愛媛大チーム:「星を作ることを止めつつある銀河」発見
毎日新聞 2015年09月09日 00時15分
愛媛大などの研究チームが「星を作ることを止めつつある銀河」を世界で初めて発見した。宇宙の進化の解明に役立つ研究結果として9日から神戸市で始まる日本天文学会で発表される。
銀河は、盛んに星を生成する時期からほとんど生成しなくなる状態に移行することが知られているが、そのメカニズムはよく分かっていなかった。愛媛大の谷口義明教授(宇宙物理学)らは、すばる望遠鏡(ハワイ)やハッブル宇宙望遠鏡などを使い、約1900億立方光年という極めて広大な宇宙空間を調べた。その結果、従来にない性質をもつ銀河を6個発見し、「マエストロ銀河」と名付けた。
宇宙空間には星の原料となるガスが漂っているが、マエストロ銀河にはガスが極めて少なかった。マエストロ銀河から放たれる光を解析したところ、多数の星が大爆発しガスを銀河外に放出する「スーパーウインド現象」が起きていることが分かった。谷口教授は「星の生成が止まる理由は長らく謎だったが、スーパーウインド現象が原因と裏付けられた」と話している。【伝田賢史】