東京五輪:組織委が画像3点を無断使用

毎日新聞 2015年09月11日 22時53分(最終更新 09月12日 01時25分)

撤回された佐野研二郎氏のデザインによる公式エンブレムの原案をスクリーンに映し、説明する組織委員会の武藤敏郎事務総長=2015年8月28日、喜屋武真之介撮影
撤回された佐野研二郎氏のデザインによる公式エンブレムの原案をスクリーンに映し、説明する組織委員会の武藤敏郎事務総長=2015年8月28日、喜屋武真之介撮影
佐野氏のデザイン盗用を否定した記者会見で、無断使用したロンドン五輪の競技会場の写真=大会組織委提供
佐野氏のデザイン盗用を否定した記者会見で、無断使用したロンドン五輪の競技会場の写真=大会組織委提供

 ◇佐野氏の公式エンブレム説明記者会見で提示資料に

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は11日、撤回された佐野研二郎氏(43)のデザインによる公式エンブレムの選考過程などを説明した8月28日の記者会見で提示した資料で、海外在住の個人ブログの写真など合わせて3点を無断で使用していたことを明らかにした。デザインの模倣を否定した会見で組織委自らが無断使用する失態に厳しい批判を浴びそうだ。

 組織委によれば、資料は組織委マーケティング局が作成し、12年ロンドン五輪におけるエンブレムの展開例として競技会場の写真を使用していた。10日夜に権利者本人からメールで「私の画像が使用されている」との指摘があり発覚した。11日に電話で本人に謝罪して使用料を支払うことで合意したという。改めて他の画像について確認した結果、その他2点の無断使用が発覚した。権利者と連絡がとれていないため、詳細の公表は避けた。

 組織委の藤沢秀敏広報局長は「考えられないミス。迷惑を掛けたことを申し訳なく思う」と謝罪した。経緯は調査中としており、全容を把握して改めて公表する。また、これまでプレゼンテーションなどで使用した資料についても調査する。

 8月28日の会見では、公式エンブレムがベルギーのリエージュ劇場のロゴと類似していると指摘されたことを受け、修正過程を明らかにして独自性を強調。しかし、この会見で佐野氏が画像を無断使用したことが発覚。国民やスポンサーからの不信が高まり、1日にデザインを撤回した。【田原和宏、飯山太郎】

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