「天忠を下す」放火殺人容疑で静岡の70代男再逮捕
2015年9月9日14時53分 スポーツ報知
静岡県伊豆の国市の住宅に火を付けて、住人男性1人を殺害し他に3人を殺そうとしたとして、静岡県警は9日、現住建造物等放火と殺人などの疑いで、同市の無職・兼子満義容疑者(72)を再逮捕した。
再逮捕容疑は6月11日午後11時20分ごろ、同市の無職・河村尚子さん(72)方に放火、木造2階建て延べ約100平方メートルを全焼させ、河村さんの長男の無職・鈴木弘幸さん=当時(46)=を殺害し、河村さんら他の家族3人も殺害しようとした疑い。
県警によると、鈴木さんは4人暮らし。出火当時は2階にいて、逃げ遅れたとみられる。他の3人は外に逃げ、うち河村さんが喉に約3週間のやけどを負った。兼子容疑者は鈴木さんと同居する父親(75)の知人。2人の間にはトラブルがあったといい、県警は詳しい経緯を調べている。
兼子容疑者は隣人の男性宅に「天忠(天誅=てんちゅう)を下す」と記したメモを送り、倉庫に放火した容疑で8月に逮捕されていた。調べの中で今回の事件への関与をほのめかし、火災前後には現場近くで兼子容疑者の乗った車が目撃されていた。
現場は伊豆箱根鉄道韮山駅から東に約700メートルで、住宅や農地が点在する地域。兼子容疑者宅の近くに住む60代女性は「会えばあいさつをしてくれる感じの良い人。事件を起こすような人に見えなかった」と話した。