原稿用紙の使い方

原稿用紙の使い方:おさらい

①慶應SFC小論文は横書きですよね?②そして、資料から引用する際の資料番号は、例えば[資料12]でしたら、1マスに[12]と書くべきなのでしょうか。それとも[1][2]と書くべきなのでしょうか?
というご質問をTwitterでいただいたのでご回答いたします。

結論は、①横書きです。いまのところは。②ひとますに12と書いて問題ないです。それをふたますで書いても99%減点はされないと思います。

原稿用紙の使い方:オススメ編

決定版ではないですが、目安としてのルールを記載します。
 ・原則ひとます1文字
 ・英数字はひとます2文字
 ・段落のはじめのひとますあけは気にしなくともよい。
 ・行頭に「、」「。」「」」などの記号を書かない。
 ・ぶら下がり処理(つまり欄外に、句読点や閉じ括弧を書く)は原則さけた方がよい。
これぐらい守っていれば十分です。ぶら下がり処理がダメなのは、通常「枠の中に答案を書いてね」と指定されるため、枠の外に答案を書くと設問のルールに反するからです。原稿の組版の時は、ぶら下がりの方が好まれますけれどもね。

強調したいのは、「こんなルールで減点なんかされない」ということです。くだらないことで悩むより、小論文の中身を鍛える方が先決です。

編集の視点から

某雑誌にちらりと文章を書かせていただいた時に、私が体験した話でおもしろい話をひとつ。原稿用紙を使って、原稿を書いた時の話です。「(3)」を書く時に、私は「(」「3」「)」と書いたんですよね。それが「⑶」になって帰ってきました。理由は簡単で「⑶」というフォントがあるので、ひとますで表せるから。これって昔の「(」と「3」と「)」を組み合わせて組版を作っていた時代(私が生まれる前だ 笑)には考えられないルールなんですよね。けれども、それが編集のルールとして当たり前に定着している。フォント=組版と考えて、それが原稿用紙に対応すると考えると、原稿用紙の書き方は各時代の組版によって変わってくるんですよね。そういったものを気にしすぎてもしかたがないです。

「コンピューター」「コンピュータ」の表記の違いも、JISやマイクロソフトの表記ルールなどが引用されますけれども、結局「慣用表記」であればどちらもOKなんですよね。昔、印刷を組版でしていた時代に、コスト削減のために最後の長音を削ったなんていう嘘か誠か分からない話もありますしね。それをいちいち気にしていたらきりがないです。
JIS規格において原語(英語)の語尾の長音符号を省く場合の原則
a) 3音以上の場合には、語尾に長音符号を付けない。(例:「エレベーター(Elevator)」は「エレベータ」とする)
b) 2音以下の場合には、語尾に長音符号を付ける。 (例:「カー(Car)」や「カバー(Cover)」は「カー」や「カバー」とする)
複合語は、それぞれの成分語について a)、b) を適用する。(例:「モーターカー(Motor car)」は「モータカー」とする)
長音符号で書き表す音、はねる音、つまる音は1音とし、拗音は1音としない。(例:「テーパ」(Taper)、「ダンパ」(Damper)、「ニッパ」(Nipper)、「シャワー」(Shower)とする)
Wikipediaからの引用
これ、まもるのあほらしいですよね。しかも、学校で教えている原稿用紙慣用とJIS規格のズレもありますので、考えるだけ無駄です。表記のゆれ(同じ小論文内で異なる言葉の使い方をする、つまり「コンピュータ」と「コンピューター」が同じ小論文内で混在してる)は、嫌だと思う人が多いので注意が必要。ただ、シミュレーションをシュミレーションと火がついたように怒る人がいますので、「シミュレーション」と書いた方がいいですよ。

#最後の手段は、迷ったら「ひとます一文字」が原則。それさえ守ればOK。ハゲにも似たような話を書いたんでご参照ください。

「Q:SFC小論文では改行をした方がよいのか」「A:読みやすいように適宜改行をいれてください」

Twitterでご質問いただいたのでご回答をこちらに書いておきます。
初歩の初歩の質問なのですが、小論文を書くにあたって、改行等はした方がいいのでしょうか?
SFCに限定して、ご質問にダイレクトにお答えすれば、

