女子中高生が考案した“女子から目線”の携帯トイレキットが話題を呼んでいる。東日本大震災の被災地でのボランティア研修をきっかけに、吸水シートや防臭袋のメーカーの協力も得てキットを試作。メーカーが生徒のアイデアを取り入れた、学校や大型施設向けの非常用トイレセットを製品化するなど、防災グッズの分野に新たな広がりを生んでいる。(服部素子)
キットを考案したのは、東京都世田谷区にある中高一貫の女子校、目黒星美学園中学高等学校(脇村ユキヱ校長、530人)の中高生。「1回15えん! 女子から目線の簡易トイレ」と描かれた試供品のパッケージの中には、(1)1回分の吸水シート(2)防臭袋(3)ゴミ袋(4)使い方ガイド−がセットされている。既製品を組み合わせたもので、生徒たちがインターネットなどで一番安い商品を探すなどして大量購入。パッケージ作業などの生徒たちの「人件費」は入っていないので15円は純粋な原価だ。
自分たちが被災し、学校で過ごすことになったとき、まず必要になるのは何か−。多くの生徒の頭に浮かんだのは「安全で安心できるトイレ」だった。そして目指したのは、若い女性らしく、「臭いなど女子が恥ずかしいと感じず」「安心・安全に処理できる」「安価な」携帯トイレ。1個15円の価格設定で試供品を作り上げた。
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