地雷爆発:北にいら立つ20-30代、安保意識の高まり鮮明

「北朝鮮による軍事挑発をこれ以上見過ごせない」
韓国20代、30代の間で高まり見せる安保意識

 「呼ばれさえすれば、いつでも行きます。わが国を守るために、この命をささげます」(先月22日に陸軍の公式フェースブックに20代の若者が書き込んだ内容)

 先月、北朝鮮・朝鮮人民軍が非武装地帯(DMZ)の韓国側地域に地雷を埋設し、拡声器に砲撃を行ったことで準戦時体制が宣布され、緊張が高まったことを受け、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や大手サイトの掲示板などには予備軍の軍服や戦闘靴の写真を掲載し、参戦の意思を表明する若者の書き込みが相次いだ。また自ら兵役期間の延長を申し出た将兵も続出した。2010年に哨戒艦「天安」が朝鮮人民軍の潜水艦による魚雷攻撃を受けて沈没したときは、若者の間で戦争に対する恐怖が広まり、影響で韓国国内では政治対立が深まった。北朝鮮はこのような混乱を狙って今回も地雷埋設などの軍事挑発を仕掛けてきたが、今度は若者たちの間で逆に北朝鮮に対する敵対心が高まっているようだ。識者らは「このような韓国国内の雰囲気により、北朝鮮も追加の攻撃を仕掛けにくくなった」などと指摘している。

 天安沈没からわずか5年で、韓国の若者たちの意識がこのように大きく変わったのはなぜか。識者らは「20-30代の若い世代の中で『北朝鮮による軍事挑発をこれ以上黙認してはならない』という認識が広まっているため」と指摘する。いわゆる「安保新世代」の出現だ。韓国国防安保フォーラムのヤン・ウク研究委員は「延坪島砲撃や哨戒艦『天安』沈没など、北朝鮮の軍事挑発を学生時代から目の当たりにした20-30代は、北朝鮮に対する怒りや祖国を守ろうとする安全保障の意識を自然に持つようになった。またネットを通じて国内外の情勢についても客観的な情報に接している」「彼らはこれまで北朝鮮の軍事挑発を黙認してきた大人たちとは質的に異なる」などの見方を示している。

 北朝鮮による一連の軍事挑発に対するこれら若い世代の反応は、北朝鮮に対する怒り、あるいはいら立ちばかりだ。弘益大学で学生会長を務めるシン・ミンウさん(27)は「天安が沈没したときは兵役の期間中だったが、あの事件をきっかけに、韓国も自主権を持ち、国民の安全を守るため北朝鮮の軍事挑発に対して断固とした対応を取るべきと考えるようになった」「周囲の知り合いもほとんどが、地雷攻撃で脚を失った二人の兵士の犠牲に尊敬の思いを持ち、同時に北朝鮮に対する怒りも高まっている」などと述べた。

 大韓民国青年大学生連合の代表を務めるキム・ドングンさん(26)も「かつては数々の陰謀論で惑わされた若い世代も、今は度重なる北朝鮮の軍事挑発により多くのことを悟った」「何度もやられたにもかかわらず、断固とした対応ができなかった韓国に対して失望やいら立ちを感じた若い世代は、安全保障に対する強い意識を自ら持つようになった」などと話した。

 中央大学社会学科の申光栄(シン・グァンヨン)教授は「インターネットなどさまざまなツールを通じて情報を収集している20-30代は、盲目的な敵対心ではなく合理的な批判ができる世代だ」「(北朝鮮の)3代世襲だけでも受け入れがたいが、それに加えて数々の暴虐政治、さらに韓国に対して戦争ごっこまで仕掛けてくる金正恩(キム・ジョンウン)第1書記に対し、多くの若者が幻滅に近い感情を抱いている」などの見方を示した。

イ・テドン記者
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