今日CNBCでアッパルーサ・マネージメントのデビッド・テッパーがインタビューされました。

デビッド・テッパーは豪胆な相場を張ることで有名です。またテレビで「Balls to the wall bullish!(エンジン全開の買いだ!)」と吼えたことが過去にあります。その忌憚のない語り草にファンも多いです。

そのデビット・テッパーがCNBCで語ったとこは、次のようなコトです:

現在の米国市場は株価収益率(PER)で18倍で取引されている。いま収益の伸びが低いのだから、このPERはちょっと高い。

中国経済の減速に伴い、世界のあらゆる新興国の通貨が下落し、その結果、外貨準備がどんどん減っている。これは世界のボラティリティーを押し上げる結果を生んでいる。ひょっとすると外貨準備の減少は、今後、かなり大きくなるかもしれない。

昔、オペレーション・ツイストというのをやった時、投資家は長期債にシフトした。これが今後は逆流すると覚悟した方が良い。

国際間の資本移動の問題は、お金が流入する際はゆっくりとしたペースだけれど、資金引き揚げはあっと言う間に起こる点だ。

中国人民元は割高になっている。

現状では連邦準備制度理事会による政策金利の引き上げは、余りマーケットに影響を与えないと思う。

米国株は他国の市場よりマシだろう。現在の為替水準は米国企業のマージン圧迫要因である。マーケットは、リスクにてらして、ちょうど良いバリュエーションの落ち着き処を模索している最中だ。全般的に株式を巡る環境は悪い。

2016年の米国企業収益予想は高すぎる。今後、アナリストのEPS予想のカットが相次ぐと思う。

現在は米国株を空売りしていないが、フラフラと騰がったところでは、空売りしたいと思っている。

今はキャッシュを温存するのが得策だ。

世界経済に占める新興国の寄与度が高くなった以上、新興国の不景気には注意を払うべきだ。

これからは個別株一本釣りの腕前が問われる市場環境になる。

キャッシュ比率を引き上げ、間違っても信用取引やレバレッジを使ったトレードをしてはならない。

現在の株式市場には「安全の糊代」は無い。

相場には「今が稼ぎ時」という瞬間がある。また相場には「今はいかに損を最少に食い止めるか」を考えるときがある。今は後者だ。

もしFRBが今回の市場混乱に対し正しい処方をすれば、その時はもっと積極的にリスクを取るべき時が来るかもしれない。

アップルはハードウェアの会社なので、いつもPERが低いし、これからも低いままだろう。現在のバリュエーションは安いと思うが、中国向けビジネスの懸念がある。

アリババは全部売り切った。

新興国と関わり合いのある企業の株は、もっと下がってから買いたい。

投信のキャッシュ・ポジションはまだまだ引上げ方が足らない。

それらのことが今後起きれば、買い出動したい。