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 東京電力福島第一原発事故から4年半にわたり福島県楢葉町(人口約7400人)で続いていた避難指示が5日、解除された。全自治体規模で解除されるのは初めて。しかし、生活環境に対する不安も根強く、避難先に定住を決めた住民も多い。町に戻ったのはごく一部にとどまる。

 町によると、帰還に向けた準備のための宿泊制度に登録していたのは8月31日時点で1割強の351世帯780人。9月5日、避難指示が解除されて自由に戻れるようになったが、すぐに戻るのはわずかとみられる。

 自宅をリフォームし楢葉町で暮らす、造園師の坂本房男さん(68)は「避難した4年半はものすごく長かった」と感慨深げに話した。

 5日、町役場も本格的に始動。多くの住民が避難生活を送る同県いわき市や会津美里町の出張所からも職員が駆けつけた。午前8時20分、町役場の玄関にかかっていた「帰町準備室」の看板が取り外された。

 松本幸英町長は職員らに「長い月日を経て避難指示が解除され、止まっていた時計の針が再び動き始めた。町の復興に邁進(まいしん)する」と訓示した。

 その後、政府関係者も出席し、「町復興祈念式典」が開かれた。園児らが町の再生を願ってエノキを植樹したり、小中学生が復興を願う作文を読んだりした。