『BOOK・OFF』公式Facebookより。
時間潰し、あるいは本はただで読むものと勘違いしているのか、本屋やコンビニなどで誰もが目にする“立ち読み”。その“立ち読み”をめぐり、賛成派と否定派で熱いバトルが繰り広げられている。
ことの発端は直営店、FC加盟店含め942店舗(2015年4月1現在)を構える大手古書店「BOOK・OFF」。マンガ、小説、画集などを幅広く扱う同店で、「商品を選ぶことができない」「通路を塞ぎ通れない」といった客の声を受け、自由が丘駅前店や秋葉原店など直営店6店舗で、“コミックの立ち読み禁止”という措置を実施。今のところ、「直営店舗で行っている試験的な措置」とのことで、全店舗で実施する予定はないという。
これを受け、立ち読み反対派からは「全店舗でやれよ」「立ち読みしてるやつらのせいで目当ての本が探せない。マジで邪魔」「立ち読み連中、動画か写真で晒したいくらい酷いよ」と鬼の首をとったかのごとく、勝ち誇った賛同の声があがっている。
また、「立ち読みオッサンどもが触った商品を買うわけか」「立ち読みのせいで本がボロボロなんだよ!」「100回くらい手を洗ってから出直せ!」と立ち読みが原因で、肝心の商品=本がダメになってしまうと指摘する声も。
しかし、「ブックオフって立ち読みして時間潰すとこだろ」「ブックオフなくなったら、どこ行けばいいって言うんだよ」「飯食うだけのために外に出るのはもったいない。だから習慣的にブックオフへ行き、立ち読みをする」「かわいい女の子の近くで屁をこくのが楽しい」など、立ち読み賛成派にも彼らなりの理由があるよう。
他にも、「どうせ読ますならマンガ喫茶にしちゃえよ」とマンガ喫茶化を提案する声や、BOOK・OFF博士たちからは、「毎月29日はブックの日だからお得」「最近カバーつけ始めたよね」「マスコットキャラはかうかう君とうるうるちゃん」「ブコフのデブはリュックが好き」など、なぜか豆知識を披露する場になったりと、ネット上の趨勢は複雑怪奇だが、とにかくこのニュースの注目度は高いことがうかがえる。
書店・中古書店で、ぱらぱらと本をめくることで、意外な本や雑誌と出会う。Amazonなどネット書店にはない、リアル書店ならではのメリットを享受できるのは“立ち読み”のおかげだ。だが、手段が目的になってしまうのも考えもの。結局は“ネットリテラシー”ならぬ“書店リテラシー”。客の店内での行為・マナー次第で今後の“立ち読み”事情は変わってきそうだ。BOOK・OFFの今後の措置を注視したい。