福島原発:「海側遮水壁」工事再開 10月下旬ごろ完成へ

毎日新聞 2015年09月10日 20時12分

 東京電力は10日、福島第1原発の護岸に鋼管を打ち込んで汚染地下水が海に流れ出すのを防ぐ「海側遮水壁」について、未完成だった部分の工事を再開した。10月下旬ごろに完成する見通し。

 海側遮水壁は全長780メートル、地中深さ30メートル。建設は2012年から始まったが、遮水壁で地下水の流れを完全にせき止めると敷地内の地下水位が上昇し、汚染水がさらに増える恐れがあったため、10メートルを残して中断していた。建屋周辺の井戸(サブドレン)から地下水をくみ上げ、浄化後に海へ放出する「サブドレン計画」の実施の見通しが立ったため、東電は遮水壁を完成させても地下水位を調整できると判断した。

 今後の工事では9本の鋼管を打ち込み、隙間(すきま)を止水材などで塞いで壁を完成させる。【斎藤有香】

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