人気アイドルグループ「嵐」のコンサート「ARASHI BKLAST in Miyagi」が9月後半(19、20、22、23日)、宮城県利府町の宮城スタジアムで開催される。その影響で、仙台市を中心にホテルの予約が軒並み埋まっているという。関東などから遠征組のファンたちが押し寄せるためだ。
ネットのオークションサイトでは、期間中の仙台市内のホテル「宿泊権」が多数出品されている。落札後に名義変更ができるものもあるが、なかには「宿泊者の変更ができなかったので、女性名義での宿泊になります」と書いているものもあった。
このような場合、宿泊権を落札した人は、予約した「他人」の名義で宿泊することになりそうだが、法的に問題はないのだろうか。落合洋司弁護士に聞いた。
●立件される可能性はほとんどないが・・・
「他人になりすました宿泊は、旅館業法違反に問われる可能性があります」
落合弁護士はこう指摘する。
「旅館業法6条は、1項で『営業者は、宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載し、当該職員の要求があつたときは、これを提出しなければならない』、2項で『宿泊者は、営業者から請求があつたときは、前項に規定する事項を告げなければならない』と定めています。
そして、同法12条には『第6条第2項の規定に違反して同条第1項の事項を偽つて告げた者は、これを拘留又は科料に処する』と刑事罰の規定もあります。
拘留は1日以上30日未満の刑事施設での拘置(身柄拘束)、科料は1000円以上1万円未満とされています。
宿泊の際、宿泊カードに必要事項を記載するよう求められるのは、こうした規定があるからです。
その際に偽名を使うなど『偽って告げる』行為をすると、上記のような旅館業法違反に該当します」
予約をした他人の名義で宿泊することは、犯罪にあたる可能性があるわけだ。
「ただ、従来の立件例では、公安事件で非公然活動家を摘発するのに使われることが多く、一般人が立件対象になる例は皆無に近いです。
実際には、適当に申告して宿泊している人は、かなり多いと推測されます。
とは言え、違法行為は良くありません。予約者と宿泊者が異なる場合は、予約した人が来られなくなったと説明し、宿泊者の正確なプロフィールを告げて宿泊すべきだと思います」
落合弁護士はこのように述べていた。
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