2015年09月05日

静岡ラーメン修行

/めん奏心@金谷(静岡県島田市)にて和えそば曲者(くせもの)、紅の辛そば(具なし)/僕家(ぼくんち)のらーめん おえかき@遠州岩水(静岡県浜松市浜北区)にてふわまるしょうゆらーめん/麺匠うえ田@熱海(静岡県熱海市)にて辛らーめん(メチャ辛)/しあわせ中華そば食堂にこり@湯河原にてつけそば/

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 一回分の青春18きっぷが残っているので、名古屋に行こうか、長野にするか、それとも千葉を回っておくかと計画を立て直して。
 小田急線下り始発に乗って小田原で乗り換えて東海道本線を西へ、途中、根府川だったか真鶴だったか覚えていないけど、ちょうど朝陽が昇ってきた。

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 熱海、島田で乗り換えて金谷で降ります。
 数えてはいないけど、何度もこの駅で降りたのですっかり慣れてしまい、それでも慣れが一番怖いからちゃんと道順を調べてからお店に向かいました。

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 金谷駅からジャスト徒歩20分でめん奏心@金谷(静岡県島田市)、開店30分前で待ち6人は、ほっとするほどの少なさ。
 開店時に後客4人でしたので開店待ちは都合15人、定刻に開店して店内に入ります。

 券売機にザザッと千円札を二枚飲み込ませ、秋の限定メニューとレギュラーメニューの食券を買います。
 店員さんに二枚の食券を渡すと、一ミリたりとも驚かずに「どちらからお出ししますか」と聞かれます。
 まぜそばから、と答えると、「二杯目は具なしにされますか?」と聞かれます。

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 願ったり叶ったりで「はい、お願いします」と答えると、「それでは200円返金します」と10枚くらい持っていた百円玉から二枚を渡されました。
 一体この店は何種類くらいの注文の仕方があるのだろうか、この辺りのやり取りからして普通のラーメン屋ではない。

 後客が続いていたので、一旦そのまま席に着き、途切れたタイミングで席を立ってビール550円の食券を買い足します。
 今日は島田市で一人お疲れ様会、やや小振りの材木メンマをツマミに、待ち時間をゆっくりと楽しみます。

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 一杯目は和えそば曲者(くせもの)880円、これが奏心流の混ぜそばなのか。
 一、二回混ぜて角切りチャーシュー、ミョウガ、大葉、メンマ、ネギ、刻み海苔を全体に馴染ませて頂きます。

 麺の絡みを防ぐ程度に最小限の醤油ダレを合わせてあり、自家製中細麺の美味しさが直に味わえます。
 一口目で感動、二口目で恍惚、三口目で失神、するほどの味わいで、こんなまぜそば食べたことがありません。

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 味変を楽しめるように用意された柚子胡椒、梅肉、こんなに美味しい柚子胡椒に出会ったことがない。
 どこからどうやってこの混ぜそばが考案され、こうして具現化したのだろうか、美味しすぎます。

 「追い飯を入れましょうか」と(カウンター台越しではなく)肩越しに声を掛けられ、食べ終わっていることに気が付きました。
 お店は店内待ちがあるほど混み合っていますが、丼を手にした女性店員さんは、誰にも任せることなく厨房内のジャーからご飯をよそり、さっと醤油ダレを掛けて運んできてくださいます。

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 殆どタレが残っていないので全体をよくかき混ぜて食べると、何ともご飯が美味しい。
 奏心さんがご飯に手を抜くとは思っていませんでしたが、抜くどころか力を入れてるじゃないですか。

 食べ終わって余韻に浸っていると、「いま、ラーメンをお作りしていますから」と下げ膳をしてくださいます。
 最高のテーブルウォッチはウォッチされていることに気が付かない。