答案を読みやすくするために、改行等はした方がいい。但し、改行をしないことで減点になることは99%ないでしょう。

という感じです。端的にいえば、「読みやすくなると思ったら改行を入れるのがよい」でしょう

「読みやすさ」が「全て」です。

過去問でご説明します。問1 資料1から資料6を参考にして、君が日本をデザインとするとき、1)どのような日本を良い日本だと考えますか、 2)その根拠となる価値観はどのようなものですか、3)実現のためのプロセスと実現のために君自身ができることあるいはしたいこと、の三点を説明してください(1から3の内容を含んで800字以内、解答欄の枠内であれば、図を挿入してもかまいません。)
慶応義塾大学総合政策学部2011年小論文問1より抜粋このように文字数が多く、書くべき内容がしっかり分かれているような出題は、1段落ずつ計3段落で書いてあれば「読みやすい」ことは想像できますよね。だから、こういう問題は「改行したほうがよい問題」です。もちろん、指示語や図表を工夫することで、改行をしなくとも読みやすくすることもできます。だから、「必ず改行する必要がある」わけでもありません。

もう1問ぐらい見てみましょうか。
問題2 資料Bにも三つの部分、B-1・B-2・B−3があります。それらの資料に基づき、印刷した書物と電子テキストを比べて、電子テキストの長所と短所を300字以内でまとめなさい。
慶応義塾大学環境情報学部2012年小論文問2より抜粋
この問題は300文字と、文字数も短く「長所」と「短所」をまとめるだけ、というシンプルな問題です。こういう問題は読み手も、指示語がきちんと書かれていたり、句読点がしっかり打たれていたり、文章の終わりが意味の切れ目になっていたり、など他の工夫をすることで、「読みやすく」できるので、わざわざ「長所」と「短所」の間で改行をする必要はありません。もっとも、長所の終わりが、行のお尻から数えて5文字目ぐらいならば、読み手の読みやすさを考えて改行する、というのは有効な方法でしょう。逆に、長所の終わりが、行頭数文字なのに無理して改行して短所で書きたいことが書けなくなったりしたら本末転倒です。

「改行」は「読み手に対する思いやり」だと考えましょう。読みやすい文章の方が合格確率が高いのは確かですしね。

原稿用紙の書き方を守るか。

小学校の授業を思い出していただきたいんですが、会話文を書く場合は、”「”の前で改行。さらに会話の”」”で改行しますよね。このルールを厳密に守っていると、SFC小論文で「会話」を書こうと思ったら、行の後半に結構なブランクができてしまいますよね。それに、文字数もかなり使ってしまいますし。

けれども、2012年環境情報学部「生活用品のデザイン」のように、「体験」を尋ねられている場合、一般論を述べているのか、自分の体験を述べているのか分からない文章を書くよりは、ズバリ登場人物の会話を書いた方が「体験」であることが伝わりやすいですよね。原稿用紙のルールを守っていると、会話のキャッチボールが3つも続けば、行の後ろはスカスカになってしまいます。そういう場合は、原稿用紙のルールなんて無視しましょう。絶対に99%ないと思っていますが、仮に減点されても致命的な減点にはなり得ません。だって、まわりのみんなは「体験」か「体験でないのか」よく分からない文章を書いていることの方が多いのですから、あなたは原稿用紙のルールを破って「体験」を伝えた方が絶対にお得です。

原稿用紙のルール自体、時代とともに変化していますし、人によっても言うことが違いますし、「1マスに基本は1文字」を守っていれば大幅減点はありえませんよ。(英単語や数字なんかは、1マスに2文字書くこともあります。その方が読みやすいですしね。)

とにかく、「読み手が読みやすい文章」という観点で考えてみてください。それでは。

追伸 あまりにも悩むようであれば、文字数600文字以上なら「必ず改行を入れる」、質問されている項目の個数分改行を入れる、など自分の中で基準を作っておくのもよいかもしれません。どうせ減点なんかされませんが、「読みやすい文章」を機械的に作るためには、こういうルールで強制するのもいいと思います。

#そもそもSFCの先生って原稿用紙の使い方なんてそんなに詳しく知らないと思います。その状態であの短時間で「もれなく」確認するのは不可能なので、よほどひどいケースしか減点にはならないと思いますよ。文字数があまったから勝手に5行改行する、とかそんな場合以外は。