今週は何かいい事ありましたか?私ね思うんですよ。
ここは岩手県にある遠野市ってとこでな。
まんず昔話に出てくるような風景が広がってるんだわ。
ここで自然に寄り添い昔ながらの暮らしをしている夫婦がいるのさ。
ほらあそこの赤い屋根の大きな家。
ここが夫婦の住み家なんだ。
つい東北弁になってしまいましたがまずはご紹介しましょうね。
こちらが今日の主人公です。
山田信和さん67歳と妻の千保子さん65歳です。
軒先に干していたニンニクを取り込んでます。
(千保子さん)自分たちが出来る範囲のものはしたいな。
そうするとていねいな暮らしでいいんじゃないかな。
千保子さんの言うていねいな暮らしとは手間はかかるけど自分で出来る事は自分でやる昔ながらの暮らし。
この家もそのために選びました。
(千保子さん)建物も1つのこだわりですよね。
(菊池)この南部曲り家の屋号は古屋。
集落で一番古くからある家という意味だそうです。
はあ〜中はどうなってるんでしょうかね?ご夫婦に案内してもらいましょう。
あーんだなんだな。
はいどうぞ。
お入りください。
お邪魔しますどうも。
うお〜懐かしいですね。
こちらの方においでください。
あ〜わっ広いんだ。
いやあ家と馬屋がつながってるんですね。
この辺りつやが残ってるんだもんなあ。
馬屋のすぐ横には台所。
うん。
料理好きな千保子さんのためにここだけは新しいキッチンを入れました。
ああ。
あたしの城になりますね。
ねえ。
ここに土間に上がって結構です。
西田さん。
はいはい。
この縁側何か気づきません?ん?なんだろう?あっ床がちょっと斜めですかね。
そうなんです。
窓の方に向かって下がっているんです。
うん本当だ。
これまたどうしてですかね?このサッシついてるところがで障子1枚だけの世界で…。
なるほど昔の人は偉いですね。
自分たちの知恵でなんでも解決してしまうんですもんね。
これぞていねいな暮らし。
縁側の脇には広い部屋がいくつもあります。
見上げれば天井もほら高いですよ。
風格ありますね。
屋根裏につるした葉タバコを乾燥させるために普段は隠されていますが各部屋に囲炉裏が切ってあります。
暖房の役割ももちろんありました。
(千保子さん)暖房っていったらこれしかなかったんですよね。
これも先人の知恵ですね。
まあそれにしても築180年のこの家をすごくまあオシャレにちょっとモダンに使ってますね。
暮らしの知恵がいっぱい詰まった南部曲り家。
遠野の里に本当よく似合います。
今日の舞台は岩手県遠野市。
田園の中に水車や茅葺きのほこらなど日本の原風景が広がっています。
なあ。
こちらは郷土料理のひっつみ。
ひっつみ。
小麦粉を練ってひっつまむからひっつみだそうです。
あたたかいふるさとの味がします。
んだなあ。
この古き良きものが残るこの遠野で昔ながらのていねいな暮らしを楽しむ山田さんご夫婦。
千保子さんはこのニンニクで保存食を作ってます。
自分で作れるものは自分で作る保存食はその代表ですね。
収穫したあとのまた次のこのニンニクの生き方がまた楽しめるというか。
アハハハハ。
ニンニクにとっての第2の人生って事ですね。
エヘヘ〜いいなあ。
まずは1週間お酢に漬けます。
はい。
これでニンニク臭さが消えるそうです。
ああそうなんだ。
その後しょうゆに漬ければニンニクのしょうゆ漬けの完成。
おお〜。
他にも千保子さんはお味噌や醤油麹など調味料も手作りしています。
いやいやすばらしいんじゃないですか。
遠野出身の千保子さん。
仙台の大学に通っている時に信和さんと出会いました。
第一印象は…?顔は別として雰囲気がすごくかっこよかったの。
41年前2人は結婚。
信和さんは中学校の先生となり千保子さんは大学の研究室で働きました。
40代になるとお二人は古民家に興味を持つようになり車で東北地方を巡るように。
そんなある日帰り道に古い民家の前を通り過ぎたのですが…。
それはねなぜだか自分でもわかんないんです。
ねえ。
その家こそ現在暮らしているこの南部曲り家。
まるで家が2人を呼んでるようでした。
この出会いが縁でお二人は移住を決意。
信和さんが先に居を移し3年前には千保子さんも一緒に暮らし始めました。
なるほどねえ。
南部曲り家の良さたくさんの人に知ってもらいたいですよね。
というわけで本日は遠野の里で昔ながらの暮らしを楽しむご夫婦のお話です。
ていねいな暮らしとってもほっとしますよ!
