「トップダウン・アプローチ」と「ボトムアップ・アプローチ」
株式投資戦略には、大きく分けて2つの考え方がある。「トップダウン・アプローチ」と「ボトムアップ・アプローチ」である。
「トップダウン」とは、マクロ経済動向から、どのセクターが今後、経済を牽引しそうな有望セクターかを予想し、その有望なセクターに関連する銘柄を選別していく手法である。
例えば、今後、外国人観光客数の増加によるインバウンド消費が景気を牽引すると考えるのであれば、小売業界、中でも百貨店の収益増が期待でき、百貨店の株式を購入すれば、儲けられるのではないかと考える方法である。
一方、「ボトムアップ・アプローチ」とは、個別企業の業績を分析し、当該企業の経営者の経営戦略等を評価することによって、将来の売上増・利益増が見込める企業を選別する方法である。
例えば、主要国の人口減によって労働力不足が懸念される中、人間に代わって様々な労働を代替できるロボットの需要が拡大していくと予想するならば、ロボット製造に欠かせない技術を独占的に有する企業を発掘し、それに投資すればよい。経営者が、ロボットの投資やその研究開発に積極的なスタンスであることをインタビュー等で確認できればなおよい。
どちらの方法も、大手の機関投資家などでも実際に行われているが、実はこれらの手法で一定の期間、他社(者)よりもよい投資成績を上げるのは極めて困難である。
「トップダウン・アプローチ」でいえば、分析のための統計データは誰でも入手可能であり、ありきたりのシナリオはたちどころに陳腐化し、株価にあっという間に織り込まれてしまう。
また、各種データに元づく「現状認識」にとどまっていては、将来を予測することはできない。むしろ、現状認識で自己満足して、現状認識の延長で将来を考えるとほぼ「確実に」失敗する。正確な予測のためのコストは決して小さくはないし、コストをかけたとしても、予測手法自体が学問的に確立されておらず、成功の保証はどこにもない。
「ボトムアップ・アプローチ」も同様である。例えば、あるカリスマ経営者の経営手法が優れていることを、メディアを通じて知ったところで株式投資にはあまり意味がない。多様な情報ツールが発達した現在、それらの情報は、メディア等で取り上げられた段階で、あっという間に株価に織り込まれてしまう。
よって、「経営戦略」という数値化が難しいものを他に先んじて評価しなければ株式投資で儲けることは難しい。また、仮に優れた技術を有する企業を他に先んじて発見したとしても、それがその企業の業績に反映され、株価が上昇するまでの期間は不透明であり、むしろ株価に全く反映されないまま時間ばかりが経過していくことの方が多い。
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