韓国人被爆者医療費訴訟、きょう日本で最終判決

これまでの支援は年300万ウォンだけ
差別受け日本人と格差

 韓国人被爆者に対し、日本人とまったく同じように医療費全額を支援しないことが違法かどうかを判断する最終判決が8日、日本の最高裁判所で下される。

 今回の裁判は、韓国人被爆者・李洪鉉(イ・ホンヒョン)さん(69)がほかの被爆者遺族2人と共に2011年に大阪府を相手取り起こしたものだ。李さんは三菱造船所で働いていた強制徴用労働者の息子で、広島原爆投下時、母親のおなかの中にいて胎内被爆した。解放(日本による植民地支配からの解放=第二次世界大戦終戦)で韓国に戻ったが、白斑・高血圧・慢性心不全などを患い、37歳の時に正式に被爆後遺症と診断を受けた。李さんは2008年に日本に治療を受けに行き、日本人被爆者と韓国人被爆者の間に医療支援格差があることを知った。そして、その3年後に大阪府を相手取り、自身が韓国で支払った医療費約2700万ウォン(約270万円)を支払うよう求める訴訟を起こした。

 その後、一審の大阪地裁と二審の大阪高裁は、日本人被爆者には治療費を全額支援しながら、李さんが韓国で支払った治療費を支援しないのは違法だとして、李さんの主張を認めた。8日の最高裁判決で一審・二審の判決を認めれば、外国人被爆者にも日本人のようなメリットを与えるよう認める判例となる。これまで日本政府は、外国人被爆者には年間300万ウォン(約30万円)まで支援していた。毎日新聞・朝日新聞・日本経済新聞など日本の各メディアは、今回の最高裁判決がほかの訴訟にも影響を与えるだろうと報じている。これまで韓国人被爆者たちが広島などで同様の訴訟を数件起こしだ、敗訴している。日本政府が認定した外国人被爆者は約4300人で、このうち約2600人が韓国人だ。

 今回の訴訟では「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」(市場淳子会長)など日本の市民団体や法曹関係者が大きな役割を果たした。市場会長は「外国人も日本人と同じ恩恵を受けられるようになるか、一定の制限を設けるのか、判決内容を見守りたい」と語った。

 韓国原爆被害者協会のソン・ナック会長(71)は「国もないままに被ばくしたが、韓国人は日本人とは差別され、さらに恨(ハン=晴らせない無念の思い)を募らせた。韓国人被爆者は年に200人ずつ亡くなっているだけに、韓日両国政府は関心を持ってほしい」と語った。

東京=金秀恵(キム・スへ)特派員
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース