タイヤ・ホイールのインチアップの最大の目的はカッコよさではないでしょうか。
その反面、デメリットもありますのでよくお考えになってインチアップを決断してください。
インチアップとは、タイヤの外径を変えずに、ホイールの径を大きくすることです。
例えば、標準が205/50R17というサイズであれば、1インチアップの18インチにする場合は、225/40R18のように、タイヤの扁平率を小さくすることにより、ホイールは大きくなっても、タイヤのサイドウォールが薄くなるので、ほぼ外径が同じになるわけです。
もし、外径が変わるインチアップをすると、スピードメーターが狂ったり、車のバランスが悪くなったりします。
また、タイヤがフェンダーから飛び出す場合はもちろん車検に通らないですし、飛び出さないとしてもハンドルを切ったときにタイヤハウスにタイヤが干渉するようではダメです。車高が下がっている車は気をつけてください。
今時の車であれば、1インチアップは基本的に楽勝で、2インチアップまで許容範囲の車も多いです。3インチアップはよく調べてからにしましょう。
ホイールメーカーによってはWebで、自分の車に適合するサイズを検索できるところもありますので探してみてください。
タイヤがフェンダーギリギリに収まっている状態を言います。
車種とホイールの組み合わせによりオフセットがあわずに、ツライチにならなかったり、フェンダーからタイヤが飛び出したりと苦労されることもあるでしょう。
スペーサーを取り付けることによって、無理矢理ツライチにするやり方もあるみたいですが、個人的にはあまりおすすめできません。※掲示板関連記事No.10235
あと、標準の車高のときはツライチでもダウンサスなどで車高を落とした場合、ツライチじゃなくなる場合があります。先に車高を落としてから、ツライチにしましょう。
別にツライチにしたかったわけではないのだが…。
見る角度によって数ミリ飛び出しているような気もしないでもないです。
確かに扁平率が小さければ、それだけタイヤが薄いので、路面からのショックが伝わりやすいです。ただし、タイヤの銘柄によってそれは変わってきます。
例えば、純正のタイヤが少しスポーツ志向のタイヤを履いている場合は、インチアップした際に少しスポーツ度を下げたタイヤにすると、そんなに乗り心地は悪化しません。
もし、インチアップした後もスポーツタイヤを選んだ場合は乗り心地は間違いなく悪くなるでしょう。まあスポーツタイヤを履くような車・ドライバーであれば、乗り心地なんて気にしないでしょうけど。
車種:アクセラ スポーツ(マツダ)
標準サイズ: 205/50R17
標準タイヤ: BRIDGESTONE POTENZA RE040
標準で扁平率が50なので、お世辞にも乗り心地はいいとは言えないですが、足回りと抜群にマッチしていて、峠や高速道路など安定して走ることができます。
個人的には堅すぎず、柔らかすぎずでちょうどいいです。
サイズ: 225/40R18
ホイール:ワーク エモーション CR-Kai マットカーボン 18x7.5J PCD 114.3 オフセット +48
タイヤ: BRIDGESTONE Playz(プレイズ) PZ-1
インチアップ後のほうがホイールが小さく見えるのは、ホイールデザインの影響です。スポークが中心からホイールの端めいっぱいに伸びているホイールは大きく見えますが、このホイールみたいに、スポークが端までいっていないと小さく見えます。その点では上の純正ホイールは大きく見せるいいデザインですね。
Playzは左右非対称パターンのタイヤです。
乗り心地と運動性能、耐摩耗性を両立させたタイヤみたいですが、運動性能は純正のRE040のほうがいいかも。直進安定性に優れたタイヤなので、コーナーリングは少し劣ります。
タイヤを履き替えて、車を走らせたときにまず感じたのが、やはり「ゴツゴツ」感です。
タイヤが薄くなったので、 路面のギャップを超えるときに純正サイズに比べて衝撃が伝わりやすくなりました。と言っても、不快にならないレベルです。
