[東京 4日 ロイター] - 自民党の河野太郎衆院議員は4日、ロイターのインタビューに応じ、東芝(6502.T)の不正会計について、同社の決算発表が大幅に遅れていることを根拠に、東芝株を監理銘柄に指定するべきだと述べた。また、金融庁や公認会計士・監査審査会に対して、調査の徹底と説明責任を果たすよう求めたことを明らかにした。
河野議員は、2日に開かれた自民党の金融調査会・財務金融部会の合同会議で、東芝に対して厳しい処分を求めた議員の1人。
河野議員は「東証一部の上場企業の決算がこれだけ遅れるという話で、しかもインチキをしていたのがわかっていて、なぜ監理銘柄にならないのか」と疑問を呈した。
そのうえで「問題のある銘柄は、なるべく早めに周知する意味でも、監理銘柄に指定した方がいい」とした。
東証の上場廃止基準では、有価証券報告書を法定期限までに提出できなければ「監理銘柄」に指定され、期限到来から8営業日以内に提出できなければ上場廃止になる。
しかし、東芝の場合、期限の延長が関東財務局に2度にわたって承認されたため、監理銘柄には指定されていない。
期限の延長申請の承認にあたっては、延長が「やむを得ない理由」に当たるかどうかがポイントになるが、金融庁のガイドラインでは、会社側が過去分の有価証券報告書の虚偽記載の事実を公表していれば、やむを得ない理由として認められると規定されている。
河野議員は、金融庁と公認会計士・監査審査会の担当者を呼んで、東芝問題の徹底調査と説明責任を果たすことを求めた。
そこで東芝の退職給付債務の割引率が、2008年だけ同業他社に比べて高くなっている点を疑問視していると当局に伝えたという。会計処理上、退職給付債務の割引率を高く設定すると退職給付債務は小さくでき、その分、利益はかさ上げされる。
また河野議員は、東芝の不正会計の調査にあたった第三者委員会について、メンバーを東芝自身が選任したことで真相に切り込めなかったと指摘。「(東芝の第三者委員会は)第三者委員会でも何でもない。少なくとも、規制する側や真に第三者の『目』をきちんと入れた方がいいのではないか」と述べた。
(和田崇彦 編集:田巻一彦)
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