自分がそう思ってるだけかもしれないけど、
今の時代、100万円の札束を生で見る機会ってそんなにないよね。
自宅に金庫でも設置して現金保管してる人ならともかく、
給与振込も高額の買物もだいたいは振り込みやカード決済で済ませる。
ボーナス100万円あったとしても、100万円の出金があっても、
100万円の貯金があっても、100万円、つまり1万円札100枚の現物って
なかなか見る機会がない。見たら、「おぉっ!」って思うし、それを
バッグに入れて持ち歩かなければならなくなったときの緊張感は
かなりのものだけど、カード明細や通帳の上で100万円という金額が
入出金されても、ただの数字の羅列でしかなく、そこまでの重みはない。
税金だって、会社勤めだと毎月の給料から天引きだけど、ただの明細上の数字の羅列だ。
残業頑張ったり、ボーナスがでかかったりしても、ただの数字の羅列。
15年ほど前、会社を辞めて、自分で確定申告して税金を払うようになると、
税金は毎月の分割でなく、まとて支払うことになる。
住民税は分割の支払いも可能だけど、まとめての支払いも可能だ。
まとめてだと結構な金額になる。
100万円を余裕で超える。
その金額を銀行の窓口で振り込む。
100万円。やはり振込用紙や通帳に記入される数字の羅列。
100万円という金額を支払っているのに、あまりに軽い。
受け取る方も支払う方も完全に流れ作業とただの確認でしかない。
で、面倒臭いけど、一度やってみた。
ATMで100万円下ろす。
100万円を手渡す。
その重み。それを自分で感じつつ、渡す相手にも感じてもらいつつ。
まあ、受け取る方はただの受付けの人でなんとも思ってないかもだけど。
とにかく、お金というものをただの数字の羅列のままで済ませず、
きちんとその重みを物理的にも心理的にも実感したくてやってみた。
それが、5年前。
100万円と書いたけど、本当にきっちり100万円ではなく、
だいたいそのくらいの金額ってことで。
これは別に税金にかぎったことではないけれど、ローンではないある程度の
高額の買物をするときって、振り込みやカードで済ませるのではなく、
あえで現金で支払うと、きちんと相手もそのお金の重みを受け取ってはくれまいか。
売る側も自分はこれだけのものを売ってるんだという自覚をもって気を引き締めてくれないか。
時代遅れかもしれないし、そもそも自分が会社員だった時代だって、
給与は銀行振込で給料袋には明細の紙切れ一枚しか入ってなかったけど、
現金の重みって意外と大切なんじゃないかって思ったんだけど、
これって、古い考え方なのかな。
給与は銀行振込で給料袋には明細の紙切れ一枚しか入ってなかったけど、 今は給料袋そのものがないぞ。 毎月の給与明細はPDFファイルがメールで送られてくる。 重さ0の電子データだ...