(汽笛)いやかっこいいですね!釜石線を走るSL銀河。
ここ岩手県遠野市は昔ながらの風景と出会える町なんです。
いやあのどかです。
そんな先人たちの暮らしを今に伝えるのが江戸時代に建てられた茅葺きの南部曲り家。
間取りをご紹介しましょう。
はい。
入り口のすぐ左手にあるのが馬屋。
そして隣り合わせのこちら側が人が暮らすエリアになります。
ねえ馬と人が一緒に暮らす家なんですもんね。
ん?ここは?ここには昔馬のご飯を煮炊きした釜がありました。
はあ。
ここからL字型に折れ曲がるように空間が広がります。
だから曲り家なんですね。
そうなんです。
ねえ。
こちらは台所。
その奥に畳の部屋が続きます。
なるほどね〜。
それにしてもどうして馬屋が家の中にあるんでしょうか?はい。
遠野の冬は寒さが厳しいため出来るだけ馬を暖かくしてあげようと家の中に馬屋を作ったと言われています。
遠野の人たちにとって馬は家族と同じ。
大切な働き手としていつも目が届くところに置いたのです。
いやああったけえなあ。
馬も一緒に暮らす遠野の曲り家。
主人公山田さんご夫婦の曲り家の裏手には畑があります。
(千保子さん)オクラの花が今日はいっぱい。
サラダやお浸しにして食べるそうです。
へえ。
きれいだよね。
食べられるなんて。
この畑の手入れは信和さんの担当です。
あっこれは桃ですね。
立派な桃じゃないですか。
こうして夫婦一緒に畑仕事をするのが信和さんの楽しみ。
なるほど。
でもいつも…というわけにはいかないそうです。
ええ?なかなかうまくいかないもんね。
ねえ新婚さんみたいですね。
へへっ。
でもねそうはいかないよっつって。
いつもね
(千保子さん)かなわないそれは。
ああかなわないんだ。
アハハハそうですか。
(千保子さん)そうそう。
アハハハハねえ。
どっちなんでしょう?それ油汗だ。
でもなんだかんだいってもね仲良し夫婦なんですもん。
ジャガイモいっぱい採れたんだものいいじゃん!収穫を終えると信和さんはお隣の畑へ。
あらおばさんこんちは。
こんちは。
アズキの草取り?お隣に暮らす佐藤キミエさん80歳です。
ねえ。
白菜の種は…。
まいた?今だから…苗作りしようかなと思ってはいたんだけど。
キミエさんは山田さんが暮らすこの曲り家をずっと見てきました。
うんうん。
うん。
うん。
トタンでふいてねえ。
キミエさんは今も曲り家が残っている事が嬉しいと言ってくれてます。
週1回ご夫婦が必ず出かける場所があります。
おお。
(千保子さん)おはようございます。
ありがとうございます。
こちらこそお世話様です。
地元の農家が共同で営む野菜の直売所。
うん。
新鮮でしかも安いんです。
へへへっ。
玉ネギで3つで120円。
うほほほ。
ピーマンがこれで100円。
直売所の皆さんとはみんな顔見知り。
以前山田家にお招きした事もあります。
これはその時の写真ですねえ。
皆さん山田さんちどうでした?うん。
みんな曲り家が消えていくのが寂しかったんだ。
うんだから山田さんご夫婦が暮らしてくれて本当嬉しかったんだ。
千保子さんは昼食の準備。
毎食手作りにこだわっています。
出来上がる過程をやっぱり自分のこの手とか目とか色んなものを使ってやるっていうのがやっぱり一番。
何をするにも基本。
あっあっさっきの花オクラだ。
はい。
茹でて刻んでナスと大葉と塩もみ。
こうすると粘り気が出ます。
おお。
麹醤油。
麹に醤油をやって寝せておくの。
へえ〜うまそうですね。
はいこれで完成です。
いやいや手が込んでますね。
これお店に出せますよこれ。
千保子さんのモットーは盛り付けもていねいにする事。
食事の時間を楽しくするコツです。
なるほど。
旬のものを旬に食べられて…。
ねえ。
愛する人にものを作ってもらって…。
幸せですよ。
そう幸せ。
はいごちそうさまでした。
ていねいな暮らし本当すばらしいと思います。
(千保子さん)こんにちは。
お二人がやって来たのは菊地さんのお宅。
遠野のばあばだよ。
