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ブライアン・イグチ 独占インタビュー

14 07/05 UPDATE

90年代当時、単なるスポーツとしてではなく、最新型のユースカルチャーとして、スノーボードシーンのみならず、音楽やファッションなどの他分野のカルチャーを横断しながら、その新たな価値観を各シーンに刻みつけていったニュースクールムーブメント。トリックやファッションやスタイルもさることながら、それら全体を含むアティテュードにおいて、今日のスノーボードの本質に繋がるパラダイムシフトを引き起こしたムーブメントして知られているが、その牽引役のひとりが、本インタビューに登場する、"グッチ"こと、ブライアン・イグチ。

今回は、彼が"ファミリー"として所属するVOLCOMが満を持して発表したスペシャルムービーコンテンツ『TRUE TO THIS』のジャパンプレミアツアーに併せての来日となった。そのアメリカ初の3Sボーディングカンパニーにおける23年の歴史が綴られた映像コンテンツ同様に、25年の長きに渡って、スノー、スケート、サーフという3つのボードに乗り続けてきたグッチの歩みは、スノーボードを軸足とする3Sライフスタイルの理想的なロールモデルと言えるだろう。

その誕生より約四半世紀を経て、スノーボード本来の在り方のひとつとして、再び注目が集まりつつあるニュースクールムーブメント。そのイノベーションの渦中にいた"レジェンド"の言葉に、ぜひ耳を傾けてほしい。そこには、四半世紀を経て色褪せるどころか、今なお世代を超えて共有されるべき普遍的な価値観があるはずだ。



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「年齢を重ねても、そこにはまだ大きな可能性が残されているんだ」


――アナタがスノーボードを始めてもう四半世紀になりますね。

「そうだね(笑)。もう人生のほとんどを板の上で過ごしていることになるよ。ただ、僕はずっと同じ理由でスノーボードを続けているんだ。何より楽しいし、本当に愛している。それこそライディングスタイル自体は変わってきているかもしれないけれど、いざ家から外に出て、山に滑りにいくときのテンションは、キッズの頃と何も変わらないんだ。山の上で仲のいい友達と一緒に同じ時間を過ごせることにとても感謝しているよ。そんな僕のことをレジェンドと呼んでくれる人もいるみたいだけれど、クレイジーだね、ホントおかしな話さ(笑)」


――アナタのスノーボードには、スケートやサーフィンがルーツにありますが、現在のマウンテンフリースタイルなライディングに辿り着くまでに、どのような変化を遂げていったと思いますか?

「キミが言うとおり、スノーボードを始めた頃、サーフィンやスケートボードからとても大きな影響を受けていたね。スティーブ・グラハム、クレイグ・ケリー、ダミアン・サンダース、デイブ・シオーネ、マイク・ランケットといった、スノーボードを進化させてきたライダー達はもちろん尊敬していたし、たくさんよい刺激をもらった。けれど、スティーブ・キャバレロ、クリスチャン・ホソイ、トニー・ホークといったスケートボーダーからもたくさん影響を受けていて、スケートトリックをスノーボードにうまくトランスレートできるんじゃないかとも思っていた。

その結果......うまくいったんだ。スケートトリックを雪の上でやることに見事にハマった(笑)。それと同時に、僕のバックグラウンドでもあるサーフィンも含めて、3つのスポーツのすべてが融合していったんだ。

そうこうする中で、様々な雪山の地形を滑ることにも楽しさを見いだすようになっていった。以前はビッグベアなどでパークを作ったりもしていたけど、次第によいコンディションの雪を求める気持ちも大きくなっていって、自ずとバックカントリーを追究するようになっていったんだと思う。ここ数年は山の奥に入っていて、より雪のコンディションにも気を遣うようにもなっているからね。少しずつ山についての理解も深まっていると思っている。

でもスノーボードを始めた頃からマインドは何も変わらないよ。外に出て、友達とセッションをして、いいバイブスを持ち寄って、お互いにプッシュし合いながら、新しいことにトライする。何よりもそれらを楽しむ。そのすべてはずっと同じなんだ」