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 二杯目は紅の辛そば820円(具なし200円減、つまり、かけ紅の辛そば620円)
 鮮やかな紅色のスープを味わってみると、私がいくら辛さに耐性があるからと言っても、ここまで辛さを旨さに感じられるものなのか。
 鰹節出汁を合わせた丸鷄スープが自家製辣油で化学変化を起こしているのか(そんなことはあり得ません)、具なしにしたことにより、よりスープの味が直接伝わってきます。

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 自家製の細麺が訳の分からないくらいスープに合っていて、一口目で感動、二口目で恍惚、三口目で失神、するほどの味わい、再び。
 全体に散らされたきざみ玉ねぎが心地いい食感、トッピングとして白髪ネギ、自家製食べる辣油、糸唐辛子、水菜。
 一滴も残すことができず、ご馳走様でした。

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 この店が自宅から遠く、年に一度くらいしか訪問できないことに、物凄く不公平を感じます。
 なぜ魅力的なお店は自宅から遠いのか、だからと言って下を向いたりしないし、負けたりしない。

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 金谷駅に戻り、東海道本線で浜松へ、浜松からは遠州鉄道で岩水寺駅へ。
 浜松に来ると二回に一回は遠鉄に乗りますが、浜北を越えるのは初めて、というか岩水寺駅は浜松市なんだ。

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 岩水寺駅は無人駅で、電車を降りると運転手さんが切符を回収に来ます。
 駅から歩いていて、グーグルマップの表示がおかしいことに途中で気が付きましたが、こうやってサギの撮影ができたからよしとするか。

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 遠州岩水寺駅から徒歩8分で僕家(ぼくんち)のらーめん おえかき@遠州岩水(静岡県浜松市浜北区)、あっぱれ屋@京都府城陽市で修業されて2014/5/26にオープンされました。
 土曜日ということもあるのか外待ち18人、未就学児から年金生活者まで幅広い客層です。

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 30分ほど待って店内へ、店内にも壁伝いに待ち席が用意されていて、メニューを渡されつつ25分待ちました。
 メニューは醤油と塩のみで、つけ麺とか油そばとかはなくて、とりあえずは限定メニューも無し。
 それなのにここまで繁盛しているのは、「浜松では一回転するのに3年掛かる」から、なんだと思います。

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 カウンター16席のみの店内、一人分だけ席が空いて次のお客さんが二人だったら、その後に一人客がいても先に案内しません。
 私の前のお客さんは三人組でしたので、カウンターのあちこちに一つ、二つと席が空いていました。
 店内待ちの間にオーダーを済ませ、25分ほど待って案内され、5分ほどで提供されました。

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 ふわまるしょうゆらーめん750円、卓上の調味料はレッドホットチリオイルとペッパーオイルのみ。
 口当たり滑らかに仕上げた豚骨魚介スープを提供の直前にハンドミキサーで泡立ててあり、まさにあっぱれ屋のスープ。

 スープのまろやかさを活かすかのような固め仕上げの自家製平打太麺、この辺りはラーメン食べ歩きが高じてお店をオープンさせた店主さんの経験が生かされているのでしょうか。
 大ぶりのチャーシューが二枚、噛み応えがかなり違いましたが、これは面白い試みだと感じました。

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 味玉と万能ネギは彩りとしてだけ必要、材木メンマには隠し包丁が入っていて、ザクッとした噛み応えに歯切れの良さに驚かされます。
 美味しい、美味しくない、で答えれば美味しく、あっぱれ屋浜松店なら合格ですが、おえかきとしてのラーメンにはまだ時間が掛かりそうに感じました。
 スルッと食べてしまってご馳走様でした。

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 その後、友達と連絡を取り合って、新浜松駅近くのドトールにて。
 初め、ここでのおしゃべりを2時間と見積もっていましたが、大幅に超過して4時間近く、話し込んでしまいました。
 これまで何度もおしゃべりをしたことがありましたが、今日のはこれまでとは全く趣が異なる状況ですので。
 次の予定が無ければ朝まで話していたんじゃないかな、そんなことは無いか。

