9月新刊:ハイデガー哲学は反ユダヤ主義かーー「黒ノート」をめぐる討議
2015年 9月 11日 コメントは受け付けていません。
ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か
――「黒ノート」をめぐる討議
編者=ペーター・トラヴニー+中田光雄+齋藤元紀
執筆者=秋富克哉+加藤恵介+茂牧人+轟孝夫+森一郎+渡辺和典
訳者=阿部将伸+陶久明日香+中川萌子
A5判並製/304頁/定価3000円+税
ISBN978-4-8010-0124-4 C0010 9月下旬発売!
装幀=齋藤久美子
独仏哲学界を激論の渦に巻き込んだ、ハイデガーの「黒ノート」問題。
その日本における最新の研究成果を収める論集、緊急出版!!
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2014年、死後40年を経て公刊された哲学的手記「黒ノート」によって〈反ユダヤ主義〉疑惑が浮上した、20世紀最大の哲学者ハイデガー。ナチス関与問題以来ふたたび世界的な議論を醸すハイデガー哲学の真相/真価を問い直し、現代哲学、そしてわれわれの未来を模索する。
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われわれの今回の論集の主題は、これら第94〜96巻ならびに第97巻における「反ユダヤ主義的」とも指摘されうる文言を、哲学的に適正に、あるいはハイデガー哲学の思惟文脈に公正に則るかたちで、理解し、意味づけ、説明し、世に資そうとするものである。ハイデガーにおける「反ユダヤ主義的」と指摘される文言は、本当にあの「反ユダヤ主義」に帰属する態のものなのであるか。哲学思惟上の「ユダヤ的なものへの〈批判〉」は、そのままあの偏頗な情念イデオロギーとしての「〈反〉ユダヤ主義」と同一のものなのであるか。(「序」より)
目次:
ドイツから日本の読者の皆さんへ P・トラヴニー/陶久明日香訳
序 主旨と謝辞 P・トラヴニー/中田光雄/齋藤元紀
第一部 講演
はじめに 渡辺和典
ハイデガーと「世界ユダヤ人組織」と近代性 P・トラヴニー/陶久明日香訳
「黒ノート」はハイデガーの評価に何をもたらすのか? 齋藤元紀
第二部 講演とワークショップ
はじめに 齋藤元紀
ハイデガー「黒ノート」における「反ユダヤ主義」は何を意味するのか 轟孝夫
いくつかの区別について 加藤恵介
「ハイデガーの思索は反ユダヤ主義的か?」という問いに答えるための一つの試論 P・トラヴニー/陶久明日香訳
ハイデガー思惟と反ユダヤ主義 中田光雄
第三部 講演とエッセイ
はじめに 中田光雄
普遍的なものと殲滅 P・トラヴニー/阿部将伸・中川萌子訳
トポグラフィーの試みを受けて 秋富克哉
〈キリスト教を克服するキリスト教〉としてのハイデガーの思索 茂牧人
ハンナ・アーレントと「反ユダヤ主義」 森一郎
★9月19〜20日、関西学院大学西宮上ケ原キャンパスで開催のハイデガー・フォーラム(*)にて先行発売いたします!
関連書:
哲学とナショナリズム――ハイデガー結審 中田光雄 4000円+税
ナチスのキッチン――「食べること」の環境史 藤原辰史 4000円+税
ナチズム――地獄と神々の黄昏 E・ブロッホ 池田浩士・藤原辰史・本庄史明訳 4500円+税
この時代の遺産 E・ブロッホ 池田浩士訳 7000円+税
ホロコーストを逃れて――ウクライナのレジスタンス J・ウィテリック 池田年穂訳 2500円+税