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photo: VOLCOM

左から、VOLCOMの創設者の1人であるリチャード・ウールコット、アーティストのマイク・パリロ、そしてイグチの豪華な3ショット


――それこそアナタも所属するVOLCOMという3Sボーディングカンパニーの在り方を映像で表現し尽くしたのが、先頃公開された『TRUE TO THIS』という作品だと思います。ファミリーとして20年近くともに歩み続けてきて、あの作品を観てどのようなことを感じましたか?

「僕にとっての『TRUE TO THIS』とは、3つのスポーツがどこから来て、どのように変化を遂げていったのかが理解できる革命的なものだ。サーフィン、スケートボード、スノーボードにおいて、もっとも高いレベルのライディングが選び抜かれている。個人的にもこれらの映像を観ることは素晴らしい経験だった。自分が子供の頃から親しんできたものが、凄まじいレベルで進化しているのを、ひとつの作品の中で目の当たりにできるのは最高だよ。おかしいのは、このムービーを観た後は、スケートに行くか、波を探しに出かけるか、山に滑りに行くかで迷ってしまうんだ(笑)。3つの異なる興奮がすべて同時に味わえるってことだね」


――そんなアナタが初めてスケートフォトを飾った有名なものは、1989年のUS のTRANSWORLD SKATEBOARDINGでのスパイク・ジョーンズによるものでしたよね? 当時はプロスケーターとしての可能性も大きかった?

「面白いことに、小さい頃はカリフォルニアでスケートのコンテストによく出ていたんだ。だけどスノーボードを始めてから、それこそ高校になって山の近くに引っ越すようになってからは、スノーボードという新しいボードスポーツを追究したくなった。そのうちスポンサードもつけてもらえるようになって、ビッグベアでパークを滑るようになった頃も、もちろんスケートはしていたけど、コンテストに出るようなほどではなかった。やがてたくさんのエネルギーをスノーボードに注ぎ込むようになっていったんだ。

そんな子供の頃のスケートやサーフィンの経験がベースにあって、僕はスノーボーダーになったと思っている。もう四半世紀も山で滑っているんだからね。確かに僕のライディングは変わったかもしれないけれど、そのアプローチはキッズの頃にストリートでスケートしていたときと何ら変わりはない。スケートとスノーボードはもちろん違うものだよ。けれど、それらはお互いに関わり合っている。スノーボードのトリックのほとんどは、スケートで覚えたものばかりだからね。僕にとって両者は間違いなく繋がっているんだ」


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photo: VOLCOM(左)

スケートボードとスノーボード、リンクするライディング。乗るボードと年代は違えど色あせないイグチ・スタイル


――90年代の初めの頃に、アナタはカリフォルニアのビッグベアから、ワイオミングのジャクソンホールに移住しましたが、その大きな理由は何だったのでしょう?

「山から学ぶことはたくさんあるけれど、特にジャクソンホールの山からは、そんな機会をたくさん与えてもらった。あそこにはライダーを成長させてくれる要素がたくさんあるんだ。僕の大切な友であり、メンター(恩師)でもあるクレイグ・ケリーが亡くなる前、彼に影響されて、よりよい雪を求めて、たくさんのポイントや様々な地形を探し回ったものだよ。それがジャクソンに移った主な理由かな。

始めの頃は、ジャクソンとカリフォルニアを行ったり来たりしていたんだけど、やがてジャクソンでこれからの人生を過ごそうと決めたんだ。まさにジャクソンに恋に落ちたというべきだね(笑)。最初は冬に恋したけれど、そのうちに夏も愛するようになった。小さな街だけど、あそこで滑っている人たちとの生活が好きなんだ。小さなコミュニティのほうが何事もシンプルだしね。たくさんの自然に囲まれて、広大な土地を冒険できる暮らしが好きなんだよ」


