推薦人20人にあと1人だった…野田氏「力不足に尽きる」

2015年9月9日6時0分  スポーツ報知

 自民党総裁選への立候補を模索していた野田聖子前総務会長は8日、立候補の受け付け開始時間の午前8時に国会内で会見し「力及ばず。ただいま挑戦を断念しました」と戦わずして、“敗戦の弁”を述べた。

 立候補に必要な推薦人20人を集められなかったが、あえて笑顔を浮かべながら着席した野田氏は、「さまざまな意見に耳を傾ける自民党らしい自由闊達(かったつ)な議論ができる総裁選を実現したい思いを強くし、全身全霊で取り組んできた」と強調。「ギリギリまで精いっぱいの努力と声掛けをしたが、全て私の力不足に尽きる」と述べた。

 石破茂地方創生相が早々と出馬を回避し、首相再選が揺るぎない情勢の中、今月1日に立候補の意向を表明したが「(党所属議員に)十分にご理解いただける説得力がなかった」と振り返った。集められた推薦人の人数については「派閥もない中でゼロから始め奇跡的な数字をいただいたことは報告したい。(具体数は)私の心の中に一生とどめたい」と明言しなかった。

 政界引退後も影響力を持つ、古賀誠元幹事長の支援を受けた水面下での推薦人集め。野田氏陣営側によると、実は最終局面で、推薦人は「規定の20人にあと1人」まで迫ったという。だが、各議員への、首相サイドからの切り崩し工作のプレッシャーは相当強く、野田氏は周囲に「電話を取ってくれる議員が減った。ここまでだ」と“撤退宣言”をつぶやいた。8日未明のことだった。

 会見では、「心から応援してくれた夫、疲れて帰ってきた体をハグしてくれ、ガッツポーズを見せてくれた息子(長男・真輝君)にも感謝したい」と家族への言葉も口にした野田氏。約10分で終了した会見の最後は「力の限りを出し切った。久しぶりに自分に納得できる、そんな気分。悔いはないです」とむしろ晴れ晴れとした表情だった。

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