2015年09月11日

科研費新規採択数から見る国内の研究分野別有力大学・研究機関各国内大学・研究機関におけるアクティビティの高い研究分野に続いて、科研費可視化第3弾ということで、今回は科研費全体の各研究分野への配分を見てみたい。これを見ることで今の日本がどの研究分野に重点的に投資しているかが見えてくる。

科研費配分結果


次のツリーマップは平成26年度科研費配分結果を表示したものである。面積が配分額の大きさを示しており、科研費が多く配分されている分野ほど大きく表示されている。現時点において最も科研費が投じられているのは医歯薬学であり、2位の工学と3位の数物系科学をあわせたよりも多い。高齢社会の中にあって医学の進歩は日本の生命線ということだろう。一方で意外にも情報学は人文学よりも少なく、下から数えたほうが早いぐらいだ。必要な機材がコンピュータ程度で済むのならば、安いということだろう。



研究分野別配分額


次のグラフは研究分野毎の配分額(直接経費)を示したものだ(単位はM円=百万円)。青い丸は採択率を表している。同じ分野の中でも科目により大きな差がある事が分かる。内科系臨床医学、基礎医学、外科系臨床医学、物理学、生物科学あたりが突出している。一方で採択率を見ると数学、文学、哲学といったプリミティブな学問領域が6割を超えており、比較的高くなっている。多額の資金がなくても頭脳さえあれば最低限の研究はできる分野なので科研費申請の競争力が比較的低くなっているのだろうか。



研究分野別1課題あたり平均配分額


次のグラフは1課題あたりの平均配分額(直接経費)を示したものだ。1課題あたりの平均はおよそ100万円から500万円程度に分布している。ただあくまでも平均なので超大型プロジェクトなどがあれば平均を押し上げる結果になる。重厚な実験設備が必要な分野などはそうなりがちだ。一方で総額では上位に位置していた内科系臨床医学や外科系臨床医学は200万円以下と少額になっている。多くの課題に対して幅広く配分されているのだろう。




lunarmodule7 at 07:50│Comments(0)TrackBack(0)││科学 | 視覚化

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