ブティック、本屋、ファーストフード・・・ 様々な店舗を多角化経営し、高い売上げを目指しつつ間接的に町も発展させていく、カイロソフトの商店街形成シミュレーションゲームが登場しています。
夢おこし商店街」です。

カイロソフトのゲームは、まずガラケー用に開発され、それがスマホに移植されるという手順を踏んでいます。
よってスマホ版はオリジナルの登場から数年経った後に公開されていることが多いのですが、今作はガラケー版の登場が昨年6月、Android 版は10月。
まだ1年経っていない、カイロゲームとしては新作といって良いアプリです。

性質の異なる複数の店舗を同時経営するという、今までのカイロソフトとはちょっと違う内容で、経営系のゲームの集大成という感がありますね。

今作は当初は課金型ゲームとして開発されていた様子が見られ、課金通貨っぽい「コイン」を使用しないと、拡張できない場面が多々出て来ます。
しかし最終的には買い切りゲームに落ち着いたようで、価格は 500 円
追加課金は一切なく、課金しなくても全要素を体験できるのでご安心下さい。

なお、このページの画像はレイアウトを考えて横向きにしていますが、実際には縦でも横でも遊べます
さらに重要なポイントとして・・・ 今作は最初からゲーム速度を「高速」に出来ます

夢おこし商店街

夢おこし商店街

まずは町の好きな場所に、店舗を建設します。
周囲が発展している方が良いのですが、最初はほぼ田舎町。
いくつか候補地があり、そこに建てると出店費用がタダになりますが、土地購入費さえ払えばどこでも建てることが出来ます

お店の種類は豊富で、開始直後でも「ゲームショップ」「バーガー店」「洋品店」の3つから選べます。
ただし、お店によって経営スタイルが大きく異なります

ゲームショップ洋品店は、バックヤードに在庫を確保しておけば、後は商品棚とレジを置くだけで販売を行えます。
棚の商品がなくなると店員が補充しなければなりませんが、注意すべき点はそれぐらい。

一方、バーガー店などの飲食店は、料理を調理し、席に着いたお客さんにその都度運ばなければなりません。
店員が1人1人のお客さんに対応しなければならないため、十分な人員と能力がなければお客をさばききれません。
さらに席の数だけしかお客は入ってくれず、レジや調理器具も必要です。

パン屋の場合、商品は棚に並べますが、在庫の確保には調理が必要になり、作った料理をストックしておく棚も要ります。
屋台の場合、レジも在庫もなく、調理器具も座席もありませんが、単価が低いです。

とりあえず最初は、経営しやすいゲームショップか洋品店でスタートしましょう。
最初から品目が多い洋品店がオススメ。 バーガー店を選ぶと苦戦必至です。
店員の能力も、販売系は器用、飲食系は調理など、業種によって重視すべきものが異なります。

夢おこし商店街
※飲食店はかなり難しい。 お客さんからプレゼントを貰えやすい利点がありますが、利益は上がりにくいので、2店目か3店目で経営するようにしましょう。
料理能力の高い店員が複数いないと回りません。


夢おこし商店街
※こちらはパン屋さん。 店員にはパンを作る「調理」のスキルと、商品を補充する「器用」のスキルが両方必要になる。
店員が優先する役割を設定できるので、うまく作業を分担できるようにしましょう。
また、レジは2つないとすぐ大混雑します。


最初はレジ1つと商品2つだけの、スカスカな店舗からスタートします。
設備を好きな場所に置ける「自由配置型」のゲームですが、今作は設備や棚の設置に制限が多く、なかなかお店を拡張できません。

例えば、棚は持っている商品の数しか置けません。
ゲームショップの場合、最初からアクションゲームの棚が2つありますが、他に所持している商品はアクションゲーム、パズルゲーム、シューティングゲームが1つずつ。
棚を3つ置き、これらを1つずつ配置したら、もうそれ以上の棚は置けません。

