私の愛読雑誌に『学士会会報』(学士会発行)があります。私も会員なので、9月中旬にその「第884号」が送られてきました。
この会報に載る毎号十数人の記名文や講演要約は、参考になることが多いので、ほとんど読んでいます。
2010年のV号である第884号の中で特に参考になったのは『昭和史再考』という筒井清忠さん(帝京大教授)の講演要旨と、『日本の急務「真のエリート」教育を』という藤田宏さん(東大・名誉教授)の寄稿文でした。
この両者の考え方に、私見を交えて「人材づくりのポイント」という本稿を書こうと思います。
私には、日本が1941年(昭和16年)に、どうして対米英戦争にふみこんだのかが、常識的に考えてどうしても分らないことの一つだったのです。
開戦時の鉄鋼の生産量や石油の産出量などの戦争の決め手となる主要物資の比較だけをとっても、まともな人がリーダーなら、とても米英などと戦争に入るなどの意志決定はしないでしょう。経営トップが、このような意志決定をするのなら、会社はすぐつぶれてしまいます。
日本のリーダーたちは、どうして当時は「まともでなくなり、人材でなくなった」のでしょうか?
筒井さんはそれに対して、そのような世論がつくられたのだということを言っています。彼の言いたいことの要旨は学士会会報によると、つぎのように要約されています。
要約
日本は第二次世界大戦で覇権国の米国・英国に挑戦し当然のように敗れた。なぜそうなったのかを理解することは昭和史を考える上で最も重要だ。大正半ば、強力な超国家主義運動が発生し、後の歴史の大きな流れを決めていく。その運動の思想的リーダーだった北一輝は国内の改造とアジアの解放という二つの平等主義の実現を主張。それは、軍縮・平和の潮流の中で自らの存在意義に思い悩んでいた軍の青年将校らの心を捉えた。そして、混沌とする政治・社会情勢を背景に五・一五事件、二・二六事件が起こされ、「アジア解放」=反米英が世論となっていくのである
私は、このような世論が形成されたのは、明治以降、特に明治40年以降、大正、昭和前期(1945年まで)の日本の軍人や一般学校での教育システムの故だと思います。終戦までの私の小中学校での教育システムや学校や社会が教えてくれたことは、いまから考えると、ほとんど非常識で、戦後はよりおかしくなりました。ここ100年、日本の教育は常識的には、まちがっていたと思います。
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ザ・フナイ
月刊『ザ・フナイ』は、船井幸雄が「世の中を変える意識と行動力を持つ人に向けて発信する」と決意し、(株)船井メディアより2007年10月号から創刊した雑誌です。
「本当のことが深く分かる雑誌にしたい」との思いで、船井幸雄が厳選した、さまざまな分野の超一流の人々に毎月、本音でストレートに書いていただいています。
11月号の
主幹 船井幸雄
船井本社の代表者を辞めました。――少し自由に生きます
(株)船井総合研究所以下、いま船井グループといわれている会社は67社あります。これは私というか「船井」が、一つのブランドになったということのようですし、各社は「船井」の名に応えるべくまじめに業務をやっております。これらの今後のことを、グループの中心会社である(株)船井総合研究所の小山政彦会長や高嶋栄社長と9月24日に話しあいました。それは、つぎのような理由からです。
すべては1969(昭和44)年10月3日に、私が個人で「フナイ経営研究所」を発足させたことからはじまります。この研究所が翌年3月6日に株式会社になったのが、いまの船井総研です。したがって船井総研の創業日は1970(昭和45)年3月6日なのです。いままで、ずっと組織体の代表者でした 。
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すべては1969(昭和44)年10月3日に、私が個人で「フナイ経営研究所」を発足させたことからはじまります。この研究所が翌年3月6日に株式会社になったのが、いまの船井総研です。したがって船井総研の創業日は1970(昭和45)年3月6日なのです。いままで、ずっと組織体の代表者でした 。
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主幹 船井 幸雄 |
(株)船井本社 代表取締役会長 船井幸雄 |
11月号の
主幹 船井 幸雄 |
× | (株)船井本社 代表取締役会長 船井幸雄 |
【主幹 船井幸雄から】 人材づくりのポイント、これから約10年の大変化を見据えて
ザ・フナイ 11月号 目次
■連載
著者 | タイトル | ページ |
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中矢 伸一(日本弥栄の会 代表) | 大激変のタイムラインを読む〈14〉 地球の異変を見守る「存在」たち | 24 |
副島 隆彦(評論家・副島国家戦略研究所(SNSI)主宰) | 誰も書かない世の中の裏側〈32〉 陰陽五行の思想とは何か | 37 |
古歩道(フルフォード)・ベンジャミン(フリージャーナリスト) | 新しい時代への突入〈38〉 新しい時代は自分の身辺から | 49 |
船瀬 俊介(地球環境評論家) | マスコミのタブー100連発〈10〉生命小体ソマチット | 62 |
安保 徹(新潟大学大学院医歯学総合研究科 教授) | 未来型の医学と新しい可能性〈38〉 遺伝する体質と性格 | 74 |
中村 陽子(NPO法人メダカのがっこう 理事長) | 主婦が始めた瑞穂(みずほ)のくにづくり〈38〉 大本の教えのためにひと肌脱ぐ、若杉ばあちゃん | 80 |
koro先生(物理学研究者) | 平和に貢献する科学と哲学の一体化〈38〉 koro先生の研究の全体考察 | 86 |
飛鳥 昭雄(サイエンスエンターテイナー) | 情報最前線(エネミーライン)―未来への指針〈10〉 「日本古代史の謎」 徹底解明G | 100 |
五井野 正(ウイッピー総合研究所 所長) | 科学から芸術へ〈8〉“複合生命体”である地球 | 109 |
■特集 寄稿
著者 | タイトル | ページ |
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杉原 梨江子(聖樹・巨樹研究家、ルーンマスター) | 古代北欧ルーン文字に宿る神々 | 132 |
本田 健(作家) | 大不況時代、お金に振り回されない生き方 | 152 |
小谷 章(月刊『ソトコト』編集委員) | ミツバチの大量死は人類への警告だ | 170 |