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 福島県川俣町や楢葉町などでは11日、大雨の影響で東京電力福島第一原発事故に伴う除染で出た放射性廃棄物などの仮置き場7カ所で冠水するなどした。

 このほか全村避難が続く同県飯舘村では、除染で刈った草などを詰めた「フレコンバッグ」と呼ばれるポリエチレン製の黒い袋(1立方メートル)が少なくとも82袋、除染現場から川に流れた。このうち45袋は回収できていないという。

 飯舘村では宅地周りの除染がほぼ終わり、農地除染が始まったばかり。村内のあちこちに黒い袋が山積みになっている。

 環境省福島環境再生事務所によると、11日午前6時ごろに「流されている」と村職員から連絡があり、午後6時時点で37袋を回収した。45袋は橋の欄干に引っかかるなどしたままだという。村ではこれから袋に詰める汚染土や作業用の重機も水浸しになった。

 環境省は「今のところ袋の中身が外に出ていることは確認されていない」とし、環境への影響はないとしている。しかし、この日朝、川に浮かんだ袋を目撃した村出身の女性(48)は「汚染物が流出していないか気がかりだ」という。村を見回っていた村議の1人も「放射線量を細かく調べ、除染し直すかどうか検討する必要がある」と話す。