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 浜松駅から乗り換えなしで熱海まで、お店は歩いても行けますけど車で迎えに来てもらって、麺匠うえ田@熱海(静岡県熱海市)へ。
 静岡でトッブクラスのラーメンプロデューサーである(でもないか)ラーメン好きの友達がラーメン屋さんを手伝っているとのことで、ご挨拶に伺いました。

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 近く、一新するメニューをネタにカンパイセット600円(生ビール500円+三種盛270円)をぐびっと空けて。
 適当に仕入れたのではなく都内の有名店から取り寄せているキムチ、誰も気にしない細かいところを、きっちりとフォローするのが彼らしいところです。
 店内はカウンター7席に2人席が1卓、4人席が4卓の25席。

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 遠距離恋愛でもないのになぜ毎月会っているのか分からないけど、
 まあ、人生は理由が説明できることばかりじゃないし、むしろ理由が説明できないことの方が多いし。
 でも説明できない理由を一生懸命説明するのも、嫌いではない。

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 ラーメンのメニューは大きく二種類で、うえ田らーめん、うえ田つけめん、煮干しラーメンの三本立て。
 ご飯ものはごはん、チャーシュー丼、キムチマヨチャーシュー丼。
 サイドメニューは餃子、キャベチャー、ネギチャー、おつまみとして枝豆や冷奴が用意されています。

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 さて、辛らーめん(メチャ辛)830円、辛さは4段階から選べるので一番辛くしてもらいました。
 こだわらないことにこだわっているラーメン、豚骨の清湯スープにモミジ、魚介のスープを合わせた、観光地であっても、観光地であるからこそ、あっさりした味わい。
 何気ないありふれたラーメンに思えますが、スキ無く綺麗にまとめあげてますねえ。

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 食べやすさ最優先の自家製麺の細麺、160g(つけ麺は200g)があっという間に食べ終わってしまいます。
 チャーシュー、メンマ、板海苔に続いて星形のなると、可愛いですね。
 スルッと食べてしまってご馳走様でした、次はつけ麺を食べに来たいなぁ。

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 食べ終わったら、相模湾沿いをかっ飛ばして湯河原へ、今日はもうラーメン四杯食べたから、、、とは言ってみましたが。
 しあわせ中華そば食堂にこり@湯河原、三ヶ月ほど前に飲みに来たような気がしますが、はっきりと覚えていません。
 土曜日の22時近くでしたが店内満席ですぐに座れないほどの盛況ぶり、湯河原の人はラーメンの美味しさを良く知っています。

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 メニューは中華そば、煮干そば、つけそば、ぴりりつけそば、そして背脂中華そばとなります。
 居酒屋利用も可能なほど飲み物、一品料理もそろっていて、半分ほどのお客さんは飲みに来て、絶品のラーメンで〆る、と。

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 程なくしてつけそば750円
 麺はラーメン丼にスノコを敷いて盛り付けてあり、お店の背景を知らなければ「なーんだ、田舎のラーメン屋だからつけ麺を知らないのか」みたいな人もいるかもですね(いないか)。

 今夜の縮れ平打太麺はこれまでの中で最高の出来映え、ラーメンを一日で4杯目、5杯目と食べると、かなり美味しくても飽きちゃったりするんだけど、今日の一杯目のように美味しかったです。
 つけ汁がまた美味いのよね。

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 豚肉を煮出すとかなり甘さに傾くのですが、醤油ダレが甘さを引き止め、スープとの絡みも増しています。
 んなことは、たまたまとか、偶然とか、そんなはずはなくて、将太さんの計算に計算の上の努力の賜物に感じます。
 そして、そのつけ汁に三つ葉を浮かべ、豚バラ肉を沈めた上での提供時の味にきっちりと投影されています。

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 そう、ニコリのラーメン(つけ麺)の凄いところは、美味し過ぎないところであり、奇をてらう食材を使わず、食べ手が安心して食べられる味に仕上げているところ。
 作ってみたら「そこそこの味」になったと、狙い済ませた「そこそこの味」はまるで違います。

