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いい天気。
ドイツに見習え?
朝日新聞はすぐにドイツに見習え、という。反原発で。実は、安倍首相は集団安保でそれをしている。ドイツは日本と同じ敗戦国。が、とっくにPKOに参加、イラクに軍隊を派遣した。ドイツは日本の一歩先をゆく。ドイツはNATOという集団安全保障にも加わる。安倍首相はこの点で、ドイツに遅れをとっている。ドイツは敗戦国にとって、集団安全保障の模範ではないにしても、それに加わった前例である。
「実質賃金があがらないことだけでアベノミクスが失敗」というのは間違い。
そもそも、アベノミクスとは何か? 「超円高で企業が苦しむ。日本のシステムは世界から乖離している。法人税が高くて、企業と人材が外国に流出する。日本は空洞化する。」 経済団体がそんな悲鳴をあげて、国に泣きついた。アベノミクスとは、それら日本の経済制度の問題を解決するために行われた一連のグローバル化改革である。
超円高、高い法人税率の日本は、世界経済であまりに不利。改革して、世界標準に合わせよう。そういう経済界の要請で始まった。そのアベノミクス改革とは、日本経済構造のリフォーム。その要点は2つ、円高是正(インフレ政策、量的緩和)と税制改革(消費増税と法人減税)だった。
二年前に始まり、その間大きな不況に陥ることもなク、これまできた。改革がほぼ終った現在、消費増税が重くのしかかってはいるが、経済界からの不満もなく、大方成功と判断してよい。改革の苦痛は小さくてすんだ。
アベノミクスの目標は、人と企業が流出する日本の空洞化を止めること。そんな経済活動のしにくい2013年の日本を変革することだった。それは成功した。実感として、現在、日本を捨て、中国や海外に進出して生き残ろうという企業の話が話題にならなくなった。日本は、空洞化の危機を脱した。企業や工場が海外から誘致されるほどではないが、だいぶ状況はよくなった。経団連も安倍首相に苦情を言わない。
当初の目標は達成した。それは新自由主義の時代に合わせるべく日本の経済制度を改革することが最大の目標だったからだ。もはや日本は特殊な国ではない。欧米標準の経済システムに近い。
景気でアベノミクスを評価しよう、というのはどちらかといえば、副次的である。実質賃金、インフレ率、格差で、アベノミクスを分析する人たちがいる。それら経済指標は、毎月ごとに変動するが、それが悪ければ失敗と騒ぎ立てるのは、どうも部分論にすぎる。
一部経済学者は、実質賃金が下がるとすぐにアベノミクスは失敗という。5-6月は上がったから沈黙していたが、下がった7-8月は激しく言う。経済団体に賃金をあげるよう安倍首相は要請したのに、企業はさほど賃金をあげなかった。確かに実質賃金が下がると、景気はよくならない。しかし、円高是正は成功しているわけで、これでもってアベノミクスの全てを失敗と決めつけるのは、正しくはない。
これはアベノミクスに原因があるというよりも、機械化のほうが理由ではないだろうか。ロボットに仕事を奪われる、というあれだ。もしくは社会保障の負担が大きすぎるのであり、その改革が遅れているからだろう。経済学者はそんな月ごとの統計に一喜一憂する浅い見解からは距離を置かなくてはいけない。
格差の問題も同じだ。一部指標をとって、それが広がったから、アベノミクスは失敗と言うのはあたらない。日本は上層も高額所得ではなく、中流並なので、広がっても広がらなくてもたいした格差は生じてない。多少広がったとしても、たいしたことはない。失業率を下げて、何十万人の最貧困層が職を得た。格差問題の焦点、最下層がやや持ち直したことは喜ぶべきことだ。が、それは統計に現れない。アベノミクスには功罪があり、全体的には経済を持ち直した。が、罪のほうばかり主張するのは、格差が拡大したと声高に叫ぶのは、反自民の人々に多いから、経済学的に冷静な議論が望まれる。
インフレターゲットという政策目標を立てたのに、デフレを克服できてない。これはアベノミクスの当初の目的(デフレ解消)における失敗である。この点をもって、アベノミクスはいまだ成功していない、というのならば、政治的には話が通る。しかし、なぜか経済学者はここは問題視しない。それは円安と株高の経済効果は大きかったからだ。景気は、あの倒産する企業が次々生じるような2012か2013年の状況からはよくなったとはいえるためだ。
それら経済指標は、一面を表す。これら一面をとりあげて、何かにつけてアベノミクスまで失敗したと言うのは、政治扇動のようにみえる。どうも重箱の隅をつつくように、何かと問題があれば、「失敗、失敗」と言い立てるのは部分しか見てなく、全体が見えていない。
経済学者は景気をよくすることが、アベノミクスの成否を分けると考えていることがみえてくる。が、アベノミクスは経済システムの改革なのである。新自由主義に日本のシステムを適合させたのである。もはや変革は大きくは終っており、それは大過なかったわけで、大方成功といえる。残るは調整なのである。
部分をみて、全体を評価しよう、というのは、頂けない。そんなに細かく判断したいならば、アベノミクスを3時期に分けて評価したらよいだろう。アベノミクスは一次、二次、三次と。
第一次は、インフレ・ターゲットの時期。その量的緩和は大成功だった。日銀とデフレ論者の経済学者の抵抗を押し切り、よくインフレ政策を可能にした。だが、表向きの理由「デフレの克服」はインフレになってないから、いまだインフレは成功してない。しかし、これは悲しむべき失敗ではない。円安、株高という二大面では大成功である。
第二次は、消費増税以後である。景気後退をして、今なお景気は回復していない。こちらは悪化ほどはしてないから、やや低調とみる。消費増税のみは失敗と大げさに言うのもいる。が、社会保障費の増大のために避けられないものとされる。
現在は、消費増税によって景気回復が遅れているから、やや経済運営が失敗と言うべきである。アベノミクスの失敗ではない。すぐになんとかの一つ覚えのように「アベノミクスの失敗」というのは、正確さに欠ける議論である。もっと、何が悪かったかを特定した議論をしなくてはいけない。専門家たるものは。
アベノミクスは、最初は景気よく始まったが、失業率を改善した後、二番目の増税で痛みを伴った、というべきだろう。現在の不景気は、賃金が上昇しなかったからではなく、第三次局面に備えてのことだと私は思っている。
安倍内閣の第三次改革は、経済ではなく、安保である。経済面のそれは大きなものは打ち出せていない。画期的な展開を望むならば、TPPだろう。だが、それは1-2年でまとまるとは思えない。
私は、安倍内閣第四次の課題として、大震災の対策がある、と予測している。2015年12月にそれは襲う。現在の不景気は、大地震前の買い控え、と私は思っている。12月に大地震が東北・東京を襲うのに、それら地域で不動産や高級品は買えない。今は貯蓄して、地震が終ってから、家を作るなど、お金を使うという計画ではないか。この予想は、地震が発生するかどうかなのだが。
すぐに「アベノミクスの失敗」というの癖がある人物は信用できない。それなら、指標さえよくなれば、すぐさま「アベノミクスの成功」と言わなくてはいけないだろう。そちらも言わなければ、不公正である。だが、この手の学者はけっして「成功」とは言わない。この手の短期予測の経済論者の話は、どうも民主党や左派系の扇動にすぎる。あまりあてにならない。それだけは確かである。
本日の被害
トマトの大苗が突然、しおれだした。枝がおられたようだ。もしくは薬剤が一つの枝に注入されたか。また目がしょぼつく。下剤は睡眠中に少々飲まされているようだ。それでお腹が少し刺激される。