サムスン電子、第3世代「V NAND」量産…世界初

サムスン電子、第3世代「V NAND」量産…世界初

2015年08月12日11時33分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  サムスン電子が世界で初めて第3世代256ギガビット(Gb)「V NAND」量産に成功した。拡大するNAND型フラッシュメモリー市場で技術格差を広げ、独走体制を固める戦略だ。V NANDはデータを保存する「セル(cell)」を3次元垂直構造に重ねたNAND型フラッシュメモリーで、世界でサムスン電子だけが量産している。

  サムスン電子によると、第3世代V NANDはセルを従来の第2世代128G(32段)に比べ1.5倍多い48段まで重ねることができる。大きさは従来の製品と同じだが、段数が増えるほどセルをより多く重ねることができるため、保存容量を256Gbまで増やすことができる。このため第3世代V NANDはチップ1枚でスマートフォンに搭載する32ギガバイト(GB、1GB=8Gb)容量のメモリーカードを作ることができる。サムスン電子は2013年8月に初めてV NAND(24段)を量産した後、毎年1世代ずつ発展したV NANDを出している。

  特に第3世代V NANDは第2世代に比べてデータをより迅速に保存でき、消費電力量を30%以上も減らした。また、従来の量産設備を活用し、製品生産性も約40%高めた。それだけコスト競争力が高まったということだ。

  NAND型フラッシュメモリーは最近、超高画質(UHD)コンテンツの増加にともなう保存装置の高容量化、ハードディスクドライブ(HDD)に代わるソリッドステートドライブ(SSD)の需要増加などでサーバーおよびモバイル用の需要が急増している。サムスン電子が世界NAND型フラッシュメモリー市場の37%ほどを占める状況で、第3世代V NANDの開発はサムスン電子の市場支配力をさらに強めると予想される。

  サムスン電子にとってV NANDは格別な製品だ。これまでサムスン電子は他社が先に開発した技術を他社より速く発展させて成長したという評価を受けてきた。しかしV NANDはサムスン電子が世界で初めて開発した独自の技術だ。サムスン電子が「ファーストフォロワー」から「ファーストムーバー」に変わる象徴性を持つ。

  サムスン電子はV NANDの競争力をさらに強化し、後発企業の追撃をかわす計画だ。いわゆる「超格差」戦略だ。まず来年の量産を目標に64段に重ねた第4世代の製品を準備中だ。NAND型フラッシュメモリー全体のうちV NANDの生産比率もさらに高める計画だ。垂直構造でない平面構造製作方式を選択している競合他社はまだV NANDを開発していない。サムスン電子の関係者は「急速に成長する企業およびデータセンター市場を狙ってV NAND技術を適用した次世代SSDラインナップも出す予定」と述べた。
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