組織委またトラブル 盗用否定会見で画像を無断使用していた
2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会が11日夜、緊急会見を行い、8月28日に佐野研二郎氏(43)がデザインした公式エンブレム(現在は白紙撤回)の盗用を否定した記者説明会で、組織委が個人ブログの画像3点が無断で使用していたことを明らかにした。
藤澤秀敏広報局長によると10日夜、写真を無断使用された海外在住の人物から「私の画像が使われている」と指摘があり、発覚。その後の組織委の調査でさらに2点の無断使用が明らかになった。画像は、マーケティング局がインターネットの画像検索で入手して作成した。
くしくも、同じ説明会で佐野氏が使用したエンブレム展開例の写真を無断借用していることが発覚。これが引き金となり、公式エンブレムは白紙撤回となった。なお、今回の件には佐野氏はかかわっていない。
この日、組織委は申し出があった本人と連絡を取り合い、“事後承諾”という形で使用料を支払うことで合意した。この人物は、説明会の模様がまとめられたインターネットのサイトを見て自分の写真が使用されていることを知り、連絡したという。他の2点については、組織委が相手方と連絡を取っている最中。話し合い次第だが、今回と同様の措置を取ることも考えている。
画像は、いずれもロンドン五輪でのエンブレムの展開を示す例として用いられたもの。合意した人物の写真は、新体操の会場を訪れた際に撮影したもので、ブログには「写真の無断複写・転載を禁じます」とのただし書きがあった。無断使用されたことには「あれだけ世間を騒がせている盗用問題の記者会見で、釈明に使われた写真が無断使用というのが信じられない」と話しているという。
藤澤局長は「ミスは考えられないようなもの。なぜこのようなことが起きたのか調べている段階。組織委としてはご迷惑おかけしたことを申し訳なく思っております」と謝罪。「早急に原因を追究する」としたが、他人に権利がある写真を無断で使用するというのは単なるミスでは済まされない。問題だらけの組織委にまた一つ、新たなトラブルが浮上した。