タイヤを例えば、同じブリヂストンのスポーツタイヤ「RE-01R」や「RE050」にしていたらもう少し乗り心地が悪かったでしょう。
1インチアップくらいなら、タイヤにさえ気をつければそこまで乗り心地は悪化しないということがわかりました(2インチアップは知りません…)。
大抵、インチアップをすると、タイヤの幅が1cm以上太くなります。タイヤが太くなると、グリップ力が向上しますが、その反面、路面への抵抗が大きくなり一般的に燃費が悪くなります。
また、アルミホイールといってもメーカー・商品によって重さが異なり、場合によっては純正アルミホイールよりも重いホイールもあります。ただでさえ、タイヤが大きくなり重量が増すのに、さらに重くなると燃費にも影響してきます。
逆に、軽量ホイールもあり、場合によってはインチアップしても重量が減り、ハンドリングにも燃費にもいい場合があります。
・ENKEI
・RAYS VOLK Racing(ボルクレーシング)
・BRIDGESTONE Prodrive(プロドライブ)
などなど
検証車種:アクセラ スポーツ(マツダ)
排気量:2300cc
ミッション:4速AT
標準タイヤ・サイズ: 205/50R17 BRIDGESTONE POTENZA RE040
街乗り燃費:約8.5km/l(エアコンなし)
最高燃費 :10.9km/l
タイヤ:225/40R18 BRIDGESTONE Playz PZ-1
ホイール:WORK EMOTION CR-Kai
タイヤ幅が2cm太くなりました。
街乗り燃費:約8.2km/l(エアコンなし)
最高燃費 :10.4km/l
ほんの少し燃費が落ちただけです。標準タイヤよりもグリップ力がないので、抵抗が少ない分燃費の低下があまりなかったのでしょう。
軽量ホイールではないと思いますので、やはり重量は純正時より重くなったっぽい(測っていないので正確にはわかりません)ので、出足が少し鈍くなったような気がします。
幸い、排気量2300ccのおかげでトルクがあるので、そこまで気になることではないです。アクセル踏み込みすぎて燃費は悪くなるかもしれませんが…。
軽量ホイールだと出足が鋭くなりますので、ホイールを購入される際はよくお考えください。
純正時の指定空気圧でいい場合もあります。
アクセラの場合、標準の17インチでは指定空気圧が2.2kg/cm2ですが、今回18インチ化に伴い、推奨空気圧が2.5kg/cm2になりました。
これは純正タイヤの荷重指数より、インチアップ後タイヤの荷重指数が小さくなっている為だと思われます。要するに、純正指定空気圧ではタイヤが薄くなった分、車体を支える力が足りない為、空気圧を高くして補っているのです。本当はあまりよろしくないと思います。
(注)車、タイヤの銘柄、タイヤサイズなどによって空気圧は当然変わりますので、詳しくはショップなどにお聞きください。
インチアップに限らず、タイヤ・ホイールを交換した場合、約100km走行しましたら、一度、空気圧とナットの増し絞めを行ったほうがいいです。
これは、新品タイヤはホイールに組み付け後すぐなじみません。だんだん走行していくと、ホイールになじんでいくみたいです。空気圧が少し抜け気味になったり、ナットが少しゆるんだりする可能性がありますので、面倒でも点検したほうがいいです。
純正タイヤ・ホイールを持ち帰った場合、タイヤは1本1本袋に入れます(親切なショップはビニール袋に入れてくれます)。
なるべく雨などが当たらないところに、輪積みにして保管します。夏タイヤの場合はタイヤを立てて置かない方がいいです。
輪積みにする際、タイヤの空気圧は半分以下にして保管します。 タイヤ・ホイールに傷がつかないように1本1本の間にダンボールなどを挟んでおくといいでしょう。
(注)
あくまで1車種・1タイヤ・1ホイールの例ですので、インチアップしたからといって
必ずしも上記のような結果になるとは限りませんのでご了承ください。