さらに商品を増やしたい場合、「研究」で新商品を作る必要がありますが、研究には「強化アイテム」が必要になります。
しかし強化アイテムがショップで売られるのは結構先で、探検で拾ってくることも出来ますが、これも町が発展して公園や森などの探検場所が現れないと無理。
当面はお客さんがたまにくれるプレゼントで細々と増やしていくしかありません。
カートや傘立て、看板などの設備も、持っている数しか設置できません

おまけに、ある程度ゲームが軌道に乗って商品や設備が増えても、今度は店舗ごとの「設置コスト」が障害になります。
設備ごとにコストが存在し、コスト合計が上限を超えるとスペースと在庫があっても設置できなくなります。
店舗のコスト上限は周囲の発展具合によって決まるので、町の発展に合わせて徐々に拡張して行かなければなりません。

店員にもコストが存在し、もちろん設備の維持費や人件費もあります。
加えて上位の店員の雇用には課金通貨だったと思われる「コイン」が必要で、これは売上げの達成や店舗ランクの上昇など、特定の条件を満たした時しか得られません。
新店舗入手、店員の装備枠追加などにも必要で、なかなか早急な拡張は行えませんね。

このように制限が多いのは、課金型ゲームとして作られていた名残だと思われます。
買い切りになったので、ちゃんとゲームの進行によってコインは手に入るようになっているのですが、結果としてはカイロゲームの中では、やや厳しめのバランスになっている印象があります。

ただ、カイロソフトのゲームを多くやって来た人だとすぐ慣れるでしょうし、簡単すぎるのも面白くないので、これはこれで歯応えがあって良いと思います。

夢おこし商店街
※公園での「お宝探し」のシーン。 町に探検ポイントが出来ないと実行できませんが、これが出来るようにならないと設備は一向に増えない。
早く探検したい人は市長に会って「公園の建設方針」を進言しましょう。


夢おこし商店街
※研究は、まずは新商品を増やすのが優先。 新商品の開発は相性の良い素材を2つ使えばすぐ完成します。
商品が一通りそろったら、魅力と単価の高い商品を優先してレベルアップさせていきましょう。
レベルアップにより、設置できる数が増え、上位の商品も登場します。


ゲームが進むと「ライバル店舗」が登場し、売上げの過多で互いの「経営体力」を削り合うことになります
売上げは減りますが、相手の体力を 0 にすると撤退に追い込むことができ、さらに相手店舗の店長さんを雇用することが出来ます。

スタッフ募集で来るのはアルバイトだけで、店長候補はライバル店の撃破で増やしていかなければならないので、ライバル店も発展に必要な要素です。

そして店長候補が増えれば、新規店舗の建設が可能になります。
お店は直接経営できるのは3つまで、完全に委任する「おまかせ店舗」は 10 まで持てます。
お店が繁盛すれば周囲が発展していくので、町の開発も加速しますね。

ただし、ここで問題になるのが例の「設備在庫」の問題。
レジやスタッフルームなどの設備の所持数は全店共通なので、それらが十分でない時に3店目を出店したりすると、スタッフの休憩が追い付かずレジも1つしかなくて大行列、お客の購買意欲を湧かせる店内設備もスカスカという事になりかねません。

出店したばかりのお店には「売上げノルマ」が課され、達成できないと撤退になるので、その辺を考慮した拡張計画も必要です。

他にも、市長と交渉して町の発展方針を進言したり、コンテストで上位を狙ったり、宣伝で特定のお客さんを招待してご褒美を貰うなど、様々な要素があります。
ゲームが進めば店長が市長選に立候補することも可能
市長になればスタジアムなど、任意の施設の誘致を行うことが出来ます。

今作のもう1つの特徴は、ゲームの区切りが1年ごとであること。
既存のカイロソフトのゲームは 15 年ほど経過すると終了し、スコア集計が行われ、次回プレイ時の「引き継ぎデータ」が作成されましたが、今回はそれが毎年行われます
つまり「15 年で終わり」とかの区切りはありません。 よってエンディングは存在しません。