去年東京から遠野に移住し赤ちゃんが生まれました。
はあ〜アハハ。
このはちゃんですかこんにちは。
かわいいねえあんた。
菊地さんご夫婦は遠野の町おこしのために様々な活動をしています。
うん。
家の裏手にあるのが…。
あっ馬だ。
いやあがっしりしたたくましい体してますねえ。
サラブレッドとはちょっと違いますね。
(菊地さん)大きいですね。
普通の…例えば競馬場とか乗馬クラブで見るようなサイズの馬とは少し種類が違うかもしれないですね。
要はああ筋骨隆々だ。
こっちの馬もこれ力ありそうですもんね。
古くから東北地方に暮らす農耕馬。
はい。
菊地さんはこの馬で田畑を耕し環境に優しい農業をしようとしています。
今後は乗馬の施設も計画しているそうですよ。
いやあいいですねえ。
若い人たちのチャレンジを応援したいと考えている山田さんご夫婦です。
もう1組若い夫婦を訪ねましたよ。
(千保子さん)あそう?これが理想ねそうかそうか。
(信和さん)こんにちは。
(千保子さん)主人のね理想なんだって。
夫と妻がね同じ事をしてるのがねうちの人の理想なんだって。
伊勢崎さんご夫婦は馬で町おこしをする菊地さんのお仲間。
妻のまゆみさんは東京からお嫁にきました。
遠野に旅行にきた時にパラグライダーで飛べるって教えてもらって。
でそこで飛んだ初めて見た田舎の景色…。
すぐ来てしまいました。
エヘヘヘ…ワオ!6年前まゆみさんは農耕馬に乗ってお嫁入りしました。
うん。
遠野の古くからの風習です。
いやあいいですね。
でここです。
いやあ山田さんご夫婦にぜひ見てもらいたいとこの日伊勢崎さんが案内してくれたのは…。
菊地くんたちと一緒にはあなるほど。
馬を使った町おこしを考えている伊勢崎さんたち。
ここを宿泊所にする予定です。
おお。
(千保子さん)シンプルにすれば一番。
余計なものは最小限のところでとどめて。
あとはちょっとした装飾品で変えればいいから。
楽しみですね。
どういうように出来上がるかっていうのが。
いや本当楽しみですね。
この日山田さんの南部曲り家に大勢の人が集まってきました。
おっ。
空いてるところに。
赤い車の隣でいいな。
右にいってもらえばいいや。
いやなんだかお忙しそうですね。
いったいお宅で何が始まるんでしょうか?はい。
若い人たちに負けていられないと千保子さんも町おこしのために活動をしているんです。
自宅の馬屋で月に1度開く「ていねいな藏し」という催し物です。
うん。
今日は7組かな。
大体出店してくれてるので。
へえどんなお店があるんでしょうか?まあうまそうなパン屋さん。
こちらは布小物のお店です。
どれも手作りにこだわったものばかり。
いやあいいんじゃないですかこれ。
ていねいな暮らしをするためのヒントがいっぱい詰まってます。
このイベントを千保子さんと一緒に計画したのがこちらの菊池礼子さんです。
おお。
(千保子さん)私の右腕になっているので欠かせない存在です。
アハハハハ。
あっさっきの伊勢崎さんと菊地さんも来てくれてますね。
まあそれにしてもお客さん来るわ来るわ。
ねえ普段は静かな山の中の曲り家ですよ。
あっという間ににぎやかになりました。
皆さんいらしてみていかがですか?びっくり。
中と外が全然違いますもんね。
すごい素敵なところでやるイベントだなと。
若い人たちがこうやって集まってなんかするって事は今までなかったので。
うちらが小さい時育ってきたこういう家で。
ねえ。
ねえ嬉しいよね。
見てもらって初めてここを提供してる一番の意味があるというか。
ありがたいですね。
1人では出来ない事だから。
ここでの出会いを通じて南部曲り家と昔ながらのていねいな暮らしの魅力が皆さんに伝わりました。
まんずまんず大成功だ!遠野の夏。
この日も山田家に来客です。
こんにちは。
こんにちは。
(千保子さん)いらっしゃい。
やってきたのは伊勢崎まゆみさんと菊地恵実子さん。
料理を一緒に楽しみます。
よく来ます。
山田さんに会いたくて来ます。
