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インドネシア高速鉄道計画見直し 「受けとめるが残念」9月4日 19時22分
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日本と中国が受注を目指していたインドネシアの高速鉄道計画について、インドネシアの担当閣僚は4日、日本の谷崎大使に対し、日中いずれの案も採用せず、計画そのものを見直すことを正式に伝え、谷崎大使は「結果は受け止めるが、残念だ」と述べました。
インドネシアの首都ジャカルタと、東におよそ140キロ離れたバンドンを結ぶ高速鉄道計画を巡っては日本と中国の間で激しい受注競争が行われ、今週中にもジョコ大統領がどちらの案を採用するか決める予定でした。
しかし、インドネシア政府は3日夜、いずれの案も採用せず、高速鉄道計画そのものを見直すことを決め、4日、ナスティオン経済担当調整相が日本の谷崎泰明大使に正式に伝えました。この中で、経済担当調整相は「高速鉄道は多額の国家予算を必要とするため導入しない」と述べ、現在の計画より列車の速度を落とし、低いコストで鉄道建設を行う意向を示したということです。
会談のあと、谷崎大使は記者団に対し、「大統領が決めたことなので、結果は受け止める。日本の技術が使われれば日本とインドネシアの新しい関係を作れると思っていたので残念だ」と述べました。インドネシア政府が新たに提示した速度を落とした鉄道の建設については、「もう少し向こうの考えを聞く必要がある」と述べるにとどまりました。
しかし、インドネシア政府は3日夜、いずれの案も採用せず、高速鉄道計画そのものを見直すことを決め、4日、ナスティオン経済担当調整相が日本の谷崎泰明大使に正式に伝えました。この中で、経済担当調整相は「高速鉄道は多額の国家予算を必要とするため導入しない」と述べ、現在の計画より列車の速度を落とし、低いコストで鉄道建設を行う意向を示したということです。
会談のあと、谷崎大使は記者団に対し、「大統領が決めたことなので、結果は受け止める。日本の技術が使われれば日本とインドネシアの新しい関係を作れると思っていたので残念だ」と述べました。インドネシア政府が新たに提示した速度を落とした鉄道の建設については、「もう少し向こうの考えを聞く必要がある」と述べるにとどまりました。
計画見直しまでのいきさつ
人口密度が高いジャワ島は交通インフラの整備が不十分で、経済成長に伴い、首都ジャカルタを中心に渋滞が深刻化したため、緩和策として鉄道輸送の必要性が高まりました。
ジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道は、ユドヨノ前大統領の時代に建設計画が持ち上がったもので、日本は事業化に向けた調査を支援するなど、新幹線方式の導入に向けて実績を積み重ねてきました。
しかし、ことし3月ジョコ大統領と会談した中国の習近平国家主席が、高速鉄道計画への協力を表明し、日本と中国の間で激しい受注競争が行われることになりました。
また、去年のジョコ大統領の就任後、インドネシア政府は高速鉄道計画について、財政負担を極力少なくする方針に転換し、日中両国にさらなる資金支援を求めました。
これに対し、日中双方は多額の融資を約束するなどしましたが、いずれの案もインドネシア政府にとっては財政面の負担が大きく、受け入れられないという結論になりました。
計画を巡ってはジャワ島以外の地方を中心に、多額の財政負担を強いられる高速鉄道が必要なのか、疑問視する声も出ていたことから、ジョコ大統領としては政権への批判を避けたい思惑もあったとものとみられます。
ジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道は、ユドヨノ前大統領の時代に建設計画が持ち上がったもので、日本は事業化に向けた調査を支援するなど、新幹線方式の導入に向けて実績を積み重ねてきました。
しかし、ことし3月ジョコ大統領と会談した中国の習近平国家主席が、高速鉄道計画への協力を表明し、日本と中国の間で激しい受注競争が行われることになりました。
また、去年のジョコ大統領の就任後、インドネシア政府は高速鉄道計画について、財政負担を極力少なくする方針に転換し、日中両国にさらなる資金支援を求めました。
これに対し、日中双方は多額の融資を約束するなどしましたが、いずれの案もインドネシア政府にとっては財政面の負担が大きく、受け入れられないという結論になりました。
計画を巡ってはジャワ島以外の地方を中心に、多額の財政負担を強いられる高速鉄道が必要なのか、疑問視する声も出ていたことから、ジョコ大統領としては政権への批判を避けたい思惑もあったとものとみられます。