8日の東京株式市場で日経平均株価は反落した。終値は前日比433円39銭(2.43%)安の1万7427円08銭と、2月3日以来、約7カ月ぶりの安値をつけた。きょうの終値は昨年末終値(1万7450円77銭)を下回り、年初からの上昇分を打ち消した格好となる。日本と中国の経済指標が両国の景気停滞を示す内容となり、景況感が悪化。手じまい売りが広がった。
朝方発表の4~6月期の実質国内総生産(GDP)改定値は、前期比年率換算で1.2%減だった。減少幅が1.6%との速報段階から縮小したが、上方修正の要因は在庫投資の上振れだった。個人消費や設備投資は低迷し、内容が浸透するにつれて売りがじわりと広がった。14時発表の景気ウオッチャー調査も景況感の悪化を示し、運用リスクを回避する動きにつながった。
世界経済をけん引してきた中国景気を巡る懸念も響いた。日本時間の昼休み中に発表された8月の貿易統計で、輸出入額が大きく落ち込んだ。中国の経済活動が停滞しているとして投資家心理を冷やし、相場は後場から一段安となった。
株価指数先物・オプション9月物の特別清算指数(SQ)算出を11日に迎える。期先物への乗り換えが一定程度進んだとの見方があった一方、相場が荒れているため直前まで様子をみたいとの雰囲気があるとの指摘もあった。
JPX日経インデックス400も反落。終値は前日比275.09ポイント(2.12%)安の1万2702.69だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、28.94ポイント(2.00%)安の1416.71で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2741億円。売買高は22億3477万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1582と、全体の8割強を占めた。値上がりは246、変わらずは69銘柄だった。
主力のトヨタやソフトバンクが下落。三菱UFJやみずほFG、三井住友FGの三大銀グループがそろって下げた。示した業績予想が物足りないとしてピジョンが大幅安。傘下企業が大型買収を検討していると伝わったMS&ADも売りに押された。一方、日立が上昇。新日鉄住金が上げ、パイオニアが大幅高となった。
東証2部株価指数は3日続落した。朝日インテクとアトムが下げ、フライトHDとJトラストが上げた。きょう上場したJESCOは公開価格を小幅ながら上回って初日を終えた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