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 とても美味しいつけ麺をご馳走様でした。
 小田原からは上り最終電車、新宿発より30分ほど早いのか、覚えておこう。
posted by ふらわ at 00:00| Comment(12) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
>この店が自宅から遠く、年に一度くらいしか訪問できないことに、物凄く不公平を感じます。
>なぜ魅力的なお店は自宅から遠いのか、だからと言って下を向いたりしないし、負けたりしない。
静岡に引っ越せば良いじゃないですか!
ねっ、そうしましょう^ ^
Posted by ラム at 2015年09月06日 17:21
修行並びに更新、誠にお疲れ様です。

ふらわさんの回顧は謎かけ・禅問答のようで、
充実感が溢れでていますね。

仕事柄、文面や表現に工夫を求められるので、
私もふらわさんの表現方法を見習わないと。
アグレッシブな1日、お疲れ様でした。
Posted by 五里霧中 at 2015年09月07日 00:09
「浜松では一回転するのに3年掛かる」

これはどういう意味なんですか?
ラーメン素人の私にもわかるように教えてください><
Posted by ばし at 2015年09月07日 10:27
ラムさん

 コメントありがとうございます。
 静岡に引っ越すと、神奈川や東京の名店が遠くなってしまいますが、どうしたらいいですか?
Posted by ふらわ at 2015年09月08日 00:24
五里霧中さん

 隅々まで目を通していただけているようで、とても嬉しいです。
 私のブログは全てを理路整然と説明していません。
 それは、読み手が自身で最後の味付けをして欲しいからです。
Posted by ふらわ at 2015年09月08日 00:29
ばしさん

 コメントありがとうございます。
 「浜松では一回転するのに3年掛かる」は「はままつではいっかいてんするのにさんねんかかる」と読みます。
 今後ともよろしくお願いします。
Posted by ふらわ at 2015年09月08日 00:30
>「浜松では一回転するのに3年掛かる」は「はままつではいっかいてんするのにさんねんかかる」と読みます。


???
私は意味を聞いていて読み方なんか聞いてないんですが……
(浜松では)なにが一回転するのに3年かかってどういう理屈で繁盛しているのかを教えてください
勘違いさせちゃってすみません^^;;
Posted by ばし at 2015年09月08日 18:07
あぁ、あれだ。「読み手の最後の味付け」って、お前が言う味変だろ?
唐辛子や酢やニンニクを大量投入するやつだ?
でも、お前は激辛コメントをほとんど承認しないよな。
だろ?口だけキュレーター先生(笑)
Posted by 異常性欲者ウォツチャー at 2015年09月08日 20:54
みょうが、大葉、水菜、三つ葉がわかるようになるとは
修行の成果が出ていますね♪

それにしても一日5杯とはすごい!
今まで一番多かったのは一日何杯ですか?
Posted by tomoco at 2015年09月08日 22:43
ばしさん

 コメントありがとうございます。
 私の日本語のレベルが低すぎて、ばしさんに読み方が伝わっていないと思い、遅くなりましたが読み方をお伝えしました。
 まだ、読み方が分からないようでしたら、お返事いただけますか。
 今後とも、ブログの応援をよろしくお願いします。
Posted by ふらわ at 2015年09月08日 23:57
異常性欲者ウォツチャーさん

 コメントありがとうございます。
 激辛コメント?誹謗中傷だったり、個人情報が含まれていない限り、承認していますが。
 このブログはあくまでも私のブログですので、承認するしないは、私が決めています。
Posted by ふらわ at 2015年09月08日 23:59
tomocoさん

 ありがとうございます。

 一日最高何杯って、ラーメン二郎と博多豚骨ラーメンを「同じ一杯」とカウントしてしまうと、一票の格差がありすぎます。
 がしかし、一日八杯です。
Posted by ふらわ at 2015年09月09日 00:01
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