釣り船転覆:海警、見当違いの場所を11時間捜索か

遺族が真相究明を要求

 「海洋警備安全本部(海警)は船が転覆してから11時間以上も一体何をしていたのか」

 5日午後に韓国・済州島北方の楸子島沖で釣り船「トルゴレ(いるかの意)号」(9.77トン)が転覆した事故で、死亡・行方不明者の家族約60人は7日、「行方不明者を全員捜し出してほしい」「海警は5日午後7時から翌6日午前6時30分までの11時間、どんな捜索作業をしたのか状況表を作成し公表せよ」と要求した。これに対し海警は「『11時間の救助作業』については保安上の問題があるため、被害者家族にだけ公開する」と答えた。

 6日に事故の知らせを聞き、出港地の全羅南道海南郡に集まった家族らは「行方不明者・遺族対策委員会」を設置、7日午前に関係者待機所で国民安全処(省庁の一つ)・海洋水産部(省に相当)・海警に対し真相究明を求めた。対策委員会は「通りかかった漁船が3人を救助しただけで、海警は11時間もの間、見当違いの場所で捜索作業を行い、海に投げ出された人々を発見することもできなかった。海警は現場到着時刻・投入船舶の船名・航路日誌などの捜査内容・現場天候などを詳しく公表せよ」と言った。対策委員会は捜索時に照明弾をなぜ使わなかったのかを集中的に追及した。海警は「照明弾は木浦航空隊が配備しているが、当時の気象条件上、航空機が出動できなかった。艦艇には照明弾発射装置がない」と説明した。

海南=チョ・ホンボク記者
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