風邪のウイルスを使った実験から、睡眠不足で風邪を引きやすくなると確認された。
あえて風邪のウイルスを鼻に
米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校の精神科の准教授が、カーネギー・メロン大学のシェルダン・コーエン教授の協力を得て行った研究で、眠りに関する専門誌スリープ誌オンライン版で報告しているもの。カーネギー・メロン大が8月に紹介している。
対象としているのは成人164人。2カ月間、人間ドック、インタビューおよびアンケートを行い、ストレスのほか、性格、飲酒や喫煙などについての情報を集めた。
その上で、参加者の睡眠パターンを7日間、腕時計型のセンサーを使って追跡し、夜の間の睡眠時間と睡眠の質を測定した。
さらに、研究グループは参加者をホテルに隔離して、点鼻薬であえて風邪のウイルスを投与。1週間、状況を見ている。毎日、粘膜のサンプルによって、ウイルスが定着したか確認した。
寝るのが一番
1日の睡眠が6時間未満の人は、7時間以上の睡眠を取っている人に比べて、4.2倍風邪にかかりやすく、5時間未満の睡眠だと4.5倍もかかりやすいと分かった。
逆に言えば、7時間以上寝れば、風邪のかかりやすさは4分の1というわけだ。
睡眠は、測定したすべての要因の中で、最も大きな影響があるという結果になっている。
「年齢、ストレスのレベル、人種、教育、収入はどれも関係なかった。喫煙者かどうかも関係なかった。全てを考慮に入れた上で、十分な睡眠が最も重要という結果になった。風邪のウイルスへの感染しやすさを圧倒的に強力に予測した」と、研究グループも驚く。
よく寝るのが大切だろう。
文献情報
NEW RESEARCH CONFIRMS LACK OF SLEEP CONNECTED TO GETTING SICK