Updated: Tokyo  2015/09/11 17:19  |  New York  2015/09/11 04:19  |  London  2015/09/11 09:19
 

新潟県知事が原子力規制委員長と会談-放射能拡散予測の活用など要望

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  (ブルームバーグ):新潟県の泉田裕彦知事は24日、原子力規制委員会の田中俊一委員長と都内で会い、放射能拡散の予測システムの活用など原子力発電所の防災対策の改善を求めた。

泉田氏は24日の会談で、緊急時に気象条件などを基に放射能がどう拡散するかを予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を、原発周辺の自治体が避難計画策定時に利用できるようにすることなどを柱とした安全対策を要望した。

会談で泉田氏は事故後の放射能の実測値を基にした対応では、ヨウ素剤の配布や避難指示が被ばくした後になる可能性を指摘し、「住民理解を得るのが困難」と田中氏に伝えた。海外の原発を保有する国々では予測の数値が用いられていることを踏まえ、日本でも「SPEEDIなど何らかの予測を活用する仕組みを構築して欲しい」と要請した。

規制委は14年10月、SPEEDIの予測の不確かさを排除することはできず、反対に被ばくのリスクを高めかねないという理由から、同システムを採用しない判断を下していた。会談でも田中氏は活用に否定的な立場を示した。「本当に必要と知事が判断されるのであれば、事前にヨウ素剤を配ることも含めて取り組んでいただきたい」と述べ、自治体が必要な対策がとれるよう資金措置などを検討する考えを示した。

泉田氏は会談後記者団に対し、東京電力 の柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)について、福島第一原発事故の検証や総括が必要だとし、「再稼働を議論する段階にない」と従来の立場を繰り返した。「どこに体制のミスがあったかの総括や社内処分も行われていない」と指摘した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 占部絵美 eurabe@bloomberg.net;東京 Stephen Stapczynski sstapczynsk1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:岡田雄至 yokada6@bloomberg.net 中川寛之

更新日時: 2015/08/24 15:39 JST

 
 
 
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