改正労働者派遣法:衆院で可決、成立 30日に施行
毎日新聞 2015年09月11日 19時25分
◇同じ職場で派遣労働者使える期間、最長3年を事実上撤廃に
企業が同じ職場で派遣労働者を使える期間(最長3年)を事実上撤廃する改正労働者派遣法が11日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。施行日延期などの修正があり、参院で可決後、衆院に回付されていた。成立から30日の施行まで1カ月を切る異例の短さで、厚生労働省は11日、厚労相の諮問機関・労働政策審議会(労政審)を開き、省令などの改正作業に着手した。
改正派遣法は派遣期間の制限を一律3年とするが、労働組合などの意見を聞いて人を入れ替えれば、派遣労働者を使い続けることが可能。労働者の雇用安定措置を盛り込み、派遣事業を許可制に一本化する。
年金情報の流出問題の影響で審議が遅れ、成立は政府・与党の想定より大幅にずれ込んだ。違法派遣があった場合に受け入れ企業に直接雇用を求める「労働契約申し込みみなし制度」の施行(10月1日)前の成立を図ったことで、周知期間が短くなった。
厚労省は、法改正で約40項目の省令や指針の改正が必要と見込んでいたが、参院での条文修正や39項目の付帯決議が可決されたため、さらに増える可能性もある。過去の改正に伴う労政審の審議回数は通常3〜4回。パブリックコメントも求められ、窮屈な日程となる。【阿部亮介】