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【新型プリウス公開】電気自動車と競争激化 ガソリン安で関心低下


 トヨタ自動車が初公開した新型プリウス=8日、米ラスベガス(共同)
 トヨタ自動車が8日に新型モデルを初公開したハイブリッド車の「プリウス」は、世界の主要メーカーが開発に力を入れる電気自動車との販売競争が激化している。公開の場として選んだ重点市場の米国は、ガソリン安により大型車が人気を集め、ハイブリッド車への関心は低下。4代目となる新型プリウスは従来にないような厳しい船出となる。


 ▽実績


 「プリウスは技術をけん引する役目があり(男子短距離の)ボルト選手のようにいつも世界一を目指さないといけない」。開発責任者を務めたトヨタの 豊島浩二 (とよしま・こうじ) チーフエンジニアは米西部ラスベガスで開かれたプリウスの発表会で強調した。


 新型プリウスの中核モデルは、モーターの小型軽量化などにより、米国の燃費性能基準で走行距離を現行型より約10%のばした。


 全面改良のたびに燃費を大きく改善してきた実績を今回も達成した。


 ▽異変


 厳しい環境規制で知られる米西部カリフォルニア州で異変が起きている。世界の自動車メーカーが最新の環境対応車の技術を競う場所で、トヨタのプリウス販売でも重要な地域だ。

 プリウスの歩み


 地元の自動車販売会社の幹部は「環境への意識が高い富裕層は電気自動車の米テスラ・モーターズの高級車に乗るのが社会的地位の高さの証明となった」と説明する。ハリウッドの俳優らが相次いで購入したことでプリウスが注目を集めた時期もあったが、特別な車という意識は薄れた。


 電気自動車は充電後に走れる距離が限られるため敬遠されてきたが、同州などでは充電スタンドの拡大を含めた環境整備も進んだ。走行中に二酸化炭素(C〓(Oの横に小文字の2) )を排出しないことへの高い評価も販売を後押ししている。


 ▽多様化


 各国のメーカーは電気自動車の性能向上や低価格化を目指している。日産自動車は今後発売する「リーフ」の改良型で、充電1回当たりの走行距離を現在の228キロから大幅にのばす計画だ。カルロス・ゴーン社長は「近い将来、ガソリン車と同等の走行距離を提供できると確信している」と訴える。


 テスラは今月2日、これまでより安いモデルを売り出すと発表。3万5千ドル(約420万円)のセダンの生産を約2年後に始めると表明した。現行の高級車中心の戦略から顧客層を広げる。


 2014年の米国におけるプリウスの販売台数は前年比15・4%減だった。トヨタ自らが燃料電池車の一般販売を既に始めるなど環境対応車の市場は多様化が進んでおり、ハイブリッド車を取り巻く環境は厳しさを増している。(ラスベガス共同=大塚圭一郎)


(共同通信)

2015/09/11 20:44

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