
近くに寄って見てみましょうよ。
あんな、最初おいしい、おいしい言ってたじゃないですか。
焼いてたからさ。
これ、生じゃん。
これ、すごいよな。
顔がどこにあるか分からないんですけど。
いい質問ですね。
柴田さん、実はね棒アナゴ、あるものがないんです。
何がないんだと思いますか?あるものが、ありません。
目!口!
答えは目がないんです。
逆に口しかないんです。
目がなくて、口しかない。
ほかには背骨もあごもない。
とにかく珍しいんです。
背骨がなくて生きていられるの?
だから、あごもないからなんだこれ…。
深海に深いところにすんでいる珍しい、生きた化石ともいわれる原始的な生き物なんですね。
それが男鹿半島から昔から愛されている珍味・棒アナゴです。
だから昔から目がないとか骨抜きとかってその語源になった魚ではありません。
全く違うんですけど。
棒アナゴのもう一つおもしろいところあるのでご紹介します。
棒アナゴは生物でもダントツ珍しいすごいものを体に持ってるんですね。
これを見れば一目瞭然です。
きょうは、それがよく分かるようにこちらに水槽を用意しました。
今渡辺君も言ってますけど…。
柴田さん、俺たちの仕事って大変だよね。
なんでもやらなきゃいけないよね。
おいしいものを食べるには必要なんです。
すごく時間がかかってるの分かるんだけど僕がやりたくない気持ちがすごく分かりますよね。
お父さん偉い。
実は、ここからなんですよ。
この水に入れたんですけど異変が起こります。
棒アナゴパワーです。
これね、なんか出てきた。
水からぬるぬるが!ミスターマリックだ!すごい!すごい!ちょっとすごくない?何これ?
これ、ヌメヌメの量すごいですよね。
柴田さんパックにいいでしょうから持って帰りますね。
これ、ヌタっていうんです。
これ出てるんですよこの棒アナゴから。
なんで、これが出るかというと…。
深海にすむサメが…うわー、おいしそうな棒アナゴ。
いただきます!あっ!ヌメヌメして食べられない。
続きはEテレでやってくれ。
そうやって自分を守ってるわけですか。
外敵から自分の身を守るためにこのヌメヌメ、ヌタを出すんです。
このヌメヌメは体のヌタ腺という小さな穴から分泌されたんです。
糸状の成分で自分の体積よりはるかに多くのヌメヌメを作ることができます。
昨今はやってるコラーゲンとは違うんだろうね。
本当にパックによさそう!
今後、考えますね。
商品化できるか。
棒アナゴにとってはこのヌメヌメは外敵から身を守るのに大切なものなんですが漁師さんにとっては困るわけですよ。
このぬめりを取らないとおいしく食べられないそうなんですよね。
取る、取らないではどんな違いありますか?
焼いたときのパリッとした感じが出てこないんです。
あれがおいしかったですよね。
あのパリパリ感が…。
中が弾力のある、やわらかさがあれがいいんだけどな。
やっぱり、命なんですね。
パリパリがないとだめ。
皆さん、これがないとと言われますね。
このぬめりを取るための珍しい手法があるんです。
ヌメヌメバスター!
公男さんの長男でいらっしゃいます貴洋さんが高圧洗浄機を使ってこの棒アナゴと向かい合っています。
鉄の棒を木箱に刺したこのクロヌタウナギ、棒アナゴ。
それを少しずついろんな角度から勢いよく水を吹きかけることで頭のところから尾っぽへ向かってどんどんぬめりが下に落ちていくということなんですね。
これ見て!ぬるぬる!これ、やっぱりいいですか?
これは、最高です。
なんで、これでやろうと思ったんですか。
たまたま車、洗ってるときぬめり取るのにいいんじゃないかと思って使ってみたら…。
今までどうやってやってたんですか?
水道水で手でやってたら効率、悪くてこれが最高です。
今、ヌメヌメバスターである程度取ってもらったんですけどやっぱりね、ちょっとぬめりがあってね。
やっぱり水を使うことに意味があるんです。
真水を使うことで衛生上いいんです。
ただ、まだまだこれじゃ足りないということで貴洋さん、このあとの作業があるんですよね。
もう一つこのぬめりを取るための最後の仕上げがあります。
青色のシートの中で伊藤家の女性の皆様方が最後の仕上げを行っているところです。
一つ一つ、しごきといいまして頭の部分から尾っぽに向かってキッチンペーパーを使ってちょっとずつ、ちょっとずつ手作業でしごいていきます。
手間かかる…。
奥様方が首からキッチンペーパーを提げてやってくれてるんですよ。
大変ですかね。
大変です。
キッチンペーパー代もばかにならないですよね。
そうだと思いますよ、本当に。
これ、ちょっと僕やらしてもらってもいいですか。
公男さんの奥さんの恵美子さんです。
