釣り船転覆:SOS自動送信機能作動せず

 5日午後、韓国・済州島北方の楸子島沖で転覆した釣り船「トルゴレ(いるかの意)号」(9.77トン)には、転覆などの緊急事態が発生した場合に海洋警備安全本部(海警)に自動的に救助信号(SOS)を送信する装置が設置されていたが、誤作動が多いという理由により、海警が普及の段階でSOS信号送信機能を切っており、正常に作動していなかったことが確認された。

 済州海洋警備安全本部関係者は7日、「トルゴレ号には船が一定角度以上傾くと自動的に海警状況室にアラーム(SOS非常ベル)を送信する『傾き感知センサー』が設置されていた。しかし、今回の事故で、トルゴレ号の傾き感知センサーは作動していない。その理由は、トルゴレ号などかなりの数の漁船に位置発信装置(V-PASS)を普及させる際、アラーム送信が作動しないよう切っておいたからだということが暫定調査で分かった」と語った。

 これと関連、済州漢拏病院で本紙の取材を受けた生存者(49)は「船長は出港を強行する際、『問題が起きても海警とつながっているのですぐに救助に来る。心配するな』と言っていた」と証言した。死亡したトルゴレ号の船長(46)は、V-PASSに搭載されている自動SOSアラーム機能が作動すると思い込んでいてこうした発言をしたと考えられる証言内容だ。このため、自動SOSアラーム機能が当初導入される過程で問題がなかったのかも捜査対象になると見られる。

済州=オ・ジェヨン記者 , 済州=イ・ミンソク記者
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