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熱狂の裏には地道なチケット販売がある(写真はニューヨーク・レッドブルズのレッドブルアリーナ) 撮影:常磐武彦

 米国のサッカーリーグ、メジャーリーグ・サッカー(MLS)が欧州のサッカーシーンで熱い注目を浴びている。そのきっかけは、スター選手の相次ぐ移籍だ。

 ニューヨーク・シティFC(NYCFC)に移籍したリバプールのレジェンド、スティーブン・ジェラードを皮切りに、ユベントスのリーグ3連覇に貢献したアンドレア・ピルロ、プレミアリーグの得点王に二度輝いたディディエ・ドログバ、メキシコ代表の若きスター、ジオバニ・ドス・サントスなど今夏だけで4人の大物がMLS行きを決断した。

 この動きは何も今年に限った話ではない。スペイン代表における歴代最多得点記録保持者のダビド・ビジャ、バロンドール受賞者のカカ、チェルシーの中心選手として活躍したフランク・ランパード、デル・ピエロの後継者とうたわれたセバスティアン・ジョビンコなど錚々たるスター選手がこの1~2年でMLSに移籍している。

 さらに、ズラタン・イブラヒモビッチ(パリ・サンジェルマン、スウェーデン代表)やウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド、イングランド代表)など、欧州のトッププレイヤーもMLSへの関心を隠さない。

 リーグとしても好調で、2014年シーズンにおける1試合あたりの平均観客動員数は1万9147人と過去最高を記録した。この数字はNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)やMLB(メジャーリーグ・ベースボール)に次ぐ数字だ。

 またリーグの価値が上がったことで、2015年シーズンの放映権料は年間9000万ドル(約112億5000万円)と前年比5倍に急増、新規参入の際のフランチャイズ費も1億ドル(125億円)を突破した。平均観客動員数が伸び悩んでいるJリーグとは対照的だ。

 9月7日号の日経ビジネスでは、「MLS、世界のスターが集まる理由」と題してMLS躍進の秘密を分析した。詳細は本誌をお読みいただくとして、エッセンスの一つはチケット販売というスポーツビジネスの基本を地道に改善してきたことが挙げられる。

 キーパーソンのインタビューを通してMLS躍進の秘密を紐解く本連載。まずは、チケットセールス養成学校、National Sales Center(NSC)を設立したMLSのブライアン・ファイファー・バイスプレジデントのインタビューだ。MLSがチケット販売にどれだけ力を入れているかが分かるだろう。(聞き手はニューヨーク支局、篠原匡)

MLSはNational Sales Center(NSC)という組織を設立して、各クラブのためにチケット販売員を育成している。まずNSCの概要について聞かせてほしい。

ファイファー:あなたが今言ったように、NSCは各クラブのチケット販売員を育成することを目的に設立された組織だ。MLSがチケットセールスを希望する若者を集めて育成し、優秀な人材を各クラブに送り込むんだ。このプログラムが動き始めたのは2010年7月。これまでに165人がMLSのクラブに職を得た。

 NSCは、ミネソタ州ミネアポリスにあるNational Sport Centerというアマチュアスポーツのための施設の一角にある。研修期間は3カ月前後で、研修生は200時間のトレーニングに従事する。ここで、各クラブでフルタイムのセールス職を得た時に直面するであろう様々な状況を体験させるんだ。こういった組織はMLSにしか存在しない。

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  • 2015年9月7日
    「チケット販売こそリーグ発展の原動力」

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