集団強姦:容疑で警官逮捕 ネット掲示板で計画 大阪府警
毎日新聞 2015年09月07日 20時42分(最終更新 09月08日 03時53分)
大阪市天王寺区のホテルで20代の女性を集団で乱暴したとして、大阪府警は7日、府警箕面署刑事課の巡査部長、梅本大輔(36)=大阪市天王寺区生玉前(いくたままえ)町=と元府警四條畷署員で配送運転手、溝畑優(みぞばた・ゆう)(32)=福島県いわき市=の両容疑者を集団強姦(ごうかん)と監禁の疑いで逮捕したと発表した。
府警捜査1課によると、梅本容疑者は「女性を乱暴すると書かれたインターネットの掲示板の企画に応募した。自分を含め男6人で乱暴した」と容疑を認め、溝畑容疑者は一部否認しているという。
2人の逮捕容疑は昨年12月17日午後10時過ぎ、数人の男と共謀し、大阪市天王寺区のホテルに呼び出した溝畑容疑者の知人女性の両手を布製テープで縛ったり、アイマスクで目隠ししたりした上で、性的暴行を加えたとされる。女性が翌18日午前5時ごろにホテルから逃げ出すまでの約7時間、室内に監禁した疑いも持たれている。
府警は今年5月、女性が治療を受けていた大阪府松原市内の病院から情報提供を受けた。女性は府警に対し「複数の男に押さえつけられた。泣き寝入りは嫌だと思った」と説明している。溝畑容疑者は2013年3月、別の女性との不適切な交際を巡り依願退職。女性は同年秋ごろ、ネットの出会い系サイトを通じて溝畑容疑者と知り合い、交際を始めた。昨年12月10日ごろ、溝畑容疑者から急に「会いたい」と連絡があり、ホテルに呼び出されたという。
溝畑容疑者は昨年12月3日、会員登録していたネット掲示板で「集団で女性を乱暴する」という趣旨の企画の参加者を募っていた。梅本容疑者はこの掲示板を見て参加したといい、逮捕された2人は互いに「面識はない」と供述。掲示板の利用者を捜査する過程で、梅本容疑者の関与が浮上した。
府警の安井正英監察室長は「集団強姦罪などで現職警察官が逮捕されたことは誠に申し訳なく、府民や被害者の方におわび申し上げる。今後の捜査結果を踏まえ、厳正に処分する」とのコメントを出した。【村上正、遠藤浩二】
◇組織的見直し必要
元警視庁刑事の吉川祐二さんの話 モラルの低下が甚だしく、元刑事として本当に情けないし腹立たしい。犯罪者を取り締まるべき立場の警察官が、ネットの掲示板という犯罪者が使う手口を使った点も信じられない。指導教養のやり方などを組織全体で見直す必要がある。
◇倫理教育の徹底を
ジャーナリストの大谷昭宏さんの話 これまでの不祥事は、証拠隠滅など職務に絡んだ問題が多かったが、最近は女性関係などの倫理的な問題が目立つ。教養部門を中心に倫理教育を徹底し、採用時も知識や身体能力だけでなく、倫理的なことも問わない限り、防ぎ切れないだろう。