【巨人】阿部、虎撃ちの2戦連発 逆転Vへ「諦めちゃいけない」

2015年9月11日6時0分  スポーツ報知
  • 6回無死一塁、阿部が右越え2ランを放つ
  • 阿部をグータッチで迎える原監督(右)

 ◆阪神4―5巨人(10日・甲子園)

 巨人が首位・阪神に正念場で競り勝ち、再び2ゲーム差に迫った。負けか引き分けで自力優勝が消滅する一戦。2回、敵失が絡んで2点を先制すると、6回には阿部が2試合連続となる15号2ラン。8回は坂本が11号ソロを放った。ポレダは7回途中3失点で8勝目。沢村が2夜連続の2イニング無失点の力投で、29セーブ目を挙げた。

 何かを破壊したような、すさまじい打球音だった。阿部のライナーは、2秒で右翼ポール際へ消えた。「完璧に打つことができた。前の2球はお手上げの所に決められてしまったが、割り切っていった結果、うまく反応できた。『次の1点』という場面で、打ててよかった」

 勝たなければ自力Vの可能性が消滅する一戦。2点リードの6回無死一塁、一発は飛び出た。相手はメッセンジャー。2ボールから2球連続で外角ギリギリに決められ、カウント2―2。5球目、144キロは高めの外し球だったが、強振した。大事な勝負で2戦連続の15号2ラン。原監督は「非常に4番らしい。試合全体の空気を変えるというか、昨日も今日も、チームを前に進めるいい本塁打だった」と絶賛した。

 前夜は7回に一時勝ち越しとなる2ランをたたき込み、激走しての二塁打と奮闘したが、延長11回の末に競り負けた。3ゲーム差に広げられ、4連覇に暗雲が垂れ込める痛恨の敗戦。だが、気持ちは切れなかった。「終わったことを振り返っても意味がない。ああだ、こうだ迷ってもしょうがない。打てる球をどんどん打ちにいく」。宣言通り、なりふり構わず豪快に追加点を奪った。

 足でも気迫を見せた。二塁走者だった2回無死一、二塁。アンダーソンの打球は、左翼線へポトリと落ちた。左つま先に死球を受けての出塁だったが、マートンの打球処理がもたついた瞬間、一気に本塁を狙った。「行けると思った。(三塁コーチの)川相さんとぶつかりそうになったけどね」。激走もスライディングも、前夜の再現となった。

 逆転優勝へ「全てが決まる」と位置づけた敵地での阪神戦。グラウンド外でも、戦闘モードに入った。宿泊先では、主力やベテラン勢に振り分けられる15畳ほどの豪華な和室を返上し、半分ほどの広さの洋室へ自ら“格下げ”を申し出た。「ベッドより和室のほうが腰とか体は楽なんだけど、広くない方が落ち着くんだよ」。追う立場として初心に戻り、いつもより狭い部屋の中で藤浪、メッセンジャーの攻略へイメージを膨らませ続けた。それが大一番で生きた。

 阿部と村田が打点を挙げた試合は、無傷の9連勝。優勝争いに首の皮一枚、踏みとどまった。原監督が「我々は追いかける立場。ファイティングポーズを取って立ち向かう」と言えば、阿部も「(優勝が)ゼロじゃない限り、チャンスはある。諦めちゃいけない」と応えた。ネバーギブアップの戦いは、まだまだ終わらせない。(尾形 圭亮)

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