Column
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James Saft
[8日 ロイター] - マウイの不動産から高級美術品に至るまで、あらゆる資産の売り手がその売却代金を何に再投資するか──。中国からの資本逃避が世界にどのような影響を及ぼすかを見極める上で、鍵を握るのがこの点だ。
もちろんこれは、中国が資本逃避を黙認し続けた場合の話であって、その前提は確実とは程遠い。
中国人民銀行が7日に発表した8月の外貨準備は939億ドル減の3兆5570億ドルと、過去最大の減少を記録した。人民銀行が、資本逃避による人民元の下落と格闘した結果である。
中国がこの闘いをいつまで続け、そしてどのような手段で行うかによって、中国と世界経済への影響は大きく左右される。
中国を離れた資金がどこに向かって何を買うか、またそうした資金の所有者に資産を売却する人々がその代金をどう使うかも大きなインパクトをもたらす。世界の金利を変化させ、ひいては金融資産の価格も動かす可能性を秘めているのだ。
資金が中国から逃げ出す理由は様々だ。人民元のさらなる切り下げや中国資産の下落を心配し、より良い投資先を求めて海外に向かう個人もいるだろう。汚職摘発や法律の適用などを恐れる人々は、身を守るためにロンドンやニューヨーク、ハワイ、カナダなどの不動産や、高級美術品を買う場合が多い。
こうした資本逃避が市場にどう影響するかを見る上では、中国が史上最大の外貨準備を積み上げた方法と理由、そしてその過程で何を買ったかを思い出すことが重要だ。
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