引き継ぎデータにはアンロックした商品とレベル、所持アイテム、所持コイン、初期店員の能力などが含まれ、それが1年ごとに更新されるため、任意のタイミングでのリプレイを繰り返すのも良いですね。

夢おこし商店街
※ライバル店と売上げ勝負! 「経営体力」って言葉がちょっと生々しい。
こちらは負けても多少評価が下がるだけで、資金を払って回復させることが可能です。 そのまま即撤退とはなりません。


夢おこし商店街
※コンテストは出品した商品の品質か、店員の特定の能力で結果が決まります。
コンテスト用に質の高い商品を1つ作っておくと良いですね。


夢おこし商店街
※屋台の風景。 屋台は勝手に調理と販売を行ってくれるので、お店を設置するだけで良く、運営がすごくラク。
タコ焼きは売れても1つ 300 円ぐらいですが、人が来た分だけ儲かるので、集客力で勝負する店舗ですね。


カイロソフトのゲームは後半ダレる場合が多いのですが、今回は最初から「高速」が使えますし、次々と新しい店舗を出店していくことになるので、ダレることがありません
むしろ前の店舗がまだ十分に発展していないうちに次の店舗を出す事になって、各店の管理が忙しいという状態が続きます。

また、区切りが1年ごとのため、ダレたら好きな時にリプレイできる訳で、システム的に洗練された印象があります。
マップも5つ用意されていて、延々と楽しめるゲームになっていますね。

新作だけあって、かなり意欲的な内容と言えます。
もちろん「カイロソフトらしさ」はそのままなので、従来のファンが戸惑うことなく遊べるゲームでもあります。
私的には、数あるカイロアプリの中でも「決定版」と言える作品だと思います。

夢おこし商店街(iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

・店員の能力の「器用」は補充速度に、「調理」は調理速度と完成品の数に影響します。
・店員のパワーアップは、まず L のアイテムを選び、次に M、次に S を選び、その後に一番下の「次のカートへ」を選択、その後は LL → L → M → S のアイテムを選びましょう。 お金があるなら更に次のカートに進み、4L から始めます。
・上記の要領でアイテムを加えていくと、得られる経験値の倍率がどんどん上がっていきます。 最後に余っているアイテムを投入して入手経験値を底上げし、決定しましょう。
・このように、大量のアイテムを投下しないと効率の良いレベルアップは出来ません。 よって店員の強化はアイテムが十分に集まってから行うものだと考えましょう。
・店員の★の数とタイプは成長力に影響します。 強化して使う店員は★の数が高い人にしましょう。
・レベルを上げると給料とコストも増える点は考慮しておきましょう。

「研究」で特定の商品のレベルを上げると、上位の商品が登場する場合があります。 例えば「ファミオン」のレベルを上げると「スーパーファミオン」が現れ、「ラーメン」をレベルアップすると「みそラーメン」が現れます。
・「控室」に入れている店員も、探検と研究は行えます。 仕事で体力を消耗しないため、調理の高い研究役を一人控室に用意しておくと便利です。
・「探検」に出発するメンバーは自動で決まりますが、左下のボタンで外せるのを見逃さないように。 また控えメンバーとハートが多いなら、各店舗で仕事をしているメンバーは外し、控えメンバーに入れ換えましょう。

・「宣伝活動」でターゲットにしているお客さんの評価は次以降に引き継ぎます。 よって何度も呼んでいればいずれは満足してくれます。
・ランクアップ時にたまに貰える「陳列アップ」のカードは非常に強力です。 棚に置ける商品が +5 されるため、最初が 5 の普通の棚なら陳列数2倍、2回使えば3倍です。 3x3 に有効なので、その範囲に棚を集めてから使用しましょう。

・設備の魅力や品質をアップさせる効果の範囲は縦横2マス。 店舗に影響を与える建物の範囲は縦横4マス。 どちらもナナメのマスは1マスとして数えます。