シャベッタアアアアアア
ダイドードリンコは9日、職場内の自動販売機に社長の声を吹き込み、「お疲れさま」「ありがとう」などと声を掛ける機能を搭載した自販機サービスを始めたと発表した。社内のコミュニケーションツールの一つとして、今後企業に導入を提案していく。
自販機には5秒以内のメッセージを4種類、自由に登録できる。お金を入れる時や、商品を選ぶ際に音声が流れる。
ダイドーは、各地の方言が流れるなど「しゃべる自販機」の展開に力を入れている。従来の自販機を「社長仕様」に変更することもできる。問い合わせはお客様相談室、フリーダイヤル(0120)559552。
ダイドードリンコのプレスリリースがネットで話題になっていた。確かに社長にお疲れとか言われるのを想像するのはきっついし、コミュニケーションツールってなんだよって感じだけど、プレスリリースとしては「ダイドーは、各地の方言が流れるなど『しゃべる自販機』の展開に力を入れている。」部分の認知拡大を狙っていて、見事にハマったという印象を受ける。
シェアしてもらうプレスリリース
プレスリリースというのは、どうしても企業主体の「売り言葉」であるため、シェアには至りにくい。そこで、テレビやインターネットの広告を利用して何度も何度お有償で発信していく流れになりやすいのだけど、シェアの流れに乗れば無料で拡散してもらえる。
つまり、企業目線で売り手側の主張をストレートに表現しているのが「売り言葉」であり、消費者の目線に立って一見しては何の商品の広告なのか分からないコピーになっているのが「買い言葉」であるという。
ソフトオンデマンドの高橋がなりが、9000万円分の広告を打つなら、そのお金で「地上20メートル空中XXX」を撮りたいといって、本当にクレーンで地上20メートルまで吊り上げたアクリルボードのうえでの撮影を敢行した。この作品自体は社史の中で「マスコミ等で話題になるも、まったく売れず赤字」と紹介されるほどの結果だったが、マスコミが勝手に話題にし続けてくれたおかげで社名が浸透して、他の作品が売れる基盤を作ったわけで、作品のテイを保ちながらもオウンドメディアに通じるものがある。
がなり流! 誰もやらないけど、誰にでもできる勝利の「王道」を教えよう。
- 作者: 高橋がなり
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2004/09/25
- メディア: 単行本
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絶妙に安全な危険球を真面目な顔でやる
「社長の声が吹き込める」というユースケースはあくまで「しゃべる自販機」の既存機能の活用事例にすぎないわけで、機械としての原価はかかっていない。声優や俳優に依頼するのもキラキラ女子社員に吹き込んでもらうも同じだけど、「声優」と言ってしまえば権利関係や声優マネジメントの問題が付随してくるし、「キラキラ女子社員」と言えば女性蔑視だのポリティカルコネクトレスのリスクがある。
そこで、提出された「社長の声」というユースケースを「公式サービス」に落としこんだプレスリリースは思わずシェアをしたくなるほのかな狂気が漂いつつも、既存機能やサービスの説明にもなっている。「社長の声」としての受注があるかは微妙だけど、しゃべる自販機としての認知拡大には繋がっている。
個人的には「メタコミュニケーションありきのガチ感」みたいなところに、まだツボが残っているんじゃないかというのがあって、それにはオカルトとプロレスが参考になる。ここのところでフェイクを含んだドキュメンタリー映画にハマっているのにもそういう視線がある。
仮に「社長の声」による受注見込みがないにしても、あくまで徹底的に真面目な顔をし続けることが大切だ。いかにも「これはネタなんですよ」というエスケープを見せた途端に読者は醒めてしまうし、そもそものプレスリリース掲載を見送りされてしまうリスクがある。そんなわけで、絶妙に安全な危険球を真面目な顔でやるというお手本のようなプレスリリースに踊らされているなぁと感じた。
- 作者: 大槻ケンヂ,山口敏太郎
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
- 発売日: 2015/03/25
- メディア: 単行本
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