安保関連法案:元法制局長官「閣議決定できる範疇超える」

毎日新聞 2015年09月08日 19時53分(最終更新 09月09日 10時16分)

参院平和安全法制特別委員会に参考人として出席し、意見を述べる大森政輔・元内閣法制局長官=国会内で2015年9月8日午後1時48分、藤井太郎撮影
参院平和安全法制特別委員会に参考人として出席し、意見を述べる大森政輔・元内閣法制局長官=国会内で2015年9月8日午後1時48分、藤井太郎撮影

 参院平和安全法制特別委員会は8日、参考人質疑を行った。野党推薦の大森政輔元内閣法制局長官は、集団的自衛権の行使について「憲法9条の下で許容できる余地はない。内閣が閣議決定でなし得る範疇(はんちゅう)を超えた措置で無効だ」と述べ、違憲との認識を表明した。内閣法制局が最高裁砂川事件判決(1959年)を根拠の一つに集団的自衛権を認めた対応は任務を怠っていると批判した。

 大森氏はそのうえで、「首相が最初は受け入れなくても(何度も)官邸に出かけ、分かってもらわなければならない」と述べ、同法制局に苦言を呈した。

 ほかに、宮家邦彦立命館大客員教授▽神保謙慶応大准教授▽伊藤真弁護士−−が出席。宮家、神保両氏は法案に理解を示し、伊藤氏は反対した。【飼手勇介】

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