悩んだりするとやっぱり最初に山田さんに聞いてもらうし。
このセンスとかもすごい好きだしすごい勉強になります。
私一番ねこういうのがね私の財産。
(千保子さん)はいいらっしゃい。
またいいタイミングで旦那さんチームも合流だなあ。
移住した人嫁いできた人そして地元の若者。
先人の知恵が詰まったこの南部曲り家で過ごす時間。
とっても豊かです。
次の世代にバトンを渡す事。
これが千保子さんと信和さんの生きがいです。
山田さんのような先輩たちがこうやって応援してくれるっていうのはすごくありがたい。
すごい励みになるので自分の娘であるとかみんなで元気にします。
いやあかっこいいですね。
お願いします。
遠野には遠野を心から愛する人たちがいます。
本当すばらしいです。
今日もご夫婦はていねいな暮らしを楽しんでいます。
信和さんは今日は木工ですか。
何作ってるんですか?え?これはね私が蜜を集めてその蜜を今度料理に使うとか。
ああ今度はハチミツも自家製なんだ。
いや楽しみですね。
千保子さんは家庭菜園でとれた桃を使ったデザート作りです。
一口大に切った桃を砂糖を加えて甘く煮る自家製コンポート。
こうすれば傷みやすい桃もしばらくおいしく楽しめます。
うーん。
いやあそれにしてもなんだかんだと毎日やる事がいっぱいですね。
こういう時間をとにかく私と主人はやれるところまでやっぺって。
んだな。
やれるとこまでやっぺ。
車で通り過ぎた遠野の里。
赤い屋根との出会いが新たな人生の始まりでした。
この南部曲り家が教えてくれた事は計り知れません。
自然の恵みを大切にし無駄にしない。
知恵を絞って自分で出来る事は自分でやる。
ていねいな暮らしが人の心も豊かにするんですね。
千保子さん信和さん。
これからもていねいに人生歩んでいってくださいね。
そして若者たちに遠野の魅力を伝えていってください。
応援してまーす。
ていねいに応援してまーす!はいでは楽園通信です。
遠野の若手がんばってるじゃないですか。
ねえ桃ちゃん。
はいこちらもそんな1軒。
千保子さん行きつけの『on‐caf』。
大正時代の建物を利用したアンティークな店内がとても素敵です。
いやいやしゃれてるものなあ。
千保子さんが好きなのわかります。
そして懐かしい風景の中を散策するなら遠野市の観光協会にお問い合わせください。
はい行くっぺ。
もう行くっぺや。
桃ちゃん行くっぺ。
次回は愛媛県久万高原町が舞台。
61歳から農業を始めたパワフルなお母さんのお話です。
66歳でカフェまで開いちゃいました。
今回はグランシェフの厨房にお邪魔します。
2015/09/05(土) 18:00〜18:30
ABCテレビ1
人生の楽園[字]
【南部曲り家で“ていねいな暮らし”】 日本の原風景の佇まいを色濃く残す岩手県遠野市で、昔ながらの伝統的家屋「南部曲り家」に住み、ゆったりと暮らす夫婦を紹介。
詳細情報
◇番組内容
仙台市で二人の子供を育てた主人公夫婦は、40代になると古民家に興味を持つようになり、東北地方を車で回った。そんな時、偶然巡り合ったのが、南部曲り家。人が暮らす「母屋」と「馬屋」がL字型につながった、遠野地方の伝統的家屋だ。二人はこの古民家をこつこつと修復し、60代で岩手県遠野市に移住した。家の裏手の広い家庭菜園で様々な野菜を育て、手間暇かけて料理を作り…と、二人は“ていねいな暮らし”を満喫している。
◇出演者
【楽園の案内人】西田敏行、菊池桃子
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/rakuen/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
福祉 – 高齢者
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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