――当初は、山でのスノーボードを追究するとともに、寿司職人の仕事もするなど、決して生活は楽ではなかったと聞いています。

「新たにスポンサーがつくまでは、一人前の寿司シェフになるために何年間か修行をしたんだ。日本の文化を学ぶこともできたし、寿司シェフの仕事も楽しかったしね。いまでもたまに馴染みの寿司バーを手伝ったりもするよ(笑)

そもそも1日中滑ってから仕事をするのは大変なことだよね。『ESCRAMBLE』(2006年)を撮影しているときは、テリエ(ハーカンセン)やジェイミー(リン)と1日ずっと撮影した後に、僕は寿司バーでディナーを作っていたんだ。とてもしんどかったな(笑)。みんなが食べて飲んでいる間、ずっと働いていたものさ。いま振り返ってみれば、それもいい経験だったと思うよ(笑)」


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3Sを語り出すとスイッチが入ったように真剣な表情を見せてくれた。


――それらの経験を積み重ねることで、アナタはマウンテンフリースタイラーのオリジネイターのひとりになることができたんだと思います。そんなアナタにとって、スノーボードにおけるフリースタイルとは何を意味するのでしょう?

「まずテレインパークでトリックを習得して、やがてそこから次第に山の知識を得ていって、それらをナチュラルテレインに合わせていくことが、マウンテンフリースタイルのゴールだと思っている。ただ、僕はまだその入口に立っているにすぎないんだ。

新しいテレインを発見することには大きな興奮を覚えるけれど、より山を理解すること、安全に山で過ごすための知識を習得すること、アバランチなどの危険から自分や友達の身を守ることなどには、常に難しい決断が必要とされる。バックカントリーライディングにおいて、誰かが雪崩に巻き込まれたり、ケガをしてしまったら、適切な判断のもとに素早く助けなければならない。そういう意味では、僕はいまだに進歩を続けていると言える。以前よりも強く責任を感じるようになったし、それらの知識や経験を経て、より自信を持って山を開拓できるようにもなったと思っている。

それこそ昔のように、大きくジャンプしたり、ハイスピードでパークを流すことはできなくなっているけれど、最新のスプリットボードをたずさえて山を登り、ピークから滑り下りてくる快感は、以前よりもずっと大きなものとなっているんだ。人は一生を通して成長できるし、年々進化するギアテクノロジーの恩恵もあって、仮に年齢を重ねても、そこにはまだ大きな可能性が残されているからね。そんな自らのスキルを磨き続けることに、これからの時間を費やしていきたいと思っているんだ」



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ブライアン・イグチ(Bryan Iguchi)

1973年9月10日生まれ。カリフォルニア州ロサンゼルス出身。クリスチャン・ホソイやトニー・アルバらとともに滑っていたスケートボードの腕前に加え、サーフィンのコンペティションライダーとしても活躍していたキャリアを誇るレジェンド。自らのルーツである3Sの要素をふんだんに盛り込んだニュースクールスタイルのライディングによって大きな注目を集める。その後、移り住んだワイオミング州ジャクソンホールにて、アンバサダーとして活躍するかたわら、自らのマウンテンフリースタイルのライディングを追究し続ける日々を送っている。

photos: ZIZO=KAZU

text: Takashi Sukegawa

interview: Hajime Hirano


INFORMATION

『TRUE TO THIS』が特別付録DVDとして、「TRANSWORLD SNOWboarder's BIBLE 2014-2015」封入!

四半世紀のキャリアを経て、いまだ3Sライディングの可能性を追究し続ける"グッチ"こと、ブライアン・イグチ。7月5日(土)発売の「TRANSWORLD SNOWboarder's BIBLE 2014-2015」では、そのグッチのライディングも収められている、VOLCOMによる『TRUE TO THIS』のDVDが特別付録として封入! 3Sライフスタイルの神髄を体現するレジェンドの勇姿を、その目にしかと焼き付けろ!!




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