これ、手応えが時々ぶちぶちいうのはなんですか?ぬるじゃなくて…。
ここら辺で、ぶちぶちっていうんです。
何かをしごき出してるんですね?
ぬるぬるの穴からぬるぬるをしごき出してるの?
それだけじゃない何かをやっぱりこうやっておいしくなーれ、おいしくなーれだと思います。
糸みたいなの出てきてますもんね。
ヌタ腺から出てくるんです。
これ、まだまだですか。
この作業を…。
1日、多いときで1200本から3000本くらいやるんですね。
何時間ぐらいかかりますか?
作業的には結構、長い時間?
そうです。
漁から帰ってきて港についてからずっとですよね。
大変なんですよね。
すべて手作業ですから。
一本一本、多いときで1200〜1300本を手でやるんですから。
貴洋さんいいよね洗浄器で、ばーっとだからね。
なので、男衆がしっかりと取ってそして、なるべくきれいに取ってあげて最後はなでしこが最後の仕上げをすると。
しごいて、ある程度そのぬるぬるがなくなったというものがこれです。
これ、しごいたあと乾かしてる…。
弾力みて。
ぬたってない。
ぬたってはないけどかっちんこっちんじゃないんですね。
いい弾力なんですよ。
これで、ようやく皮のパリパリ感が出てきましたなんとなく。
漁からぬめり取りまでここまで、手間がかかる海の幸も柴田さん珍しいですよね。
だから高級食材なんじゃないの。
高いですね。
これぞ、知る人ぞ知る珍味、それが棒アナゴなんです。
こうやって手間ひまかけてやっと棒アナゴが食べられるようになります。
こちらです!
次男の徳洋さんが焼いてくださってます。
ウナギを焼いたような香りが…。
全然、分かんないよ。
あれ最近のテレビはだめだな…。
悔しい…。
そっちばっかり、いいな。
炭火で皮が焦げるくらい焼いて大根おろしとレモンでいただくのが男鹿地方では定番なんです。
お酒に合いますよ、これ。
どのぐらいパリパリ感に…。
せめて、柴田さん音だけでも味わってください。
パリパリ感。
あら、うまそう!バリっていう!
この皮のパリパリ感分かります?
分かる、分かる。
中がしっとりしてるのも分かる。
うまいわ!柴田さん、おいしいんですよ。
棒アナゴなんですが焼くだけじゃなくて煮てもおいしいんですよ。
貴洋さんの奥様でいらっしゃいます加寿子さんです。
おみそ汁ですね。
棒アナゴのみそ汁でして切り身を焼かずにそのまま煮て、ゴボウなどの根菜と煮てだしをとってるんですね。
これも昔からの家庭の味です。
棒アナゴのだしっていうことですね。
そうですね。
身がとろっとしてだしも独特なのが出てるのでみそ汁と合うと思います。
いただきます。
あれ、味わったことない、だし。
だし的には味わったことないです。
どんな味?
すごい脂が乗ってるのにだし的には、さっぱりです。
身はぷりっぷり。
加寿子さん、うれしいですね。
西村さんに食べてもらいたいってね。
どんな魚の身に似てるの?
これは独特です。
何に似てるとかないです。
どっちかといったらお肉とお魚の身の中間の弾力ですね。
だからこそ珍しいんですね。
全く、お世辞にもいい見た目といえないじゃないですか。
なのに、このギャップですよ。
ツンデレです、究極の。
ツンデレ、棒アナゴを調理されている加寿子さんですがふだんから食材として、どうですか?
味は意外に使いやすくて洋風のものでも和風のものでも結構いけると思います。
洋風も、加寿子さん考えてるんです。
実は、加寿子さん非常にアイデアマンでこの棒アナゴを使って珍しい、新しい料理も開発してらっしゃいます。
棒アナゴのピザですよ。
から揚げ。
そして、なんといっても…。
一押しです。
棒アナゴのゼリー寄せです。
これ、いいでしょう。
僕らの業界で言う、いわゆるシャレオツってやつですね。
お酒に合う!柴田さん、ぜひねここに来てみてください!棒アナゴ、食べて!2015/09/07(月) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ「男鹿の珍味!棒アナゴ〜秋田・潟上市〜」[字]

秋田男鹿半島に伝わるユニークなスタミナ食、棒アナゴをご紹介!身はふっくら皮はパリパリの美味。表面のヌメリを取り除くために行うあることとは?棒アナゴの魅力に迫る!

詳細情報
番組内容
【ゲスト】西村和彦,【コメンテーター】柴田理恵,【司会】渡辺健太 〜秋田県・潟上市から中継〜
出演者
【ゲスト】西村和彦,【コメンテーター】柴田理恵,【司会】渡辺健太

ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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